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ロキ、善か悪か、イタズラ好き北欧神話のトリックスター、その末路は

更新日:

ドロシー ハーディ作

一説ではトールの弟でもあるちょいワルキャラのロキ。

日本でもテレビアニメやゲーム出演でご多忙です。

神話の中でも意地悪やイタズラし放題の神。さすが神様、イタズラのスケールのスゴさにオドロキです。

けれど悲惨な罰も受けている。

妻も夫(!?)もいて、子供たちは神も恐れを抱く大怪物。

その神々の独特の世界観、ご覧ください。

 


 

ロキ、イタズラのスケールでも超大物トリックスター

カール・エミール・ドープラー(原画)

ロキ(Loki)は霧の巨人族ヨトゥンの、父ファールバウティと母ラウフェイの間に生まれます。

巨人族でありながらトールやオーディンの義兄弟となり、アース神族とともにアースガルドで暮らすゲルマン神話最大のトリックスター

神話の中ではトールとロキはオーディンの義兄弟ですが、オーディンの権威を尊重して息子として扱われる場合もあります。

端正な顔立ちの美形ですが性格は狡猾で気まぐれ、裏切りや嘘はロキの性格そのものとなっています。

けれど『ギュルヴィたぶらかし』 や『トール讃歌』など、トールとは巨人の国を冒険するなどの行動を共にすることも多く、トーがロキの機転で救われたことも多々ある知恵者でもあります。

男神にも女神にもなる両性の神。妻と愛人、そして夫を持つのは間違いなくロキが唯一の神。

 

ロキの家族

エミール・ドプラー 作

妻:シギュン

忠実な妻、最後までロキに連れ添います。
洞窟に閉じ込められたロキに垂れる毒蛇の毒をシギュンは洗桶で受け止め、ロキの苦しみを和らげます

二人の間にはヴァーリ(ナリ)とナルヴィという息子が生まれます。ナルヴィは神々によって狼に変えられ、ヴァーリは八つ裂きにされ、その腸によってロキは岩に縛りつけられます。

愛人:アングルボザ

醜い容姿と伝えられる巨人族の女性。アングルボザとの間に3人の子供をもうけます。長男は巨大な魔狼フェンリル、次男は大海蛇ヨルムンガルド、末娘は冥界ニブルヘイムの統率者女神ヘル

夫:スヴァジルファリ

ロバート・エンゲルス作

山の巨人が所有する魔法の馬。スヴァジルファリとの間には、牝馬に変身し8本足の神馬スレイプニルをロキ自身が出産しています。

 

ロキの功績

作者不明

ロキを批判する神は多い中、その文化英雄な功績も高く評価されているのです。

自らが撒いたタネを刈り取るためとはいえ、名馬スレイプニルを出産しオーディンに献上、アスガルドの城壁の再建にも貢献しています。

スレイプニル以外にも、ドヴェルグ(小人)のブロックとエイトリを騙し、オーディンの黄金の腕輪ドラウプニルや投槍グングニル、雷神トールのハンマー・ミョルニルフレイの船スキーズブラズニルなど数多の武具の製造にも携わっています。

元は火を神格化した存在だったと考えられており、『ニーベルングの指環』のローゲはそんなロキがモデルとなっています。

 

度が過ぎる(?)、はちゃめちゃなロキのイタズラ

W. G. コリングウッド作

 

オトの殺害と指輪アンドヴァラナウト

アーサー・ラッカム作

ドワーフのオトカワウソに化けていたところをロキに捕まり、殺されてしまいます。

オトの父フレイズマルはロキに賠償金を求め、ロキはドワーフのアンドヴァリから黄金と、持つ者を富に導く魔法の指輪アンドヴァラナウトを奪い取り、その資金に充てます。

(この魔法の指輪はその後ファフニールの持ち物となるもの。)
ンドヴァリはその魔法の指輪に手にしたものが破滅する呪いをかけ、ロキは呪いのかかった指輪をオトの父に渡しました

そして、フレイズマルに指輪を渡した後に呪いのことを伝えたといいます。

 

女神イズンの誘拐

女神イズンはに永遠の若さを約束する黄金の林檎の管理人。フレイヤとならびアースガルズで最も美しい女神であるとされます。

イズンはロキに騙され巨人にさらわれてしまいます。

その時イズンと共にリンゴが失われたことで、アースガルズの神々が年老いる事体が発生しています。

 

トールの妻の髪

キャサリン・パイル作

ロキはある時悪戯でトールの妻シヴの金髪を丸刈りにしてしまったことがあります。

激怒したトールから脅迫されて、ドヴェルグに見事な金髪のかつらを作らせたという結末です。

 

バルドルの殺害

アーサー・ラッカム作

オーディンの息子光の神バルドルが不死になったとの噂に、日頃バルドルの人気が気に食わなかったロキはバルドルの弟ヘズをそそのかして、唯一の弱点のヤドリギで貫き、バルドルを殺させてしまいます。

『ギュルヴィたぶらかし』ではその後、老婆セック(ソック)に変身してバルドルが甦らないようにも仕掛けています。

 

ロキの口論

WG コリングウッド作

ひねくれ者のロキはイタズラ以外にも酒宴の席で神々を罵倒(『ロキの口論』『古エッダ』の詩の一節)

エーギル神の館で従者であるフィマフェングとエルディルはその働きぶりに神々の称賛を受けます。

ロキはそれが気に食わずフィマフェングを殺害。

退席させられたロキは舞い戻り、ブラギイズン、ゲフィオン、オーディンフリッグフレイヤニョルズテュールと、次々に神々をこき下ろしてゆきます

 

ロキの末路

クリストファー・エカスベア作

イタズラ以外にも酒宴の席で神々を罵倒するなど、ロキの行動に業を煮やした神々はついにロキを捕らえ、巨大な岩に息子ナリの腸で縛り、洞穴に幽閉します。

天井からは蛇の毒液が滴り落ち、妻のシギュンが器を持ってそれを防ぎます。

けれど、器を変える一瞬、毒液があたり、ロキは苦痛で叫び声をあげ身を捩るといいます。北欧では地上に起きるの地震はロキの苦痛が響いたものであると伝えられています。

 

 

今も超売れっ子トリックスターなロキ

人気アニメ出演もご多忙

FAIRYTAILでのロキは魔導士ギルド「妖精の尻尾(フェアリーテイル)」に所属する魔導師黄道十二門の星霊の1人、獅子宮のレオ」として登場。

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ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」緋色の髪、ロキ無乳と言われるほどに無乳な女神として登場。

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機巧少女は傷つかない」ロキは十三人(ラウンズ)と呼ばれる実力者の一人、ヴァルプルギス王立機巧学院に在籍するフレイの弟です

 
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エッダ 古代北欧歌謡集

 

 

ロキ まとめ

エルンスト・ヘルマン・ヴァルター作

日本にもスサノオのような豪快なアラガミがいますが、ロキもただ狡猾な神というだけでなく、まさにひねくれた天衣無縫な大神という印象を受けます。

甲斐甲斐しく世話をする妻がいる、愛されていたということにも納得します。

 

 

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