アテナはギリシャ神話の中オリュンポス十二神の一柱、知恵、芸術、工芸、戦略を司る処女神。
今回は、そんなアテナに注目です。
英雄の守護神、スペードのQのモデルであると言われる美しすぎる聖戦士、
アテナの出生の秘密から勇姿までご覧ください。
目次
アテナ、鎧をまとった成人として生まれる処女神
アテナ (Athēnā)はギリシャ神話において戦女神としての名が有名ですが、軍神アレスと比較して、「正義と知性のある戦いの神」としての色合いが強い英雄の守護神。
アテナの兄弟
アテナはギリシャの主神・天空神ゼウスと知性の女神メティスの間に生まれます。
兄妹は太陽神アポロン、月の女神アルテミス、軍神アレス、鍛治の神 ヘーパイストス, 伝令神ヘルメス, 酩酊の神ディオニュソス, 出産の神エイレイテュイア, 青春の女神ヘーベー
アテナの出生
ゼウスの最初の妻だった知恵の女神メティスは結婚後アテナを身籠ります。
けれど、地母神ガイアがゼウスとメティスの子どもは「ゼウスを超える神となる」と予言。
これを恐れたゼウスは妊娠したメティスを丸呑みにしてしまいます。
メティスが身籠った子を自分の体から生み出す事で自分から生まれた存在にし、運命を回避させようとするのです。
アテナは吸収されることなくゼウスの体内で成長します。
アテナが成長するにしたがってゼウスは激しい頭痛を感じるようになり、耐え難い頭痛にゼウスはプロメテウスに両刃斧ラブリュスで自分の頭を割らせます。
割れたゼウスの頭から成人して鎧をまとった女神アテナが誕生。
この時、世界は天変地異に見舞われ、宇宙が揺れ動いたと伝えられています。
シンボル
アテナはフクロウを聖獣とし、聖樹はオリーブ、平和を象徴しています。
また蛇が知恵を表すシンボルとして用いられます。
オリーブがシンボルなのはポセイドンとアテナイの守護神の座を争ったことが由来しています。
アテナイの民が生活に必要なもの与えるという課題でポセイドンが飲めない海水の湧水(あるいは馬を作り出した)のに対し、アテネは荒地に実のなるオリーブの木を植え、勝利しています。
性格と勇姿
戦の女神としてのアテナの出立は、ゴルゴーンの頭部が付いたアイギスの盾と前立ての付いた兜を被り、槍を持った若い乙女神。
戦時には勝利の女神ニケを従えて軍を率いて英雄を導き、助力します。
アテネの性格は気高く自由奔放、従うものには慈悲深く接しますが、背くものには厳しい制裁を与えます。
美しいゴルゴーン姉妹のメデューサはポセイドンとアテナの神殿で交わったため、アテナは神殿を汚したことを怒りその姿を怪物に変える苛烈な罰を与え、討伐にはペルセウスに武具を貸し与えています。死後もその生首を自身への攻撃を防ぐ盾アイリスに貼り付け、その邪視で敵対する者の命を奪います
また、アテナ以上に機織りに優れ、女神とその技を競ったアラクネを蜘蛛に変えたりもしています。
アテナの神格
武装した姿で誕生したアテナは戦いの女神であると同時に知恵や戦術、技能を司る神として崇められます。
特に英雄たちの守護者として彼らを危難から遠去け、武勲を立てるに必要な助力を与えます。
軍神アレスが戦闘能力を司る残忍な神であるのに対し、アテナは戦いに必要な知恵と勇気を与え、都市と人民を守護する女神として崇められています。
古代ギリシアでは、戦の際には都市と民を守り英雄を守護するアテナに祈りを捧げたといわれます。
神話の中のアテナ
戦いの神であるアテナも多くの神話に登場しています
ギガントマキアでのアテナ
アテナはポセイドンと共にギガントマキアに参戦。
最強のギガース.・エンケラドスと戦い、圧殺しています。不死身のアルキュオネウスをヘラクレスと共に撲殺。
パッラースの生皮を剥ぎ、盾を創ったと伝えられています。
アテナとエリクトニオス
アテナにはアテナイの王エリクトニオスの出生に深く関係しています。
古代ギリシャの著作家アポロドーロスによると、アテナは武器を作るためにヘーパイストスを訪れます。
その際、欲情したヘーパイストスに襲われ、アテナは逃げますがヘーパイストスはアテナの脚に射精。アテナは精液を布で拭い地に投げ捨てます。
この精液が落ちた土が身籠り、後のアテナイ王エリクトニオスが誕生。
アテナはエリクトニオスを不死にするため大蛇と一緒に箱に入れ、アテナイ王ケクロプスの娘パンドロソスに託します。
この時、パンドロソスの姉妹は箱を開けることを禁じられていましたが好奇心に負け箱を開け、大蛇によって滅ぼされたとも、アテーナーの怒りによって狂い死にしたとも伝えらえています。
その後エリクトニオスはアテナに育てられ、のちにアテナイ王となります。
トロイア戦争とアテナ
パリスの審判
トロイア戦争のきっかけとなったのはギリシャ神話で語られる「パリスの審判」
舞台はアキレウスの両親となるアルゴナウタイにも参加した勇者ペレウスと海神ネレウスの娘テティスの結婚の祝宴。
それに招かれなかったただ一人、争いの女神エリスはその宴席に最も美しい女神にというメッセージを添えて黄金の林檎を投げ入れます。
これを手に入れる権利をヘラ・アテナ・アプロディーテーが主張し、その審判をトロイアの王子パリスに委ねられます。
ヘラが「アシアの君主の座」、アテナは「戦いにおける勝利」、アプロディーテーは「最も美しい女性」を手に入れることを約束し、パリスは「美しい女性」を選び、アプロディーテーが黄金の林檎を手に入れます。
その「最も美しい女性」がスパルタのメネラーオス王の妃ヘレネでした。
パリスとヘレネは惹かれ合い、パリスは自国トロイアへヘレネを連れ帰ります。
これがトロイア戦争の発端。
戦況を助けるアテナ
この戦いでトロイア側にはアプロディーテー、ギリシア側にはパリスに拒まれたアテナとヘラが加勢します。
アテナはギリシア勢のアキレウスらの働きを助けます。
一騎打ちとなったヘクトールとアキレウスの戦いでは、アポロンはヘクトールを疲れ知らずの体に変え、アテナはヘクトールの弟デーイポボスの姿でさりげなく戦いを妨害しています。
アレス対アテナ
また、トロイア側についたアレスを阻止するため、アテナは自ら戦車の御者となりギリシャ勢の戦士ディオメーデースを乗せアレスを攻撃。ディオメーデースが槍を投げ、アテナがその槍を導き、アレスの下腹部へ命中、アレスは叫び声をあげて逃げ去っています。
トロイの木馬
勝敗を決する戦略となった「トロイアの木馬」は「アテナの怒りを鎮めるために作られた捧げ物」。
この際、この木馬をトロイアの城内に運び込むことに反対した神官ラオコオンはアテナに両目を潰されます。それでも木馬を焼き払うことを訴えたラオコオンはアテナの放った2匹の大蛇に2人の息子共々かみ殺されてしまいます。
カッサンドラとアテナ
敗北したトロイアの王女カッサンドラはアテナ神殿へ逃げ込みます。カッサンドラはアテナの神体にすがり助けを求めますが、願いは叶わず、小アイアースに捕えられ凌辱されてしまいます。けれどアテナはこれに激怒し、小アイアースに神罰を下しています。
さまざまな作品に登場する戦女神
星座とギリシャ神話がモチーフの作品で有名なのはやはり「聖闘士星矢」でしょうか。この作品には、戦いの女神アテナの生まれ変わりとして城戸沙織というキャラクターが登場します。
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「機動戦士ガンダムZ」にもアテナの名を冠したモビルスーツ「パラス・アテネ」が登場しています。
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『アベル&アテネ』チャンネルのアテネは金髪・黄緑の瞳、瞳と同じ色のフードを羽織った美少女。
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アテナ まとめ
ギリシャ神話の中でも有名な戦女神、アテナ。
貞淑で、強く、しかも美しい。なるほど神々しい女神様です。