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へーベー(へべ)、「へべれけ」の語源になった、青春と若さを司る女神

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ウィリアム・ビーチー

ヘーベー(へべ)は「へべれけ」の語源となった神。

美しく可燃な女神様が、酔いどれを意味する言葉の語源になった経緯を探ります。

ヘーベー(へべ)は永遠の若さを司る、主神ゼウスとヘラの愛娘。

ヘラと和解し、天界に昇ったヘラクレスの妻となります。

オリュンポス12柱に数えられることもある重要な女神様。

そんなヘーベーに注目です。

 

 

へーベー(へべ)、永遠の若さを給仕するゼウスとヘラの愛娘

ヘーベーはギリシャ神話の青春と若さを司る神。その名はズバリ「若さ」「青春」を意味します。

主神ゼウスと神々の女王ヘラの娘で、軍神アレス、出産を司る女神エイレイテュイアとは兄妹。

天に昇り、神となったヘラクレスと結婚し、アレクシアレースとアニーケートスの2柱をもうけます。

ヘーベーはヘラの処女相であり、ヘーシオドスの『神統記』では、黄金の冠を被る、翼を持つ姿で描かれることもある美しい乙女。

 

青春と若さを司る神

ウィリアム・ビーチー作

ヘーベーは美少年で名高いトロイアの王子ガニュメデスにその役目を替わるまで、オリュンポスの神々の宴席で給仕を役目とした神。

若さを保つための不死の霊薬である神酒ネクタールや、不死の効力を持つ神々の食物アムブロシアーを神々に給仕することで神々の永遠の若さを保ちます

また、青春を司る女神として、老人を若返らせ、幼い者を成長させる能力を持ちます

 

**「へべれけ」の語源**

宴席でのヘーベーはネクタールやアムブロシアーを給仕する以外、しばしその美しい姿で神々を魅了します。

アポローンの竪琴の演奏と芸術の女神たちムーサたちの歌声に合わせ、

神々は美しい女神たちに魅せられ、美酒に酔い、我を忘れます

そのため、泥酔することをヘベ・エリュエケHebe erryeke(ヘベのお酌日本語の「へべれけ」の語源となりました。

 

ヘーベーの性格

ヘーベーは慎ましやかな女神で、一説には、家事に従事する若い娘を神格化したものと言われています。

ホメロスの叙情詩『イーリアス』では母ヘラが外出する時には黄金の戦車を配備し、英雄ディオメーデースと闘って負傷した兄のアレスの傷口を洗い、介護しています。

ある時、ヘラがヘラクレスの誕生を遅らせた事に腹を立てた父ゼウスはヘーベーの髪を天井に吊し、ヘラの反省を促します。

周囲の反応とは別に、吊るされたヘーベー自身はたた笑っていた、能天気なところがあるとも伝えられています

 

ヘラとヘーベー

ヘーベー,へべー-2

アンジェリカ・カウフマン作

ヘーベーはヘラの子供たちの中で最も母親から愛されていた愛娘。

全ての女神たちの中で最も美しいとされる美貌を持ち、常に母ヘラの傍らに寄り添います。

オリュンポス12神のひとりに数えられることもある、ヘーラー・パイス(乙女のヘーラー)として、母ヘラに生き写しの処女。

 

ヘラクレスとへーベー

ヘーベーは、天に昇り、入神した英雄ヘラクレスと結婚

それまでヘラクレスを嫌っていたヘラとの和解のために、ヘラの最愛の娘であるヘーベーとの結婚が決まります

ヘラクレスの息子達がミュケーナイの王エウリュステウスに迫害された時には、エウリュステウスを倒すため、ヘラクレスの従者で息子達の庇護者イオラーオスを若返らせています。

 

神話の中のヘーベー(へべ)

「変身物語」のアイソン

◾️オウィディウスの『変身物語』の中で、年老いたアイソンは、コルキスの女王メデイアの魔法で若返ります。

アイソンはアルゴ探検隊を指揮した英雄イアソンの父。異父兄弟のペリアースに王座を奪われ亡命。ぺリアースは息子イアソンにコルキスに金羊毛を取りに行くことを命じ、王座を奪い返されることを防ごうと画策。

この時、メデイアは魔女ヘカテーの助けで、ヘーベーの力を用い、アイソンを若返らせています

 

◾️また、英雄の夫アルクマイオーンを殺された河神アケローオスの娘カリロエーは、言い寄るゼウスに自分の幼い子供達を大人にするように願います。ゼウスはヘーベーに命じ子供達を成長させ、父の敵を討たせています。


 

現代では意外と出番のない? ヘーベー(へべ)

ソーシャルゲーム「幻想神域のヘーベーは花嫁修業のため人間界にやって来た青春の女神。ヘーベーの奏でるバイオリンの音色は、聞く者の心を癒やすだけでなく、凍てつく魔力を宿した絶大な力を発揮します。

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神姫プロジェクト」のヘーベーは植物を操る力を持つ、孤児院の院長を務めていた神姫。

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1990年代の人気ゲーム「へべれけ」シリーズの主人公のヘーベーは、氷の上を歩くのも水の中を泳ぐのも苦手なペンギン。雪だるまのようなる謎の生物です。

 

 



ヘーベー(へべ)まとめ

ジャン=マルク・ナティエ

ヘーベーはオリュンポスの神々の中で、ゼウスとヘラの娘であるその血筋も、「若返り」の能力も「永遠の若さ」という司る神格も最も重要な存在といえる神。

なのに、他の神々に比べれば目立たなさ過ぎのようにも思います。

多分、自己顕示欲のようなものが皆無な慎ましやかな女神様なのでしょう。

けど、なんか、「へべれけ」の語源で甘んじているのがもったいないです。

 

 

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