ヘパイストスはゼウスとヘラの間に生まれた第一子。美の女神アフロディテを妻に娶り、周囲から羨まれる環境にありながら、その醜さゆえ、幼くして母ヘラに捨てられ、妻からは不貞という裏切りを身に受ける不幸な人生を辿ります。
母や妻から疎まれたヘパイストスに喜びはあったのか、ご覧ください。
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ヘパイストスとは
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ヘパイストスはゼウスとヘラの第一子として生まれました。オリュンポス十二神の一柱、炎と鍛冶を司ります。
鍛冶技術を持つ単眼の巨人キュクロープスらを従え、自らの工房で様々な武器や神具の製造を行います。
ヘパイストスは両足の曲がった奇形児として生まれました。
それを疎ましく思ったヘラは、生まれたばかりのわが子を天から海に投げ落とします。
ヘパイストスは海の女神テティスとエウリュノメーに拾われ育てられました。
成人したヘパイストスは戦士として戦う勇者でもありました。
ホメーロスによる最古の長編叙事詩『イーリアス』では、アキレウスを助けるため河の神と対決。
業炎を放ち、巨大な河を瞬時に蒸発させてなくし、河の神スカマンドロスを退治しています。
ヘパイストスの功績
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ヘーパイストスの作ったとされるものには下記のようなものがあります。
- ゼウスの命によりエピメーテウスの妻となった美女パンドラを粘土で制作。
- ゼウスの武器、盾アイギス、雷霆ケラウノス。
- アポローンとアルテミスの矢。
- 戦略の女神アテナの武器「アイギスの盾」。
- ヘラクレスの青銅の鉦。
- アキレスの「アキレウスの盾」や兜などの武具一式。
- 青銅の巨人タロース、など。
母ヘラとヘパイストス
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ある日、ヘパイストスは日頃から冷遇する母ヘラに、美しい宝石を散りばめた黄金の椅子を贈ります。
ヘラはそれを喜び、腰掛けた瞬間身体を椅子に縛り付けられてしまいます。
ヘラはヘパイストスに拘束を解くように懇願します。
その願いを叶える条件として、ヘパイストスは自分がヘラの実子であることとアプロディーテーとの結婚を認めさせました。
妻アプロディーテーの不貞
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ヘパイストスの妻アプロディーテーは美を司る女神。アプロディーテーにとって夫ヘパイストスの醜さは受け入れられず、そのために幾多の恋を重ねることになります。
オリュンポスの男神の中でも最も美しい神の1柱、軍神アレスとの間には恐怖を司る神ポボスとデイモスの兄弟、調和を司る女神ハルモニアーをもうけています。
妻の浮気を全く疑っていなかったヘパイストスは、太陽の神ヘリオスからアフロディーテと軍神アレスの関係を知らされます。
恋愛に疎く、実直なヘパイストスは良い夫婦関係を築いていると思い込んでいたために落胆し、妻アフロディーテと愛人アレスに復讐することを決心します。
その復讐として、ふたりの情事の瞬間をヘパイストスの作った見えない糸で縛り、その姿を神々の晒し者にするという辱めをふたりに与えます。
ヘパイストスの子エリクトニオス
アプロディーテーとの離婚後、ある時ヘパイストスは知略の女神アテナを見染め、思いを遂げようとします。
処女を誓ったアテナは逃げて純潔を守りますが、その時ヘパイストスの体液が足に付着してしまいます。
アテナは羊皮でこれを拭い地面に捨てると、その場所から「エリクトニオス」が誕生。
エリクトニオスは大地から生まれた者の証とされる蛇の下半身を持って生まれました。
望まない子として誕生したエリクトニオスですが、アテナはエリクトニオスを育てることを決心します。
成長したエリクトニオスはやがてアテナが守護するアテナイの王となります。また、父であるヘパイストスの指導を受けて「ギリシア戦車」も発明しています。
ヘパイストスも現代では立派な勇者
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ソーシャルゲーム「黒騎士と白の魔王」では恋敵軍神アレスと同格の炎属性SRキャラとして登場しています。
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同じくソーシャルゲーム「エレメンタルストーリー」では火属性の敵に有効なキャラ。敵単体に強力なダメージを与える「メテオインパクト」攻撃が可能です。
ヘパイストス まとめ
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「男は外見ではない」とよく言います。けれど実際、不具の子として生まれたヘパイストスにとっての外見のハンデが人生に大きく影響しているのは間違いありません。
生まれてすぐに、醜いが故に実の母に天界から地上に投げ捨てられてしまうことがどれだけ気持ちを卑屈にさせるか、気の毒としか言いようがありません。
けれど、もし、それでも明るく生きたという性格に成れたのなら、間違いなく異性にはモテただろうと思います。
外見のハンデを武器にすることは可能なのだと思います、よ〜