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啓蟄(けいちつ)3/5、虫たちも目覚める、啓蟄の頃の風習や行事

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啓蟄の頃、冬眠していた昆虫や動物たちも目覚め、いよいよ全ての生命の活動が活発になり始める時期の到来です。

野山では山菜も採れるころ、清流に泳ぐ魚、ハチや蝶も飛び交う、春の景色に出会います。

街でも、門前に咲く沈丁花の香りが、道行く人に春の訪れを告げています。

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「啓蟄」

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啓蟄(けいちつ)は二十四節気の3番目。

現在の定気法では太陽黄経が345度のとき。

2020年の啓蟄は3月5日(木)および春分(3月21日の前日)までの期間をいいます。

『暦便覧』では「陽気地中にうごき、ちぢまる虫、穴をひらき出ればなり」冬眠していた動物や昆虫たちが動き出す頃。」は「開く」、「」は「昆虫などが土中に閉じこもる」。「啓蟄」で「冬籠りしていた昆虫が土中から這い出る」を意味します。

 

** 冬眠していた動物たちは **

昆虫 ― 蜜蜂 蟻、蛇、モンシロチョウ、てんとう虫・亀・カタツムリ・雨蛙

動物 ― ハリモグラ、コウモリ、キツネザル、シマリス、ツキノワグマ、ホッキョクグマ、など。

ただし、動物については体温が上昇したり、外的な影響で、早くに冬眠から覚めることもあって、その時期については一定ではありません。

ちなみに動物園の動物は食べ物に困らないので、冬眠しないということです。

 

** 虫出しの雷 **

立春をすぎたころの初めての雷を「虫出しの雷」といいます。雷の音に驚いた虫たちが冬ごもりを終える、俳句の季語としても使われています。

 

** 十六団子 **

「十六団子」は3月16日に行われる農耕に関わる行事。

東北や北陸地方の農家では田の神様に一年間の豊作を願い、十六団子をお供えします。

日本では古来、「山には山神様が住んでいる」その神様は米作りを始める3月16日に田畑に降り、農耕の神様となって収穫の終わる11月16日に山に帰ると信じられてきました。

その3月16日と11月16日の2回、農家では餅つきをし、その音で農耕の神様をお迎え・お送りするのだといいます。

ついた餅は小さく丸め、16個の団子を作り、神様にお供えします。

16個である理由は

平安時代の6月16日に行われた「嘉祥(かしょう)の儀式」、無病招福を願い、16個の菓子や団子を供えたことから由来すると伝えられています。

 

 

「啓蟄」の頃、七十二候

初候(3月5日頃〜3月9日頃) 蟄虫啓戸(ちっちゅう こを ひらく):冬籠りしていたすべての生物が活動し始める頃

カタツムリやてんとう虫も目覚める頃。

次候(3月10日頃〜3月14日頃) 桃始笑(もも はじめて わらう):桃の花が咲き始める頃

桃の花は春先の花。鮮やかなピンクを表現する、桃色の花が咲く頃。

末候(3月15日頃〜3月19日頃) 菜虫化蝶(なむし ちょうと けす):さなぎが羽化してモンシロチョウになる頃

畑には菜の花やレンゲソウが咲き、モンシロチョウが飛び交う、春の景色の到来です。

 

「二十四節気」とは

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二十四節気は、一年を春・夏・秋・冬の季節に分け、それぞれをさらに6分割した24の期間に名前をつけたものです。現在でも季節の節目を示す言葉として使われています。

二十四節気の名称は、中国で考案された当時のものがほぼそのまま使われています。考案当時の文明の中心であった黄河の中・下流域の気候を反映しており、日本よりも寒冷で大陸的な気候のため、日本の気候とは多少ずれがあります。

太陽黄経が30の倍数であるもの(春分・穀雨など)を(中気)、そうでないもの(清明・立夏など)を(正節、節気)と言い、節気から次の節気の前日までの間を一ヶ月とする月の区切り方を節切り、その月を節月と言います。季語の分類も主として節切りで行われています。

夏至・冬至の二至、春分・秋分の二分を併せて二至二分といい、立春・立夏・立秋・立冬を四立二至二分四立を併せて八節と言います。二十四節気をさらに約5日づつの3つに分けた、七十二候という分類もあります。

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啓蟄の頃の行事

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桃の節句も終わった啓蟄の頃、春を告げる年中行事が催されます。

奈良東大寺二月堂 お水取り」3月12日

奈良東大寺お水取りは3月1日より14日間に渡っておこなわれる修二会(しゅにえ)行事のひとつ。本尊に供える香水を汲み上げる行事に由来する「お水取り」、練行衆が二月堂に上堂する際、足元を照らす大松明で先導されることに由来する「お松明」という名でも親しまれる、古都奈良に春を告げる年中行事です。

 

京都 嵯峨釈迦堂 お松明」3月15日

京都清凉寺において、釈迦の涅槃会にちなんで行われます。
高さ7メートルの3本の松明に点火し、火勢の強弱でその年の農作物の豊凶を占う京の三大火祭の一つ。

 

滋賀県 「近江八幡左義長祭」3月14・15日

無形民俗文化財にも指定される近江八幡の三大火祭り、五穀豊穣を祈り、豊臣秀次が八幡山城を築いたのと同時に定着した氏神八幡宮の祭礼。湖国に春を呼ぶ奇祭として毎年盛大に執り行われます。

 

啓蟄 まとめ

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梅、桃、桜と咲き移る春を象徴する花の中、梅が肌寒い早春に咲く花、桜は瞬間に咲き乱れ美しく散る花をイメージします。

そして桃の花は、まさに桃色に色鮮やかな花を咲かせる。

寒梅から桜前線が最北端を過ぎる頃までの期間のうち、桃の花も咲き誇り、全ての様々な生物も目覚める啓蟄、いよいよ本格的な春のスタートということになるのでしょうか。

by pam(神伝編集部)


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