ゲームやアニメにも頻繁に登場するサジタリウス。さまざまな表現や、星座になった顛末のギリシャ神話を解説したいと思います。サジタリウスでイメージするのは半人半獣の弓を持った人馬です。
果たして元になったギリシャ神話ではどの様な存在なのでしょうか。
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ギリシャ神話に登場するサジタリウス
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サジタリウスとは星座の名前。13の固有名がある星と3つの固有名がない星々で構成され、人馬が弓を弾いている格好を描いています。これはギリシャ神話の半神半獣のケイローンが星座になった姿であると伝えられています。
ギリシャ神話において、サジタリウスとなったケイローンは、上半身が人で下半身が馬の怪獣であるケンタウロス族の賢者。巨人族タイタンの長であり主神ゼウスの父であるクロノスと、ニンフのピュリラーの間に生まれました。
クロノスがピュリラーと交わった時馬の姿をしていた為、人馬の子供として生まれました。母親のピュリラーはその姿を嘆き、ゼウスに願って菩提樹になったと伝えられています。
巨人族の王クロノスの子であり主神ゼウスの兄弟であるケイローンは野蛮な怪獣ケンタウロス族の中でも極めて優れた能力を有します。
アポロンやアルテミスから音楽、医学、予言、狩猟等を学びます。そしてペーリオン山の洞穴に住み、薬草を栽培し、病人を助けるという賢者としての生活を送っていたと伝えられます。
また、ヘラクレスやカストール等の英雄に武術を教え、アルゴー探検隊で活躍するイアーソンの養父となり、後に優れた医術で死者も蘇らせたと伝えられるアスクレーピオスに医術を与え、英雄アキレウスの教育係も務めた人徳の塊のような人物だったようです。
最後はケンタウロスとヘラクレスとの戦いでヘラクレスの放った毒矢が誤ってケイローンを射てしまいます。その苦痛に耐えかね、不死身の能力をプロメテウスに譲り亡くなります。異母兄弟のゼウスがその死を惜しみ、星座にしたのが射手座となったということです
半人半獣の怪獣、人馬と弓を象徴するサジタリウス
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サジタリウスは本当に様々なアニメやゲームに登場しています。
キャラクターとして登場した場合、弓や人馬等の基本スペックは共通しているものの、人格はばらつきがあるように感じますし、そもそも人格を有していない様な設定で登場する事も多いです。
長編TVアニメ「宇宙船サジタリウス」では舞台となる中古貨物宇宙船がサジタリウス号でした。
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大人気アニメとなった車田正美の「聖闘士星矢」では、主人公の「ペガサス星矢」の最後の切り札として着る事になる黄金聖衣(ゴールドクロス)として登場します。
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また、スマホゲームの「グランブルーファンタジー」では強力な召喚獣として登場しています。
知恵と徳の象徴の様なサジタリウス
生みの母がその出生を嘆いた罪の子、半神半獣の姿で生きることは賢者ケイローンにとってはさぞ自分を恥じる人生であったろうと思います。
その反動で賢者になる、勇者や賢人を育成する人生に行き着いたこともなんとなくわかるような気がします。それでもヘラクレスやアキレスを育てたなんて、単純に考えただけでスゴイ。
その功績はサジタリウス星座として永遠に夜空に輝いていますよ。