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ヴァルハラ、オーディンの館。勇者が望む死の果てにある日々

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パラダイス、ユートピア、桃源郷、極楽浄土、そしてwaqwaq。

地域や宗教によって、死後の楽園は様々に言い伝えられています。

今回は北欧の勇者が、その館に迎え入れられるために栄誉ある死を望んだとされるヴァルハラを考察します。

勇者が望むヴァルハラでの日々とは

画像出典:deviantart

 

 

ヴァルハラとは

ヴァルハラ(Walhalla)とは、神々の国アスガルドにある「よろこびの家」とも呼ばれる主神オーディンの宮殿。

戦いで戦死した勇敢な魂は「エインヘリャル」となって戦乙女ワルキューレに選ばれ、ヴァルハラに迎い入れられます。

 

ヴァルハラは地上で最も見事な宮殿グラスヘイムの中にあります。

黄金に輝くこの館には世界を体現する巨大な樹ユグドラジルが影を落とします。

門にはオオカミ、空は鷲によって守られ、建物内にある540の扉にはそれぞれラグナロクの際には一つの扉から800の軍勢が打ち出るよう待機しています。

屋根は盾、壁は槍で造られ、広大なホールには鎧で造られた巨大なテーブル、そこには胸当で造られた椅子が添えられています。

館にはユグドラシルの上にとまる雄鶏のグリンカムビが住み、毎朝英雄達を目覚めさせるために時を作ります。

酒宴の席にはゲリとフレキという名の狼、ワタリガラスのフギンとムニンを従え、オーディンが王座につきます。

 

ヴァルハラでの日々

エミール・ドプラー作

戦場で死んだ英雄たちはエインヘリャル(死者の魂)として、死後の世界でも戦い続けます。

これはラグナログの際、神々とともに巨人たちと戦うための訓練。

彼らは毎朝戦いを開始し、その日敗れた者も夕刻には蘇生し、毎夜催される酒宴に加わります

ワルキューレはユグドラシルのにいる雌ヤギ・ヘイズルンの出す蜜酒を注ぎ、テーブルには殺されてもすぐに蘇生する大猪のセスルムニルの料理が並びます。

 

英雄だけが迎えられるヴァルハラ

ローランス・フレーリク作

北欧は植物が育ちにくい極寒の地。戦いに明け暮れるヴァイキングの日々はまさに生きるための選択。

そんなにヴァイキングとっては、厳しい環境の中でいる現実より、ワルキューレが給仕する酒と食事が約束されたヴァルハラでの日々はまさに天国なのです。

そのためもあってヴァイキングはヴァルハラに迎え入れられる栄誉を得るために勇気ある死を望みます。

ちなみに、病死など、戦場以外で死んだ者はヘルが支配する死者の国ニヴルヘイムに行くことになり、ヴァルハラには迎い入れられません。

 

 

映画になる、ゲームになるヴァルハラ

人気R P Gゲームアサグリシリーズの最新作は「アサシン グリード ヴァルハラ」。戦士団のリーダー・エイヴォルは新たな定住の地を求めヴァイキングの民を導きます。

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2009年放映『ヴァルハラ・ライジング』は鬼才ニコラス・ウィンディング・レフン監督が放つ壮絶なバイオレンスアクション。舞台は11世紀のスコットランド。超人的な殺戮本能を備えた独眼の奴隷戦士ワン・アイがたどる冒険の旅を描きます

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話題のサイバーパンクバーテンダーアドベンチャーゲームVA-11 Hall-A ヴァルハラでは207x年のグリッチシティの一角にあるバー『VA-11 Hall-A』として登場です。

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ヴァルハラ まとめ

出典;deviantart

ヴァイキングは人間でさえ貢物として神々に捧げたとドラマで見ました。

そして、生贄にされた人間も抵抗せず死んでゆきます。

戦いに明け暮れるヴァイキングにとって、毎夜、綺麗なお姉さんのワルキューレに添われ、酒とご馳走でもてなされる日々、これはもう極楽以外の何物でもないのでしょう。

ヴァルハラは、ヴァイキングにとって死んでもいいではなく、だから死を恐れない、栄誉ある死を選ぶ、憧れの地なんですね、納得です。

 



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