北欧神話には神々の終焉を意味する「ラグナロク」という最終戦争が起こるという予言があります。
ラグナロクはff シリーズでも聞き覚えのある最終兵器。
「最終」であるラグナロクとはどのようなものなのか。
神話の中で伝えられるラグナロク、その終末を考察したいと思います。
出典:deviantart
目次
「神々の黄昏」恐怖の「ラグナログ」
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「ラグナログ」は北欧での最終戦争、全ての終焉をいいます。
その内容は北欧神話を今に伝える『新エッダ』の中の『ギュルヴィたぶらかし』、「古エッダ」『巫女の予言』で語られています。
ラグナログとは本来は「神々の運命」を意味しますが、「新エッダ 」の作者、アイスランドの詩人スノッリ・ストゥルルソンが「神々の黄昏」と誤訳したことから、以降、広くラグナログ=「神々の黄昏」と訳されるようになります。
予兆
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ラグナログの前触れはフィンブルヴェト(大いなる冬)の始まりから。
夏が訪れることもないままに、風の冬、剣の冬、狼の冬の3度の冬が続きます。
激しい風と雪が人間の国ミドガルズに吹きつけます。
太陽と月を司る神ソールとマーニはついにフェンリルの子であるスコルとハティに追いつかれ、飲み込まれてしまいます。
星々は天から落ち、大地は荒れ、樹木も枯れ、山々も崩壊。
人々のモラルは崩れ去り、数えきれない戦乱。
兄弟同士が殺し合い、そして、すべての生き物は死に絶えます。
解き放たれる怪物たち
ついに巨狼フェンリルが、グレイブニル(6つのこの世にあり得ないもので作られた魔法の紐)の捕縛を逃れて自由の身となります。
ヨルムンガルド(世界を締め上げられる程に巨大な世界蛇)も海底から離れ、巨大な高波と共に陸地を目指します。
その波の間をぬって巨人族ヨトゥンとヘルの死者たちを乗せ、ロキが舵をとる船ナグルファルもアスガルドを目指します。
陸地ではスルト(灼熱の国ムスペルヘイムの炎の巨人)が炎の剣を携え、巨人族を率いて進軍。
その炎にアスガルドにかかる虹の橋ビフレストは崩壊。
ヘイムダル(虹の橋を守る神)はギャラルホルンを吹き、敵の進撃を告げ、オーディンは賢者の神ミーミルに助言を求めます。
応戦する神々
ヘイムダルの警告によって敵の攻撃を知った神々は武装し、主神オーディンを先頭に、ヴァルハラの勇者エインヘルヤルと共に決戦の地ヴィグリードに向かいます。
オーディーンは巨大狼フェンリル、戦神トールは巨蛇ヨルムンガンドに挑みます。
オーディンは巨狼フェンリルに飲み込まれてしまいます。けれどオーディンの息子でトールと同じほどの怪力を持つとされるヴィーザルが足で下顎、手で上顎を抑え、その巨体を引き裂きます。
トールはヨルムンガンドを討ち取りますが、その毒を浴び、9歩退いて倒れます。
軍神テュールも地獄の番犬ガルムと、ロキはヘイムダルと相打ちで倒れて行きます。
妖精王フレイはムスペルの一族を率いた炎の巨人スルト。けれど勝利の剣をスキールニルに与えてしまったフレイには武器がなく、あえなく打ち倒されてしまいます
スルトは「光り輝く剣」を放ち、世界樹ユグドラシルを焼きつくします。
世界の終り
巨人スルトの放った炎の剣は神々や巨人をはじめ、世界中のあらゆるものを燃やしつくします。
- 神々の国アースガルズ、
- 妖精の国アルフヘイム、
- ヴァン神族の国ヴァナヘイム、
- 人間の国ミドガルズ、
- 黒い妖精の国スヴァルトアールヴヘイム、
- 巨人の国ヨトンヘイム、
- 小人の国ニダヴェリール、
- 氷の国ニヴルヘイム、
- 死者の国ヘルヘイム、
- 炎の国ムスペルヘイム、
九つの世界は燃え尽くされ、神々もエインヘルヤルも、人間も巨人も、妖精も小人も、怪物も動物も死に絶え、海中に沈んでゆきます。
未来への希望
けれど、オーディンの息子ヴィーザルとヴァーリ、トールの息子モージやマグニ、アース神族のヘーニルは生き残ります。
やがて海に沈んだ大地が浮かび上がります。そしてオーデンの息子で光の神バルドル、弟のヘズは死者の国より復活。
バルドルは新しい神々の主神となり、神々はかつてアースガルズのあったイザヴェルで暮らすことになります。
炎から逃れたリーヴとリーヴスラシルという人間の男女が、ラグナログで焼け残ったホッドミーミルの森で暮らし始めます。
そして、太陽を司る神ソルが狼に飲み込まれる前に産んだ美しい娘が、母を継いでその軌道を巡り、新しい太陽となります。
武器としても最強、最終兵器「ラグナログ」
「マイティーソー ・バロルロイヤル」この映画の英語現代は「Thor;Ragnarok(ソー・ラグナログ)」
マイティー・ソーとラグナログがどう関連するのかは「ラグナログ」が何を意味するのかを理解することで納得できるものと思います。
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ラグナログでまず思い描くのはやはり「FFシリーズ」、初期の頃には騎士が扱う暗黒剣として登場しています。対抗できるのは聖剣エクスカリバー級の武器。使うとフレアーという属性が付くのが特徴です。
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また、大久保篤 原作 アニメ「ソールイーター」死神が管理するデスシティーという世界でのお話の中では死神武器職人専門学校、魔剣職人クロナの魔武器として登場しています。
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ユニークな存在としてはMMORPG「ラグナログ」。北欧神話を元にして作られた物語、癒される可愛いキャラクター達の活動も人気のひとつ。
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ラグナロク まとめ
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「ラグナログ」でオーディーンもトールも亡くなって、全てが崩壊し消え去ってしまう。想像以上に悲惨な結末です。
ただ「新エッダ」の結末には、トールやオーディーンの子らは生き残り新しい時代の神となり、炎から逃れたリーヴとリーヴスラシルという2人の人間が新しい世界を作ると締め括られています。よかった。。