ギリシャ神話に登場する魔女キルケーは女神でもある美女。か、女神が魔法を操るという方が正確かも。とにかく、好みの男をさらい、弄んで飽きたら獣に変えてペットとして飼いならす、なんて、奔放すぎる所業の持ち主。
そんなキルケーの悪女な振る舞いとは。。
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好みのオトコはゼッタイゲット! 魔女キルケー
出典:mementmori
キルケーは太陽の戦車を駈る太陽神ヘリオスと女神ペルセーイスの娘。魔術と薬学に優れ、薬で人間を動物や魔物に変えることができる美しい半神の魔女。本来は月の女神あるいは愛の女神であると考えられています。
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キルケーはその歌声と美貌で男性を虜にします。アイアイエー島に住み、好みの男性を見つけると連れ帰ります。弄んだのち、飽きると狼・ライオン・豚などの獣に変え、ペットとして身近において飼い馴らしていたといいます。
スキュラとキルケー
スキュラは上半身は美しい女性ですが、腹部から6つの犬の首が生え、下半身は魚という奇妙な姿をした怪物。もとはシケリア島に暮らす美しいニュムペーでした。
かつては多くの男性が彼女に求婚しましたが、スキュラは恋愛や結婚に興味がありませんでした。そんなスキュラを慕う男性の中に、グラウコスという海神がいました。彼は長い髪、海の様に真っ青な身体、脚の代わりに魚の尾の生えた奇妙な姿の持ち主。
スキュラはグラウコスの姿に恐れ、彼を拒みました。
スキュラを諦めきれないグラウコスは、魔女キルケーに惚れ薬を作ってくれるよう依頼します。けれどキルケー自身がグラウコスを見初め、嫉妬心からスキュラを怪物に変えてしまうのです。
スキュラの住むシケリア島に、スキュラが水浴びをするお気に入りの小さな入江がありました。キルケーはその入江の水に毒薬を流します。それを知らずスキュラはいつものように入水、腰まで浸かったところで異変が起こり、水に浸かった腰までが怪物の姿に変わってしまっていました。
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スキュラは自分の変わり果てた姿に嘆き悲しみ、周囲を恨み、性格まで凶暴に変わってゆきます。グラウコスも変わり果てたスキュラを悲しみ、彼女にそのような仕打ちをしたキルケーのもとを去りました。
オデュッセウスとキルケー
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ホメロス『オデッセウス』で、トロイア戦争の後オデッセウス一行はキルケーの住むアイアイエー島にたどり着きます。
キルケーの宮殿にはライオンや狼、イノシシなど凶暴な動物が飼いならされていました。その獣たちはキルケーの魔術のよって動物に変えられたキルケーの餌食となったオトコたちです。
キルケーはオデュッセウスの乗組員にも魔法のご馳走を振舞い、キルケーの杖で触れ、ひとりづつ、全員を豚に変えてしまいます。オデュッセウスだけが、ヘルメースから貰った魔法を打ち消す効力のある薬草モーリュによって豚に変えられずにすみました。
オデッセウスはキルケーに仲間をもとの姿に戻すよう命じます。
けれど、オデッセウスもまたキリケーの魅力の虜となり、1年ないしは3年その島に留まることとなります。
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ようやく部下たちの声にわれに返ったオデュッセウスはキルケーと別れ、出立。
キルケーは、セイレーンの海域では歌を聴いてはならないこと、その後海の魔物カリュブディスの渦巻きと怪物スキュラーのどちらかとの遭遇を選ばなくてはならないことを忠告します。
オデッセウスたちはまずセイレーンの海域にたどり着きます。
そしてキルケーの忠告に従い、船員たちは耳栓をし、オデッセウス自身は身体を帆柱に縛り付けてセイレーンの歌を聴きました。
そして怪物スキュラーとの遭遇。船員6人がスキュラーの餌食となりましたが、なんとかその場から逃れることができます。
キルケーの系譜についても他の多くの神々同様、様々な説があります。一説では魔女メディアの父アイエーテスや、ミノタウロスの母パシパエと兄弟である。また異説ではメディアとともに魔術と冥府の女神ヘカテーの娘とも伝えられています。
神姫やサーヴァントにもなるキルケー
出典:神姫プトジェクト攻略
「神姫プロジェクト」でのキルケーは自らの欲望を満たすために男を誘惑する神姫。その振る舞いから、懸賞金までかけられている悪女。
「Fateシリーズ」のキルケーはヘカテーと共に、魔女メディアの師匠とされるサーヴァント。自分を頼りにしてくれる人間の男性をご馳走としています。
キルケー まとめ
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好みのオトコを魔法の力で虜にして飼いならす、これってハッキリ言って反則技ですよね。
人の心はままならないから、人は恋愛に命までかける。好き放題に手に入れて、それで満足できるのかは疑問。
けれど、獣に変えられたオトコが全て不幸でいるかどうかも???、 かな