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ネレウス、ギリシャ神話の海神。海の老人と呼ばれるネレイスの父

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ネレウスは美女揃いと評判の海のニンフ・ネレイスの父。

アキレウスの母テティスやポセイドンの妻アムピトリーテーを生んだ海神。

 

個人的にはネレウスはやっぱ、「まほうじじい」なイメージ。

海域や中堅モンスターとして、突然魔法攻撃を仕掛けてくる、なかなか小賢しい存在です。

 

けど、神話の中のネレウスは「海の老人」と称される、温和で慈悲深い神。

 

 

ネレウス、温和で聡明な『海の老人』

ネレウスとは

ネレウス(Nereus)は、穏やかな内海が神格化されたギリシア神話の海神。

原初の地母神ガイアとガイアの子・海神ポントスの間の長男として生まれました。

 

ティータンの海神・オケアノスの娘たち・オケアニデスのドリスと結婚。

アキレウスの母・テティスポセイドンの妻アムピトリーテーの父としても知られます。

二柱は50人(あるいは100人)の娘たち・ネレイスと、息子・ネリテスをもうけ、エーゲ海の深海で子供達に囲まれて暮らします。

 

 

穏やかな日和(ひより)の海を表すネレウスは、温和な性格の神として知られ、多くの場合、木の杖を持った老人の姿で描かれています。

 

ヘシオドス(古代ギリシャの詩人)やホメロスも『イーリアス』の中でネレウスを「海の老人」と称しています。

ネレウスは同じく海神であるプロテウス同様、予言の力と自分の姿をさまざまなものに変える変身能力を持ち、時としてプロテウスと混同されます。

 

ネレウスには独自の神話はありません。

けれど、ヘラクレスの功業の中では2度、娘テティスの物語やギガントマキアでの戦いなどにも登場しています。

 

系譜

ネレウスとネレイドのニンフ

両親

ヘシオドスの『神統記』では、

⚫️  原初の大母神ガイアと海の化身・ポントスの長男

オルペウスの伝承では、

⚫️   ガイアと天空神ウラノスの子でティータンの一柱

 

⚫️ 一般的には妻はオケアニデスのドリスとされますが

アイリアヌス(古代ローマの作家)の『博物誌』では

⚫️   ネレウスはアフロディーテの水の配偶者

 

兄弟

⚫️   タウマース ― オケアノスの娘・オケアニデスのエーレクトラーとの間に虹の女神イーリスと、2人のハルピュイアをもうけます

⚫️   ポルキュース ― 妻は兄妹のケートー。 グライアイ3姉妹、ゴルゴーン3姉妹 の父

⚫️   ケートー ―  夫はポルキュース。海の危険性や恐怖、未知の生物を神格化した女神。一説にはエキドナスキュラセイレーン、ラードーンの母ともされます。

⚫️   エウリュビア  ―  ティータンのクレイオスと結婚。アストライオス(風の神・アネモイの父)、ペルセース(ヘカテーの父)、パラース(一説にはエキドナの父)の母

などがいます。

 

子供

ドリスとの間に50人とも100人ともされるネレイスをもうけます。

その中には

⚫️   アムピトリーテー ー ポセイドンの妃となった

⚫️   テティス ―  キレウスの母

⚫️   ガラテイア ―  アルゴナウタイの勇者・ポリュペーモスと結婚。ケルト人、イリュリア人、ガラティア人の祖となったケルトス、イリュリオス、ガラースを出産

⚫️   プサマテー ー アイギーナ島の王・アイアコスとの間にポーコス。エジプト王プローテウスとの間に預言者・テオクリュメノス、女予言者・テオノエー(エイドオー)を出産。

などがいます。

 

また、後世には、アフロディーテ、またはポセイドンの恋人のネリテスという名の息子ももうけたとされています。

 

神格・能力・性格 

紀元前490年頃 ヘラクレスとネレウス

神格

カール・ケレーニイ(古代ギリシャの神話学者)ネレウスとプロテウス は共に「海の老人」と呼ばれ、、クロノスが主神であった時代では海を支配する神々

ゼウスが主神の座に就いたとき、ポセイドンにその座を譲ったとされます。

 

性格

ネレウスは賢明で慈悲深い神として知られています。

ヘシオドス(古代ギリシャの詩人)はネレウスを正直で、豊富な知識を有し、正義を重んじる、聡明な神と称しています。

 

オルペウス教では、ネレウスは海の神々の中で最も高齢の神

 

けれどそのネレウスも、時として深海の怒りを解き放つこともあったと伝えられています。

ウェルギリウス(古代ラテン語文学の詩人)は、トライデントを武器として、海上で激しい嵐を巻き起こすネレウスを語っています。

 

能力

ネレウスは予言と変身の能力を有していました。

また、漁師の守護神とも考えられ、崇めるものに大漁を与えたとされます。

 

容姿

ネレウスは自由に姿を変えることができる神ですが、ほとんどの場合、木の杖を持った老人の姿で表されています。

 

あごひげを生やし、禿頭。最魚の尾を持ち、人間の上半身に下半身は魚人魚の姿で描かれます。

いくつかの描写では、魚の尾を持つ馬・ヒッポカンポスに騎乗しています。

 

ネレウスとヘラクレス

ウジェーヌ・ドラクロワ作「ネレウスと戦うヘラクレス」(1849年)

ホメロス『イリアス』の中で

ネレウスは、ヘスペリデスにある黄金のリンゴを持ち帰るというヘラクレスの11番目の功業に登場しています。

ヘラクレスはヘスペリデスへ行く方法をネレウスに尋ねますが、ネレウスは様々な姿に変身、それを逃れようとする姿が語られています。

 

また、ヘラクレスの10番目の功業でも、ゲリュオンのの飼い牛の捕獲に向かうヘラクレスにその航海のためにヘリオスの杯を与えています

 

 

ネレウス、現代では魔法も使えるジジィ(?)

 

ドラゴンクエスト』シリーズではお馴染みの「まほうじじい」系統のモンスターとして登場しています。

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『グランブルーファンタジー』でのネレウスはなんと猫耳で巨乳の美女。

イベント「Marionette Stars」「Unbound Asterism」に登場。「ナビス」のメンバーで、占星武器「ネーレウスの杖」の適合者です。

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ネレウス まとめ

アーサー・ラッカム作

ネレウス、いかにも温和な好々爺。イケジイな神なようで。

けど、個人的には、突然ラリホーやバギマなんて厄介な呪文で戦闘不能にさせられたりする、かなり意地の悪い爺さんなイメージです。

 

 

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