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ハーピー (ハルピュイア)女怪物、人肉を喰らう半人半鳥の醜い女神

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ギリシャ神話にはさまざまな怪物が登場しますが、女性の怪物が多いことが特徴的。

エキドナメデューサ、ラミア、ドリュアスなど、異形であっても美女として描かれることが多い女怪物たちですが、その中でおぞましく、下品で不潔であると伝えられている怪物がいるのです。

その名はハーピー (ハルピュイア) 、今回はギリシャ神話の女怪物の中でも異彩を放つ半人半鳥の怪物についてご紹介します。

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おぞましき怪鳥・ハーピー (ハルピュイア)

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ハーピー (ハルピュイア) は、ギリシャ神話に登場する半人半鳥の怪物です。

ローマの詩人・ウェルギリウスの叙事詩『アエネーイス』によると、顔から胸までが人間で翼と下半身が鳥であり、容姿は醜い女性か老婆の顔をしているといいます。

名前は「かすめる」「むしりとる」を意味し、鷲のようなかぎ爪を持ち、いつも飢えて青白い顔をしているのです。冥府の王・ハデスに仕え、地下や墓地に住んでいます

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食欲旺盛で常に空腹であるため、宴という宴を荒らし回り、目にする食べ物を全て貪り、残飯の上に汚物をまき散らしていきます。

独特の悪臭を放ち、終始耳障りな声で騒ぎ立てるという、非常に不快感を与える怪物として描かれています

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ハーピーは地母神・ガイアとポントスの子・タマウスと海 (河) 神・オケアノスの娘でオケアニスの一員であるエレクトラの間に生まれた子供で、姉妹には虹の女神・イーリスがいます。

一説では本来はクレタ島で信仰されたつむじ風としての死の女神でしたが、時代が進むにつれて汚く、おぞましい怪物になっていきました。そのため、ヘシオドスの『神統記』では、「髪が豊かで、風や鳥たちと肩を並べるほど速い」と描写されています。

ハーピーは、「疾風」を意味するアエロ、「早く飛ぶ者」を意味するオキュペテー、「暗雲、黒い女」のケライノー、「足の速い者」のポダルゲーの4匹の名が知られています

ポダルゲーはその醜さながらも、西風の神・ゼピュロスに気に入られ、クサントスとバリウスという2匹の馬を生みました。この馬は後に英雄・アキレウスに贈られ、彼の戦車をひく馬として活躍します。

 

神話の中のハーピー

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ハーピーが登場するエピソードとして有名なものが、イアソン率いるアルゴナウタイの冒険を邪魔するもの。

ハーピーは、多くの人間に未来を予言したために神々の怒りを買った盲目の予言者・ピーネウスを罰する者として遣わされました。

食事をしようとしたピーネウスの前に現れ、彼の食べ物を貪り食い、残った食べ物には汚物をかけて去っていきます。そのため、ピーネウスは食事をすることができず、常に飢えに苦しんでいました。

ピーネウスに航海の助言を求めにやって来たアルゴナウタイは、ハーピーを退治することを条件に助言を得ることを約束されます。

いつものように食事を荒らしにやって来たハーピーたちを北風の神・ボレアスの子供で有翼の英雄・カライスとゼーテスの兄弟が追い払い、それ以降、ハーピーはピーネウスの前に現れなくなりました

また、一説にはアルカニアの地までハーピーを追いかけたカライスとゼーテスですが、ハーピーの悲鳴を聞きつけた姉妹のイーリスが現れ、「ハーピーは、ゼウス様の遣いなので退治してはならぬ。彼女らには、これ以上ピーネウスの前に現れないよう約束させるので、殺さないでやってくれ」と説得され、ハーピーは生きながらえたといいます。

 

ハーピーはギリシャ神話だけでなく、後世の創作物にも登場し、ダンテの叙事詩『神曲 地獄篇』では、「自殺の森」において自殺した者の魂が変貌する木を貪る怪物として描かれます。

また、キリスト教の「七つの大罪」では、強欲を表すシンボルとして使われることもありました。


ハーピー (ハルピュイア)、創作物では美女・美少女?

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漫画『モンスター娘のいる日常』では、ハーピーの少女・パピが登場。覚えたことはすぐ忘れるトリ頭ですが、天真爛漫で人懐っこい美少女です。


モンスター娘のいる日常(1) (RYU COMICS)

 

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ゲーム「黒い砂漠 (BLACK DESERT)」では、ハーピーとその女王・カランダが登場します。高難易度のボスであるため、攻略が難しいキャラクターです。

 

ハーピー (ハルピュイア) まとめ

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虹の女神・イーリスと同じ両親を持ちながら、おぞましい怪物として生まれたハーピー。

汚く下品であることが強調されるハーピーですが、そうならざるをえなかったのには、歴史的な問題や事情があったのかもしれませんね。

by  佐倉ハル


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