出典:deviantart
エキドナは怪物たちの母として知られる、ギリシャ神話の中の怪物。
その子供にはケルベロスやヒュドラー、キマイラなど、世の知られた怪物たちがいます。
エキドナ自身は上半身が煌めくような美女で下半身が蛇という姿。
醜い下半身を隠し、男性を誘い、喰らうという、まことに恐ろしい怪物です。
目次
エキドナ、多くの怪物を産んだ『怪物たちの母』
エキドナとは
エキドナ(Echidna )はギリシア神話の上半身は美女で下半身は蛇の怪物。
その名は「蝮(まむし)の女」を意味し、英語ではハリモグラをいいます。
洞窟に住み、美しい上半身だけを覗かせて旅人を誘っては喰らう怪物。
ヘシオドス(紀元前7〜8世紀、古代ギリシアの叙事詩人)は不死のニュンペーとしていますが、他説、百眼の巨人アルゴスに殺害されたともされています。
エキドナはデュポンの妻で『怪物たちの母』として知られる怪物。
エキドナ自信のエピソードはなく、産み出した怪物たちがギリシャ神話のさまざまな物語の中で語られています。
エキドナの最大の特徴は、ギリシャ神話で最も多くの怪物を産み出したその多産ぶりにあると言えるでしょう。
出自(両親)
彼女の出自については幾つもの説が語られています。
ヘーシオドス (紀元前7〜8世紀、古代ギリシアの叙事詩人) の『神統記』では
⚫︎クリューサーオール(ポセイドンとゴルゴーン三姉妹の一人メドゥーサの息子)とカリロエー( オーケアニデス)の娘で、ゲーリュオーン(ヘラクレスに倒された3つの上半身を持つ怪物)と兄弟
アポロドーロス(紀元前2世紀のアテネの学者)は
としています。
その他
⚫︎ペイラース(ティーターン族のクレイオスとエウリュビアーの息子)とステュクス(冥界の大河)
⚫︎ポルキュース(地母神ガイアと海神ポントスの子)と妹のケートー(海の怪物)の娘。グライアイ(老婆)3姉妹やゴルゴーン(異形の醜い怪物)3姉妹の兄弟となります
オルペウスの伝承では
⚫︎パネス(オルペウスにおけるすべての神々の父)の娘
などの説があります。
住処
ヘーシオドス (紀元前7〜8世紀、古代ギリシアの叙事詩人)は
エキドナは「聖なる大地の秘められた場所の下…不死の神々と人間から遠く離れた、空洞の岩の奥深く」で生まれ、暮らしていたと伝えています。
エキドナの住処とされるのはテュポーエウスの洞窟。
その地はイタリアのアリミヌムともスキタイとも言われ、正確な所在は判明していません。
エキドナは元々はスキタイ地方の地母神とされ、多くの子を産むことに執着する由縁とも考えられています。
スキタイ地方で土着の信仰をされていた神が、ギリシャ神話と習合され、母性を残して怪物へと変化していったものと考えられます。
容姿
ヘシオドスの語る「恐るべき女神エキドナ」は、半分は美しい乙女、半分は恐ろしい蛇。
「人間」にも「不死の神々」にも似ることのない、肉食の「抵抗できない怪物」
上半身はきらめく目と白い頬を持つニンフで、下半身は斑点のある皮膚を持つ巨大な蛇。
生涯死ぬことも老いることもない存在です。
アリストパネス(紀元前5世紀、古代ギリシャの作家)は、エキドナは100の蛇の頭を持つ冥界の住人。
ノヌス(ローマ帝国時代のギリシア叙事詩人)は、恐ろしい毒を持つ醜悪な存在としています。
陶器画ではそれに加えて翼が生えた姿で描かれたものも出土しています。
エキドナの最期
ヘシオドス(紀元前700年頃、古代ギリシアの叙事詩人)の『神統記』ではエキドナは不死のニュンペー。
永遠の若さを保つ怪物とされます。
けれど他説、ヘラが旅人を喰らうエキドナの討伐を百の目を持つ巨人アルゴスに命じます。
アルゴスはエキドナの洞窟に忍び込み、眠っている彼女を倒しています。
エキドナの子供達
テュポンとエキドナ
ギガントマキアの戦いの後、ゼウスに最後に戦いを挑んだ、ギリシャ神話最強の怪物テュポンがエキドナの夫です。
テュポンは星に頭が届くほどの巨体で鳥の翼を持ち、下半身はエキドナと同じでとぐろを巻いた毒蛇の姿をしています。
そのためか、二人の間に生まれた怪物は翼があったり、多頭、蛇が身体の一部を構成していたりと、まさしく怪物の様相を呈しています。
- ケルベロス、地獄の番犬
- オルトロス、二頭の獅子
- ヒュドラー、9つの首を持つ大蛇
- ラードーン、黄金の林檎を守る、100の頭を持つドラゴン
- キマイラ、ライオン・ヤギ・蛇の尾を持つ火を吐く獣
- スキュラ、「オデッセイア」に登場する怪物
- エトン、プロメテウスを襲った鷲
- デルピュネー、半人半蛇または竜の怪物、ゼウスの手足の腱を隠した洞窟コーリュキオンの番人
- 金羊毛の番竜、アルゴ探検隊が向かうでコルキスの黄金の羊の毛皮を守る竜
- パイア、巨大な猪カリュドーンの母
- ケートス、鯨の胴体に犬の頭部を持つ海獣
この戦いでテュポンは、ゼウスの投げつけたエトナ火山の下敷きにされ封印されてしまいます。
けれど、エキドナと彼女の子供たちはゼウスの采配によって助かり、後に様々な英雄たちにとっての試練となる存在になりました。
オルトロスとエキドナ
しかし、その後にもエキドナの多産は続きます。
自分の子供であるオルトロスと交わり、
- ネメアーの獅子、ネメアの谷に住む人喰いライオン
- スピンクス、ライオンの身体と人間の頭部の怪物
- タゲス
を産みました。
ヘラクレスとエキドナ
さらにエキドナは怪物だけでなく英雄であるヘラクレスとの間にも子をもうけています。
ヘラクレスは10番目の功績でゲリュオンの牛を捕獲した後、スキタイを訪れました。
そこへエキドナが現れ、ヘラクレスが眠っている間に彼の牝馬を盗み、牝馬を返す代わりにヘラクレスに交わりを要求。
- スキテス
- アガティルソス
- ゲロノス
を為します。
ヘラクレスは生まれた子のためにエキドナに3つの弓とベルトを託し、子供たちが成人したら彼らにこれを与え、これを使いこなせる者をこの地の住人として認めるよう伝えます。
末の子スキテスがそれを成し、スキタイの祖となりました。
アニメやゲームの中のエキドナ
『Re:ゼロから始める異世界生活』のエキドナはデザイン的な蛇の要素はありません。
知識を求める強欲の魔女とされており、白髪の見た目から、聖書に登場し、イブをそそのかす白蛇の要素がミックスされています。
知識、執着心、蛇の要素からエキドナの名がついたのでしょうか。
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『パズドラ』のエキドナは上半身は美女、下半身は蛇という、神話通りの姿で登場。
ゲーム配信初期からのキャラクターですが、定期的にテコ入れされ活躍の機会をもらっています。
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『FF14』のエキドナは上半身は女性型で、下半身は鎌のような足になっています。
蛇に吊られて逆さまになっていたり分裂して蛇が出てきたりと、蛇の要素もたくさん。
3のころからの登場している敵キャラ、当時から逆さまの蛇女といったデザインでした。
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エキドナ まとめ
出典:deviantart
女の怪物は上半身が美しいほどその恐ろしさには凄みが増します💦
ところで、
エキドナの子供でも、父親がヘラクレスなら民族の祖になる人間が生まれたというのは興味深いところ。
『カエルの子はカエル』『血は争えない』といいますが、やっぱ、血筋は重要(?)
ゾンビの子は特別でない限り、ゾンビで生まれていますものね💦



