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ユグドラシル、北欧神話の世界を支える大樹とその世界観

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『スノッリのエッダ』の挿絵

北欧神話の中では世界はユグドラシルという大樹に支えられ、3つの層の中で9つに分かれ存在します。

世界が大樹で育まれている、世界樹ユグドラシルとその北欧神話独特の世界観を考察します。

映画「アバター」を彷彿させる大樹ユグドラシルと、大樹に支えられるその世界とは

 

 

ユグドラシルに支えられる3つの層と9つの世界

出典:deviantart

北欧神話の世界は3層に分かれ、9つの世界と3つの魔法の泉が存在します

そこに根を張り、世界を支えるのが世界樹ユグドラシル(Yggdrasill,)です。

「スノッリのエッダ 」の「ギュルヴィのたぶらかし」によれば、ユグドラシルは「ユッグ(オーディン)の馬」を意味するトネリコの大樹。

第一層には

アスガルド(アースガルズ) 主審オーディンや雷神トールなどのアース神族の国。世界を見下ろす中心の高台にあります。

・アルフヘイム光のエルフが住まいます。豊穣の神フレイがその国を治める妖精の国 

・ヴァナヘイム 光輝く者」を意味する、アース神族と対を成す巨神ヴァン神族の国

 

第二層には

・ニダヴェリール ドワーフなどが住まう小人の国 

・ヨトゥンヘイム  霜の巨人の王スリュムが支配する巨人の国。

  • ウートガルズ ウートガルザ・ロキが治める都市、
  • ガストロープニル メングラッドが治める、
  • スリュムヘイム スィアチが治める都市

・ミズガルズ 上のアースガルズと地下のヘルヘイムに挟まれ、ユグドラシルの中央周辺に位置する人間の国 

以上の国が存在します。

 

第三層には

・スヴァルトアールヴヘイム 闇のエルフ、土精など、地に棲む精霊、黒い妖精の国 

・ムスペルヘイム スペルと呼ばれる炎の巨人が住み、スルトが入り口を守る世界の南の果てに存在する炎の国

ニヴルヘイム(ヘルヘイム)永久凍土に覆われた世界の最下層にある氷の国

の地下にはかつて巨人ユミルが生まれ、冥府の女王ヘルがその管理者となった死者の国ヘルヘイムが存在します

 

9つの世界に根を張る世界樹ユグドラシル

出典:deviantart

ユグドラジルの葉は常に青々と茂り、そこには様々な動物たちが生息します。

その根の

  • 1本は1層目にある天界アースガルズ、
  • 1本は2層目にある巨人族のヨトゥンヘイム
  • 1本は3層目にある氷の国ニヴルヘイム(ヘルヘイム)にそれぞれ張り巡らされ、世界を支えます。

それぞれの根本には3つの泉。

  • アースガルズにはウルズの泉、
  • ヨトゥンヘイムにはミーミルの泉、
  • ニヴルヘイムにはフヴェルゲルミルが湧き出ています。

 

世界樹ユグドラシルの頭上にはユミルの頭蓋骨で作られた天があります

そこでは昼夜、太陽神ソールと月の神マーニの馬車ェンリルの息子の狼に追われながら疾走ます。

 

極寒の世界ニヴルヘイムは最北に位置し、その地下には死者の国ニヴルヘル。最南端には灼熱の国巨人族のムスペルスヘイムラグナログで神々と戦うムスベルが住まいます。

その央には深い海があり、神々がユミルの身体から造った3つの大地

中央に神々が住うアースガルズ人間の住うミズガルズと虹の橋ビフレストでつながっています。

そのズガルズはユミルのまつげで造られた外壁で囲われ、その海岸線に巨人族のヨトンヘイムが存します。

 

ユグドラシルに生息する動物たち

アイスランドの写本

  • ラタトスクはリス、世界間に情報を伝えるメッセンジャー
  • フレースヴェルグ 大樹の頂き、天の北に住う鷲の姿をした巨人。彼の羽ばたきが風となって世界を廻ります。
  • ヴェズルフェルニル フレースヴェルグの眉間に留まっている鷹
  • ヨルムンガンド 世界を取り巻く大蛇。ミズガルズに収まりきらず海洋の中でミズガルズをぐるりと取り囲んで、自らの頭で自らの尾をくわえています
  • ニーズヘッグ 頂のフレースヴェルグと罵り合っている、ユグドラシルの根をかじる大蛇。
  • 四頭の牡鹿 ユグドラシルの樹皮を食料とするダーイン、ドヴァリン、ドゥネイル、ドゥラスロール

 

3つの泉

・ウルズの泉 

アースガルズに向かう根の直下にある、強力な浄化作用を持つ泉。運命の三女神『ノルンの三姉妹』が棲み、その名は三姉妹の長女ウルズに由来する「運命の泉」 

ノルンたちは、ユグドラシルが枯れないようこの泉の水と泥を混ぜたものを注ぎ、ユグドラジルの樹勢を保っています。

ミーミルの泉 

第2層ヨトゥンヘイムにある、賢い巨人ミーミルが所有する知恵と知識が隠されているとされる泉

この泉の水を飲むとあらゆる知恵を授かるとされ、オーディンは右目を対価にこれを飲んだ「戦士の父(オーディン)の担保」とも呼ばれる「知恵の泉」

 ・フヴェルゲルミル 

第三層にあるニブルヘイムにある、ニーズヘッグの棲む泉

エーリヴァーガルと呼ばれる11の川の源にある、無数の毒蛇がひしめき合う醜悪な「毒と死の泉」。

 

これらの世界を内包するのが世界樹ユグドラシルです。

 

ユグドラシルの最後

ユグドラシルもまた最終戦争ラグナログによってなくなってしまいます。

神々と敵対する巨人族の王スルトの放つ炎とと共に解放される「スルトの親威」に巨狼フェンリルと共に飲み込まれてしまいます。


 

今にある世界樹ユグドラシル

「テイルズオブシンフォニア」の世界樹ユグドラシルは精霊「マーテル」が宿る大樹。世界にマナを供給する唯一の存在として登場します。

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三千界のアバターのユグドラシルは巨人の王が引き起こした“転空”によって、宇宙樹ユグドラシルが逆転してしまった転空の世界。アース神族やベルセルク、ヴァルキュリア(ワルキューレ?)たちが戦います

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モンスターストライク」のユグドラシルは安寧を願う世界樹神 。『運命のラグナロク』からプレミアムガチャで登場した木属性のギャル神

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ユグドラシル まとめ

出典:deviantart

筆者は映画「アバター」の神木エイワは世界樹ユグドラシルをイメージされたものだと思っています。

北欧神話の世界が大樹の中にあるという発想自体が特異なようにも思いますが、神木エイワに守られる惑星パンドラを考えれば納得です。

 

 

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