
ジョン・チャールズ・ドルマン作(1909年)
ソールとマーニは北欧神話の太陽と月を司る神。
その美しさゆえ天界に迎えられ、太陽と月を乗せた馬車の従者という大変な任に就くことになります。
常にスコルとハディという巨大な狼に追われ、ラグナロクではついに追いつかれてしまうという運命。
日本のアマテラスやツクヨミ、ギリシャ神話のアポロンやアルテミス(あるいはヘリオスとセレネ)に比較して、過酷な任を果たさなければならないソールとマーニに注目です。
目次
ソールとマーニ、太陽と月になったヨトゥン

ロレンツ・フローリヒ作(1895年)
ソールとマーニとは
ソール(Sól)は北欧神話の太陽の擬人化である女神、双子の弟マーニ(Máni)は月の擬人化である男神です。
父はヨトゥン(霜の巨人族)のひとり(あるいは人間)ムンディルファリ。
美しく生まれた双子の姉にソール「太陽』、弟にマーニ『月」と名付けたため、神々は双子に太陽と月を司る役目を与えることになります。
その物語は 『スノッリのエッダ』の『ギュルヴィたぶらかし』、『古エッダ』の『グリームニルの歌』で語られています。
太陽の女神・ソール、月の男神・マーニの誕生
世界がまだ闇に閉ざされ、アスガルドに神々が住み始めた世界の始まりの頃、ユミルの体から生まれた子孫の中にムンディルフェルという男がいました。
ムンディルフェルには妻グレンの間に双子の姉弟が生まれます。
ともに輝くような金色の髪を持つ美しい子供達です。
ムンディルフェルはその美しさを喜び、姉は「ソール(太陽)」、弟は「マーニ(月)」と名づけます。
けれど神々は太陽や月の名を語ることに怒ります。
神々は怒りを父ムンデルフェリではなくその子供たちに向け、ふたりを捕らえ、天に召し上げます。
けれどオーディンでさえその美しさは神に並ぶものと認め、ソールとマーニはアスガルドに住むことを許されます。
役割
そのふたりには神としての仕事も与えられます。
神々はムスペルヘイム(炎の国)から飛び散る燃えさしで世界を照らす戦車を作ります。
ソールは太陽を引く戦車の御者、マーニは月の満ち欠けを司り月を引く戦車の御者となります。
そしてそれぞれ、ソールにはアールヴァク(「早起き」の意)、マーニにはアルスヴィズ(「快速」の意)という名の馬が与えられます。
太陽と月は走ることで熱を発するため、馬車にはイサルンコルと呼ばれる天体を冷ますふいごが取り付けられ、熱を冷ましながら天を走ります。
ちなみに地上を照らすのは夜の女神・ノートと昼の神・ダグの役割。
狼に追われるソールとマーニ

ウィリー・ポガニー作(1920年)
ソールとマーニが太陽と月を司るようになったある日、オーディンはふたりに、それぞれの馬車が狼に追いかけられることになると告げます。
その狼はロキと巨人族のアングルボザの間に生まれた長男、巨大な狼フェンリルの息子たち。
太陽の女神ソールはスコル、月の男神マーニはハディという名の狼にそれぞれ追われることになります。
そのため彼らは非常に速いスピードで天空を翔けなければなりません。
ソールかスコルに追いつかれることで日食、マーニがハディに追いつかれることでや月食が起こります。
そして最終戦争ラグナロクには、ついに狼に追いつかれ天体もろとも飲み込まれてしまいます。
けれど、太陽の女神ソールには美しい娘がいて、ラグナロクの後にはソールの娘が天空を照らすようになります。
ソール
またはソル(Sól)。
『古エッダ』の『グリームニルの歌』では「天の花嫁」
『ヴァフズルーズニルの歌』では「妖精の栄光」と表現されています。
『グリームニルの歌』によると、大地と太陽との間にはスヴェルという楯があり、それが太陽の膨大な熱を遮り、大地を守っているのです。
最期
けれど『ギュルヴィたぶらかし』によると、ラグナロクの際、太陽はついに「嘲るもの」「高笑い」を意味する狼スコル(Sköll)に飲み込まれてしまいます。
そしてラグナロク後の新しい世界では、ソールの娘がその役割を引き継ぐことになります。
マーニ
またはマニ (Máni)
マーニの後ろにはマーニが人間界から連れ去ったビルとヒューキという子供たちが付き従います。
一説にはビルとヒューキも月の擬人化であるとされ、マーニに続いて天を旅する、月の満ち欠けに関係する兄妹の子供。
彼らが月に付き添う姿は、地上からも見えると伝えられています。
最期
『ギュルヴィたぶらかし』によると、ラグナロクにおいて、月は「憎しみ」「敵」を意味するハティ(Hati)または月の犬を意味するマーナガルムに捕らえられ、飲み込まれてしまいます。
ソールとマーニ、現代でもワンセット?
「パズル&ドラゴンズ」のソールとマーニは期間限定の降臨ダンジョン「ソール&マーニ 降臨!【全属性必須】」として登場しています。
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剣と英雄のファンタジーRPG「ブレイドストーリー」では光属性のディフェンダータイプのステイタスの双刻麗神ソール&マーニとして登場です。
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ソールとマーニ まとめ

W・G・コリングウッド作『太陽の戦車』
ただ美しいということでアスガルドに住まい、太陽と月の運行を任される、これは幸運と捉えるべきか不運と捉えるべきか。
巨大な狼に追われ続け、それでもラグナロクまでの間その任務を全うしたソールとマーニはエライ!、ですっ


