スクールアイドルグループとして人気のμ's(ミューズ)、元はギリシャ神話の芸術全般を司る9柱の女神たち。
ギリシャ神話のミューズ(ムーサ)も、それぞれが美しく、優れた文芸の守護者でもあります。
そこで、元祖、ムーサ(ミューズ)の誕生秘話やエピソードもご紹介。
人々を楽しませるために生まれたというムーサ(ミューズ)。芸術家に優れた作品を制作させるインスピレーションを与えるというムーサ(ミューズ)の魅力、ご堪能ください。
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目次
ムーサ、麗しのミューズたち
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ムーサ(Μοῦσα, Musa)(複数形はムーサイ)は文芸全般を司るギリシャ神話の女神たち。英語またはフランス語でミューズ(Muse)。
ミュージック(Music)やミュージアム(Museum)の語源になったことでも知られています。
ギリシャ神話の全能神ゼウスと、タイタン族で記憶の女神ムネモシュネの間に生まれた9姉妹。オリュンポスでは,アポロンに仕える学芸の神として、彼の竪琴に合せて歌舞を演じます。
地上の芸術家たちは,ミューズにインスピレーションを与えられ,ミューズの加護のもとに作品を完成させるのだと考えられていました。
ムーサ(ミューズ)の誕生
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ムーサ(ミューズ)の出生については諸説ありますが、ヘーシオドスの『神統記』では、大神ゼウスとムネモシュネの間に9柱の姉妹として生まれています。
他説では女神ネダーとゼウスの娘とする説や、ウーラノスとガイアの間に生まれたという説もあります。そして、ピーエリア王ピーエロスの娘・ピーエリスたち(ピーエリデス)とも同一視されます。
主神ゼウスは人々の苦しみを忘れさせるために、ピーエリアの地で記憶の女神ムネモシュネと9夜続けて交わり、9柱の女神をもうけます。
1年後、女神ムネモシュネはオリュムポス山の頂上付近で9柱のムーサイを出産。ムーサイはパルナッソス山に美と優雅を司る女神カリスや、エロスの分身ヒメロスと暮らしたと伝えられています。
ムーサイは神々の宴ではアポロンの竪琴やカリスの演舞と共演し、観るものを魅了します。
それぞれのムーサ(ミューズ)
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主神ゼウスと記憶の女神ムネモシュネの娘たちはカリオペ、クレイオー、エウテルペー、タレイア、メルポメネ、テルプシコラ、エラトー 、ポリュムニアー、ウーラニアーの9柱。
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カリオペ
アポロンとの間に琴座のオルペウスを出産。人魚になったセイレーン達、ヘラクレスに竪琴を教えたリノス・レーソスの母であるとも伝えられています。
また、アフロディーテーとペルセポネとがアドニスを巡って争った時、その仲裁に入った女神であるともされています。
クレイオー
アプロディーテーを「女神であるのに人間アドニスを恋した」と咎め、そのためマケドニアの王ピーエロスの間にヒュアキントス(アポロンに愛され、ヒヤシンスの花になった)という息子を出産。
タレイア
一説にはアポロンとの間に大地の女神キュベルの従者コリュバース達を出産、グプニスと愛し合ったとも伝えられています。
メルポメネー
河神アケローオスとの間にセイレーンを生んだという説があります。また、リラの名手タミュリスもメルポメネーの子供であるとも伝えられています。
ポリュームニア
不朽の名作を生んだ作家に名声を運ぶ女神。幾何学、修辞学、瞑想、農業を司る神ともいわれ、エロス・オルペウス・トリプトレモス・ケレオス・ケイマロオスの 母であるとされることもあります
ウーラニアー
アフロディーテーの別名。または海神の娘オケアノスのひとりでペルセフォネの従者であるともいわれます。
未来予知に通じ、音楽家アムピマロスの間にリノス、アポロンとの間に結婚の祝祭神ヒュメナイオスを出産したともいわれます。
他にもウーラノスとガイアの娘、アオイデー、ムネーメー、メレテーの3柱、ゼウスとネダーの娘、アオイデー、テルクシノエー、ムネーメー、メレテーの4柱が伝えられています。
ムーサ(ミューズ)のエピソード
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かつてムーサはテッサリアのピエリア地方、そしてボイオティアのヘリコン山の地域にも崇拝されていました。ムーサイが歌うと天や星、万物がその歌声に聞き入ったといいます。
ヘリコン山でさえムーサの歌にうっとりとしているために、ポセイドンが天馬ペガソスにヘリコン山を蹴らせ、 その跡にピッポクレネ(馬の泉)ができたという伝説があります。
ヘリコン山は「霊感の聖霊」ムーサたちと関係が深く、ヒッポクレーネの泉は、詩的霊感の源。ヘリコン山の斜面で羊を放牧していた古代ギリシャの叙事詩人ヘーシオドスは、ムーサから詩の霊感を与えられ、神の起源について歌った『神統記』が生まれたと伝えられています
ムーサたちは詩人や楽人に霊感を与えた反面、おごれる歌人を罰することも多かったと伝えられています。
タミュリスとの歌合戦
タミュリスはヘラクレスに竪琴を教えたリノスに師事した伝説的な竪琴と歌の名手。
ある日タミュリスはムーサに「ムーサイと愛し合う」ことを条件に 音楽の競技を持ち掛けました。けれど、破れたタミュリスはムーサに「視力」と「音楽の技」を 奪われてしまいます。
ムーサの審判
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女神アテナはオーボエの笛を発明しました。けれどオーボエを吹く顔が歪むので、せっかくのオーボエを捨ててしまいます。
半神半獣の精霊サテュロスのマルシュアースはアテナの捨てた笛を拾ってオーボエの名手となります。そして、マルシュアースは「敗者は勝者の命令に従う」という条件で、アポロンに楽器の腕前を競う勝負を挑みます。
アポロンはムーサに審判を頼み、竪琴を奏でます。そして、判定でムーサはアポロンの勝利を告げます。
マルシュアースはプリュギアの洞窟で生きたまま皮剥ぎの刑に処せられ、その血は河となり、それがマルシュアース河となったと伝えられています。
また、マケドニアの王ピエロスの娘の九姉妹がムーサに挑みますが、勝利したムーサは神に挑んだ愚かさの罰として、彼女らをおしゃべりなカササギに変身させています。
ムーサ(ミューズ)現代でもバリバリアイドル
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μ's(ミューズ)はメディアミックスの『ラブライブ!』の主人公。音ノ木坂学院に通う生徒9人によって結成されたスクールアイドルグループ。
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『スイートプリキュア♪ 』のキュアミューズは第3クールからキュアメロディの仲間になった追加戦士、4人目のプリキュア 。
ムーサ(ミューズ) まとめ
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ギリシャ神話では芸術家は皆ミューズ(ムーサ)にインスピレーションを与えられ、ミューズの加護のもと名声を得たのであるとか。
筆者自身、文を書く仕事を志す者としてミューズのご加護、欲しいですっ!