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ティーターノマキアー 、タイタンの戦い。宇宙を揺るがす父と子の大戦とは

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アントニオ・ベリオ作

ギリシャ神話は、最初からゼウスとオリンポスの神々たちが宇宙を支配していたと思われがちですが、実はそうではありません。

原初の神・カオスから始まり、ガイア、ウラノス、クロノスに受け継がれて行き、その次にようやくゼウスが宇宙を支配することになるのです。そして、親から子と順に受け継がれていったわけではなくいつも子が親から権力を奪う形で支配権が手渡されて行きました。

今回は、ウスが父・クロノスから宇宙の支配権を奪った戦いであるティーターノマキアー紹介します。

親と子の全てをかけた争いをどうぞご覧あれ。

 

 

ティーターノマキアー、宇宙を揺るがす天戦

ピーテル・パウル・ルーベンス作

ティーターノマキアー(ティタノマキア)とは古代ギリシアの叙事詩人ヘーシオドスの『神統記』などで語られる、ゼウス率いるオリュンポスの神々クロノス率いる巨神族・タイタン (ティターン) 族が宇宙の支配権を争った戦いです。

 

ティーターノマキアーに至る経緯

ジョルジョ・ヴァザーリ作

天空神・ウラノスの子供として生まれた大地の神・クロノスは、ウラノスの性器を切り落とし、宇宙の支配権を奪いました。

その時、ウラノスはクロノスに「お前は、自分の子どもに支配権を奪われるだろう」という予言を残します。

ピーテル・パウル・ルーベンス作

その後、クロノスは姉のレアと結婚し、かまどの神・ヘスティア、豊穣の神・デメテル、結婚と出産の神・ヘラ、冥界神・ハデス、海神・ポセイドンが生まれます。しかし、予言を恐れたクロノスは、子どもたちを飲み込んでしまいます。

最後に生まれたゼウスだけは、悲しんだレアがクロノスを偽り、石を食べさせたことで助かります。ゼウスはクレタ島の洞窟で密かに育てられ、やがて兄弟を助けることを決意します。

 

ティーターノマキアー

作者不明

ゼウスは知恵の神・メティスに相談すると、メティスはクロノスに吐き薬を飲ませ、子どもたちを吐き出させます

兄弟を助けたゼウスは、オリュンポス山に陣を敷き、クロノス率いるタイタン族に戦いを挑みます。しかし、お互い不死身であるため、なかなか決着がつきません。

そこで、ゼウスの曽祖母の地母神・ガイアは、ゼウスに「かつて、ウラノスが奈落・タルタロスに1つ目の巨人・キュクロプスと50の頭と100の手を持つ巨人・ヘカントケイル閉じ込めた。彼らは、共にウラノスの子どもだが、醜い容姿によってウラノスに嫌われ、タルタロスに追放されたのだ。彼らを解放し、味方につければ、タイタン族に勝利することが出来るだろう」と助言しました。

ゼウスは、キュクロプスヘカントケイルを解放し、彼らに不老不死の酒・ネクタルと同じく不老不死の食べ物・アムブロシアを与えて味方につけました

鍛冶を得意とするキュクロプスは、助けてくれたお礼として、ウスには万物を破壊する雷霆ポセイドンには大海を支配出来る三つ又の槍、ハデスにはかぶると姿が見えなくなる兜をプレゼントします

これにより、オリュンポスの神々たちは戦いに優位に立つことが出来ましたヘカントケイルは、1度に300の巨大な岩石を休みなく投げ続け、タイタン族に悲鳴を上げさせました。

勝敗を決めたのは、ゼウスの雷霆でした。雷霆から放たれた雷光は、タイタン族の目を焼きつぶし、彼らは白旗を上げます。実に10年に及ぶ戦いでした

その後、タイタン族はタルタロスに封印され、オリンポスの神々が宇宙を支配するようになります。



 

映画で語られるティーターノマキアー

2011年に公開された映画「インモータルズ -神々の戦い-」は、ティーターノマキアーを題材にしています。ティーターノマキアーの後、タルタロスに封印されたタイタン族を解放しようとする動きを英雄・テセウスが阻む物語です。

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2012年に公開された映画「タイタンの逆襲」は、同じくティーターノマキアー後が舞台。タルタロスに封印されたタイタン族が解放され、英雄・ペルセウスがオリュンポスの神々たちと共に世界の存亡をかけて戦うストーリーです。

 

 



ティーターノマキアー まとめ

ジュリオ・ロマーノ作

ただの好色オヤジと思ってしまう一面もあるゼウスですが、苦労して宇宙の支配権をゲットしたんですね。

また、不死身VS不死身だと、なかなか勝敗が決まらないというのが何とも。戦い方にも工夫がいるんですねえ。

やはりただものではない策士ゼウス様

 

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