エリュシオンとはギリシャ神話の楽園。勇者オルフェウスが妻を取り戻すために訪れたことでも有名。最近では、ゲームやアニメの世界でも多く取り入れられています。
今回はそのエリュシオンのご紹介です。
ギリシャ神話の奈落タルタロスと対称となるエリュシオンとは？
エリュシオン ギリシャ神話の楽園
ヨアヒム・パティニール作『ステュクス川を渡るカロン』
エリュシオン（Elysium）はギリシャ神話の楽園
生前の行いが認められる英雄や聖人はエリュシオンの野に送られ、至福の時を営むことになります。
対称的に罪人や神々に背いた者はギリシャ神話の奈落タルタロスへ送られ，永遠の責め苦に耐え続けなければなりません。
死者はまず伝令神ヘルメスによって冥界の入口にまで導かれます。
そして、地下の冥界を七重に取り巻いて流れ、生者と死者の国を峻別する大河ステュクスを、渡し守の老人カロンによって死者の国へと渡されます。
次いで、三つ頭の猛犬ケルベロスによって守られるハデスの館で，
以上の3判官の裁きを受けることになります。
一説にはタルタロスに幽閉されたクロノスが、その後罪を許され、管理を委ねられたとも伝えられています。
雪も嵐もなく，常に西風が吹く，温暖な気候で芳香に満ちた島。人間にとって最も住みよい場所であるといわれています。
白い花が咲き乱れ、エリュシオンにはレウケーの死を悲しんだハデスが変えたという白ポプラの樹々が茂ります。
レウケーは冥界の王ハデスに見初められて冥界に連れて行かれ、不死の神ではなかった為に死んでしまったというニュンペー。
あるいは後にペルセポネによって色鮮やかな花々が咲くようになったともいわれています。
現実社会のおいても、2世紀のプトレマイオスの著書『ゲオグラフィア』では「至福者の島」として記述され、中世ヨーロッパの世界地図にも記載があり、近世まで探検家の憧れの地として探し求められていました。
オルフェイスとエウリディーチェ
ジャン＝バティスト・カミーユ・コロー作
勇者オルフェイスが妻エウリディーチェとの再会を果たし、この地で暮らしていることは広く伝えられています。
オルフェウスはトラキア人の英雄 死んだ妻エウリュディケーを冥界まで取り戻しにゆきますがハデスの忠告を忘れ失敗。
失意のまま各地を放浪。トラキアの地でオルフェウスに魅了された女性たちの誘いを断ったために殺されてしまいます。
別の伝承では、オルフェウスがディオニューソスではなくアポローンを崇拝するため激怒したディオニューソスが、マイナスたちにオルフェウスを殺させたとも伝えられています。
そして、オルフェウスはエリュシオンの野に着き、ついに愛おしい妻エウリディケに再会を果たします
エリュシオン 現代では変幻自在 モンスター、ジョブにもなる楽園
「ソウルキャバリー」ではソフィーティアの姿をしたソウルキャリバーの化身。善悪を超越した存在で、ソウルエッジ破壊の為には手段を選ばない存在として登場しています。
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「美少女戦士セーラームーン」では前世において地球の王国ゴールデン・キングダムのあった場所として登場していました。
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『グランブルーファンタジー』のエリュシオンは主人公グランのジョブのひとつ
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エリュシオン まとめ
ヤン・ブリューゲル作
西の果ての地にあり、温暖な気候で芳香に満ちた島。大航海時代の冒険者たちが探し求めた楽園エリュシオン。
時間に追われ、世知辛い世の中に暮らす我々にとって、そんな楽園は旅行会社のパンフの中にもあるようにも思います。
けれど個人的には、人間ができていないせいかまだ現生に執着していたいためか、永遠に続く至福の時よりは、世の喧騒を逃れられるひと時の方が欲しい、です。
