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キューピッド、恋の気まぐれを象徴する神  その誕生や能力・性格

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ラファエロ サンツィオ作「システィーナの聖母」

人は恋にときめき、浮かれ、悩み、胸を焦がします。

そんな恋する者を操る、キューピッド(キューピット)は恋を成就させてくれる嬉しい天使。

とイメージします。

けれど、神話の世界でのキューピッドは恋を左右させる能力を持つローマ神話の神。

ギリシャ神話のエロースにあたります。

 

仲良くなりたい神様です….

 

 

キューピッド、恋のうつろいを象徴する、気まぐれな神

フランソワ・ブーシェ 作「音楽と踊り」

キューピッド(Cupid)ローマ神話の恋愛の神

ギリシャ神話のエロースと同一視されます。

ギリシャ語ではクピドー(Κούπιντο)ラテン語のCupīdō 「欲望」に由来し、アモール(Amor)「愛」とも呼ばれます。

 

両親については幾つもの説がありますが、一般的には母は愛と美の女神ヴィーナス、父は軍神マルスの息子とされます。

キューピッドは翼のある幼い裸体の少年

キューピッドの持つ金の矢を受けたものは激しい恋心を抱くようになります。

シンボルは矢と松明。松明は「愛は心を燃え上がらせ、こがす」ことに由来しています。

 

キューピッドの両親

ベンジャミンウエスト作「ヴィーナスとキューピッド」(1796)

キューピットの両親については様々な説が存在します。

ギリシャ神話のエロースは一説にはカオス(混沌)から生まれた原初の神ですが、ローマ神話のキューピッドは一般的にはヴィーナスの息子

古代ローマの哲学者ルキウス・セネカは、ローマ神話でのヴィーナスの夫、火の神ヴァルカンがキューピッドの父親と記しています。

同じく古代ローマの哲学者マルクス・キケロはヴィーナスの夫とされる、策略と商業の神マーキュリー、軍神マルスの子、また月の女神ダイアナとマーキュリーの子。

夜の神ニックスと闇の神エレボスの子キューピッド (ヒメロス) などについても語っています。

 

キューピットの誕生

ポンピオ・バトーニ作(1761)

キューピッドがヴィーナスとマルス (アレス)の息子とされる伝承では。

キューピッドは地中海の島キプロスで生まれました。

母ヴィーナスはキューピッドが世界に及ぼす悪影響を予見し、彼を倒そうとするローマ神話の主審ジュピター(ゼウス)から守るため森に隠し、獣たちを警護に育てました

キューピットは死を免れ、無事に育ちます。

美しい両親のように愛らしい容姿を持ちますが、性格は獣に似て、理性を持たず、気まぐれで本能のままに振る舞います。

 

キューピッドの矢

ミケランジェロ メリージ ダ カラヴァッジョ作「聖マタイの殉教」

キューピッドは2種類の矢を操ります

1つは金の先端を持つ矢。この矢に射抜かれた者はたとえ神ですら激しい恋心に囚われてしまいます。

もう1つは鈍い鉛の先端を持つ矢。恋の忘却や嫌悪を招きます。

 

キューピッドの矢に打たれたために生まれた物語はギリシャ神話の中にも数多く存在しています。

 

🔸王女メディアとイアソン

コルキス王女メディアはエロースの矢に射抜かれ、コルギスを訪れたイアソンに激しい恋心を抱きます。

詳しくは→

🔸アポロンとダフネ

アポロンがエロースをからかったためにエロースはアポロンに矢を放ち、それが誤ってダフネを射抜いたために悲劇が生まれます。

詳しくは→

🔸ハデスとペルセポネ

ハデスはエロースの矢に射抜かれたためにペルセポネーに焦がれ、ペルセポネーを冥界に連れ帰ります。

詳しくは→

🔸アプロディーテとアドニス

フェニキアの王子アドニスは母ミュラーがエロースの矢を受け、実の父を焦がれて生まれた子

詳しくは→

🔸プシューケーとエロース

エロース(キューピッド)は自分自身も射抜いてしまいます。

詳しくは→

 

キューピットの容姿

ピエロ・デラ・フランチェスカ作

キューピッドの容姿は弓矢を持ったのある裸体の少年。

翼を持った子供であることで愛が気まぐれで移ろいやすいものであることを象徴しています。

その翼は儚い情熱を象徴する金色または青

 

キューピッドはしばしば目隠しした姿で描かれています

これは愛が理性が欠落した不合理なものであること、そして恋したものは盲目になることの表れ

また、火のついた松明を運んでいる姿も表現されています。

これは「愛は心を燃え上がらせ、こがす」から。

モチーフにしばしば描かれる薔薇は、愛は美味しいけれどトゲもあることが表現されています。

 

芸術で見るキューピッド

 

キューピッドとイルカ 

エラスムス・ケリヌス 2 世作(1630)

古代からの作品の中で、しばしばイルカに乗ったキューピッドが描かれています。

これは愛の素早く去っていく様、愛の野生的な感情を表現していると捉えられています

 

眠るキューピッド

ミケランジェロ作『眠れるキューピッド』 (1496 年)

眠れるキューピットを描いた作品の中では、愛の怠惰を表していると伝えられています。

 

キリスト教のキューピット

エミール・ムニエル作 「二人のアモール」

中世のキリスト教の中でのキューピッドは「淫行の悪魔」とみなされます。

神聖ローマ皇帝カール大帝の治世下、オルレアン司教のテオドゥルフはキューピッドを「人々を悪徳に引き込もうとする欲望を悪用する魅惑的だが悪意のある人物」と解釈。

その後、多くのキリスト教徒はキューピッドを「愛の象徴的存在」として受け入れています

 

 

キューピッドの矢、今も昔も恋心を操る不変の武器

人気コミック「キューピットに落雷」 主役は学校内で気になる男子の情報を女子にリークする「恋のキューピッド屋さん」を営む高校生の慎吾

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カードゲーム「遊戯王」のキューピットは天使族・光属性・守備力600で統一されているシリーズとして登場しています

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キューピット まとめ

バルトロメオ・スケドーニ作「キューピッドのいる風景」(1610)

キューピットの存在が天使ではなく神なのだということが意外なような気がします。

けれど、気まぐれで、目隠しをして矢を放つ。

実に納得の存在です。

 

たとえどんな偉人・賢人、天才でも恋の病には勝てません。

この病はどんな難病より恐ろしい大病なような気もします。。。

 

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