北欧神話の最高神・オーディーンの愛槍として知られるグングニール、さまざまなゲームやコミック、アニメーションなどに登場しています。
その、チート級とまで評価される最強武器、グングニールに注目です。
最強武器と謳われるグングニールの威力、誕生までのエピソードなどもご紹介です。
画像出典・deviantart
目次
グングニールの槍、最強武器のひとつ
グングニール(またはグングニル)の槍は北欧神話の主神であり、戦いと死を司る神でもあるオーディンの愛槍として知られています。
グングニル(Gungnir)の名前の由来は「貫くもの」、古ノルト語で「揺れ動くもの」、「剣戟音」を意味する言葉でもあります。
グングニールは「狙いを定めたものに必ず命中する」威力を持つとされる槍。
柄は聖なる木トネリコで作られ,穂先には魔力を持つルーン文字が刻まれています。
ロキのいたずらが原因してドヴェルグの鍛冶師によって作られ、最終的にオーディンのものとなりました。
他説では『オーディンがミーミルの泉(賢者の神ミーミルの管理する知恵を授ける泉)の水を飲んで知識を得、泉の上にまで伸びていたユグドラシルの枝を折って自身で作った』
『ユグドラシルの木で9日9夜のあいだ首を吊り、グングニルに突き刺されることでルーン文字の秘密を得た』など、グングニールの誕生とオーディーンの関わりについて言い伝えられています。
その最強武器グングニールも最終戦争ラグナロクにおいて、オーディンと共にフェンリルに飲み込まれてしまうのですが。。。
グングニルの誕生
グングニルの製作はドヴェルグ(ドワーフ)の鍛冶師、イーヴァルディの息子達。
誕生のきっかけとなったのはロキのイタズラからでした。
あるとき、いたずら好きのロキが、雷神トールの妻シフがうたた寝している間に、シフの自慢の美しい金髪を剃ってしまいます。
これを知ったトールは激怒し、ロキに「元のような美しい髪に戻す」と約束させます。
ロキはそれをドヴェルグ(ドワーフ)の鍛冶師、イーヴァルディの息子達に依頼し、金の糸で「美しく、本物のように伸びる髪」を作らせます。
ちなみにこの時イーヴァルディの息子達はシフの金髪以外に他に2つの宝を作ります。
そのひとつは豊穣神フレイのために作られた魔法の帆船スキーズブラズニル。
小さく折りたためば袋に入るほどの大きさになる、すべての神々を乗せることができるほど巨大で、帆を張れば風が吹きいつでも進むことができる帆船です。
そして、最後のひとつがグングニール。オーディン以外、トール、フレイに品定めされた後、オーディンの愛槍となっています。
グングニールの威力
グングニールの柄はユグドラシルを形成する聖なる世界樹トネリコの木で作られています。
そのためどんな武器もこの槍を破壊することはできないといわれる頑丈なもの。
鋼の穂先にはルーン文字が刻まれ、その魔力で貫けない鎧はなく、何者も絶対に避ける事ができない必殺必中の威力を持つ投槍。
この槍は決して的を射損なうことなく、オーディンの手を離れると敵に必ず命中し、ひとりでにオーディンの手元に戻ってきたと伝えられています。
この槍を向けた軍勢には必ず勝利をもたらすとされ、その威力は英雄シグムントが所有する伝説の聖剣「グラム」を一撃で粉々にしたと伝えられています。
ラグナロクでのグングニールと戦神オーディン
神々と巨人族の最終戦争ラグナロクでのオーディンは、ロキの息子である巨大狼フェンリルと闘うことになります。
神々の先陣に立つ戦神オーディンはグングニールを振るって突き進み、グングニール諸共フェンリルに飲み込まれて最期を迎えます。
グングニール、ゲームやアニメの登場頻度や扱いも破格
武器そのものとして登場する場合も多いのですが、グングニールの場合、あまりに有名なその名を借りたスキルやアイテムなどの名称として登場する場合も数多くあります。
ファイナルファンタジーシリーズやファイアーエンブレムのような定番ゲームはもちろん、パズドラのオーディーンシリーズや東方シリーズのレミリアのスペルカードなどにさえ登場しているのです。
しかも多くの場合、その能力はチート級。まさに破格です。
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「スピア・ザ・グングニル」
『東方萃夢想』『東方緋想天』『東方非想天則』にも登場する神槍は東方projectのキャラクターであるレミリア・スカーレットの代表的なスペルカード。
東方Project “永遠に紅い幼き月” レミリア・スカーレット / キューズQ 発売日:2021年04月頃
『聖剣伝説3』
主人公のひとり、槍の使い手でアマゾネス軍のリーダーを務めるリースの武器として登場しています。
アニメ「遊戯王5D's」やカードゲーム「遊戯王OCG」の氷結界の龍グングニール。氷結界に属する水属性ドラゴン族のシンクロモンスターです。
グングニール、まとめ
出典:deviantart
決して破壊されることはなく、どんな鎧も貫き、必ず命中し、持ち主の手元に戻ってくる武器。まさにチート級です。
けれど、それでもオーディンもフェンリルに飲み込まれ最期を迎えます。
つまり、たとえどれほどの最強武器でも永遠には勝利し続けることはできないってことでしょうか。
永遠とは、たとえ神でも望めない長さの単位なのかもしれません。