出典:deviantart
ゲルマン神話の主神オーディンの愛馬で、「馬のうち最高のもの」と称されるスレイプニル(スレイプニール)。8本の足を持ち、俊足であったのはもちろんのこと、空中を駆けることもできた神馬。
そして驚くことに、スレイプニルはなんとあのロキ自らが出産した、ロキの子供なのです!
今回は終末戦争ラグナロクでもオーディンに付き従った、神獣スレイプニルのご紹介です。
スレイプニル 神と魔法の馬より生まれし神獣
出典:Wikipedia
北欧を中心に展開するゲルマン神話には「馬のうち最高のもの」と称される名馬が登場します。
その名もスレイプニル(Sleipnir)。
死を象徴する灰色の体毛と、8本の脚を持っていたとされる神獣です。
主神オーディンの愛馬、全ての世界を翔る能力があり、この世に存在するどの馬よりも早く疾走する。
ゲルマン神話における死者の国、ヘルヘイムにもなんなく駆けていくことができたといわれています。
スレイプニルはロキと、スヴァジルファリという馬の子供です。
ロキが両性の神であったというのは驚きです、しかも自身が子供を出産していた。そしてそれがなんと馬の子供というのは、なんとも冗談のようなホント?
スレイプニルの誕生
その経緯については1222年アイスランドの詩人スノッリ・ストゥルルソン著「スノッリのエッダ」によって語られています。
ある日ミズガルズ(人間が住まう国)に人間の石工に化けた巨人が現れます。その巨人は、「ミズガルズを囲う大きな壁を建造するのでその報酬に月と太陽、女神フレイアと結婚したい」という提案をします。
さすがにそんな提案を受け入れるわけはいかない神々は怒りました。
そこにロキが、「とても無理な期限を設定して、それまでに完成しなければ報酬は渡さなければいい」と入れ知恵します。
その条件は冬至から夏至までの間に完成させられたらというもの。それに対して巨人は、スヴァジルファリを使っても良いならという返答。交渉は成立し、巨人たちはスヴァジルファリという魔法の馬を使い、すごい早さで壁を建造していきます。
慌てた神々はロキに向かって何とかしろと詰め寄ります。
そこでロキは、なんと、雌馬に化けてスヴァジルファリを誘惑するという行動に出ます。その結果、頼みのスヴァジルファリが骨抜きにされてしまい、巨人は期限内に壁を建造することができなくなります。
どうしようもなくなった巨人は正体を現し、雷神トールに倒されてしまいました。
そしてロキはスヴァジルファリとの子であるスレイプニルを出産。スレイプニルはオーディンに献上されました。
スレイプニル ゲームのせかいでも優秀(?)
「ファイナルファンタジー」シリーズでは召喚獣オーディンが六本足のスレイプニルに騎乗している姿を見ることができます。オーディンと共にプレイヤーの力強い味方となってくれます。
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遊戯王OCG『DUELIST NEXUS』では神碑の鬣スレイプニルとして登場する光属性・獣族の融合モンスター。
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『魔法戦隊マジレンジャー』では冥府十神の中の二極神の一人冥府神スレイプニルとして登場
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スレイプニルまとめ
出典:deviantart
何かとお騒がせキャラのロキ。大抵のことならあり得ると納得できそうに思いますが、さすがに馬の子供を出産していたとはオドロキです。
それでも生まれたスレイプニルは由緒正しい血筋。さすがに「名馬の中の名馬」。