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ゲルマン神話ではヴァルハラ、ギリシャ神話でならオリンポス、アーサー王より遥かな昔、アイルランドのダーナ神族はティル・ナ・ノーグという常若の国に辿り着いています。
そして、アーサー王物語の最後、アーサーはアヴァロンに渡り、復活の時を待っているとも言い伝えられています。
そのアヴァロンに注目です。
アーサー王が行き着いたアヴァロンとは
目次
アヴァロン、ケルト神話の楽園
エドワード・バーン・ジョーンズ 作『アーサー王のアヴァロンでの最後の眠り』
アヴァロン（Avalon）は、モルドレッドとの死闘で瀕死の重傷を負ったアーサーが、その傷を癒すため渡った、ブリテン（イングランド）にあるとされる伝説の島。
リンゴで名高い楽園、アヴァロンの地名はゲール語で林檎を意味するafallと結びついた、あるいはウェールズ神話の冥府アンヌン（Annwn）が転じたとも考えられています。
そこは自然に穀物や果実が実る恵の島（Isle of the Blessed）。アーサーの名剣カリブルヌス（エクスカリバァー）はこの島で造られています。
アヴァロンの島の周囲は難破船で囲まれ、城は光り輝く磁石で造られています。
時間の流れは遅く、島の20年は人間世界の200年に相当します。
島の住人にはシェクスピアの「真夏の夜の夢」に登場した妖精王オベロンや、フランスの英雄オジェ・ル・ダノワもこの島を訪れています。
13世紀書かれた古フランス語の散文物語『ペルレスヴォ』ではグウィネヴィアとアーサーとに間に生まれたロホルトがアーサーより前に亡くなり、アヴァロンに埋葬されています。
12世紀、聖職者ジェフリー・オブ･モンマスが記したブリテンの偽史書『ブリタニア列王記』には神秘の島アヴァロ（Avallo）と記される地。
同じくジェフリー・オブ・モンマス著書『マーリンの生涯』では「林檎の島（island pomorum）」と呼ばれ、モーガン（モーガン・ル・フェイ）と九姉妹が統治しています。
他説、モルガンの愛人グインガムエル（Guingamuer）、もしくはバンゴン（Bangon）という名の王がそこを治めていたともされます。
イングランドのキリスト教伝承においては、イエス・キリストと、ガラハッドの遠縁でイエスの遺体を引き取った、従者のアリマタヤのヨセフがアヴァロンを訪れています。そしてこの地にブリテン島最初の教会を設立したとされます。
ちなみにアリマタヤのヨセフは、聖杯伝説の中で、ガラハットの象徴ともなる「白い盾」にヨセフ自身の血で赤い十字を施した人物。
アーサー王伝説の中のアヴァロン
ジェームズ・アーチャー 作
ジェフリー・オブ・モンマス著書『マーリンの生涯』では、アヴァロンを統治するモーガン・ル・フェイは豊富な知識と医術を兼ね備え、美しい容姿と声を持つ歌姫。変身能力があり、イカロスの母ダイダロスのような翼を使って空を飛ぶ事もできたとされます。
モルドレッドとのカムランの戦いで重傷を負ったアーサー王は三人の「泉の貴婦人」、あるいは三人の「湖の乙女」とモーガン・ル・フェイに付き添われ、アヴァロン島を訪れます。
モーガンはアーサー王を金のベッドに寝かせ、自分の治癒の能力をもってアーサー王の治療にあたります。
その後、アーサー王はアヴァロンの地で永遠の眠りについた、あるいは遠い未来に目覚める時まで永い眠りについているのだとも言い伝えられています。
オジェ・ル・ダノワ、アヴァロンを訪れた騎士
オジェ・ル・ダノワ（Ogier le Danois）は中世フランスのシャルルマーニュ十二勇士に数えられる英雄。中世フランスのシャルルマーニュ（カール大帝）伝説に登場するパラディン（高位の騎士、あるいは皇帝の親衛隊）のひとり。
デンマークでは「ホルガー・ダンスク」の名で知られています。
オジエが誕生した時、6人の名付け親の妖精たち（モーガン・ル・フェイとその姉妹）が枕元に現れて、それぞれの授け物を捧げます。そのうちのひとりモルガン・ル・フェイは後のオジエをアヴァロンに招くと告げます。
その予告通り、物語の終盤でオジエはアヴァロンに招かれることになります。
しばらくの間アヴァロンで過ごしたオジエは帰郷を決意。
けれど帰り着いた故郷ではすでに自分は伝説上の人物になってしまっていたことに気付きます。
アヴァロン、今も癒しの地、あるいは治療機械？
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『Fateシリーズ』のアヴァロンは、アーサー王が死後に辿り着くとされる理想郷。あるいは持ち主の傷を癒し、あらゆる干渉から持ち主を守る魔法の鞘
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『仮面ライダーセイバー』のアヴァロンは地球と異なる次元に存在する、仮面ライダーカリバーがソードオブロゴスを裏切った原因になった地。
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「モンスターストライク」のアヴァロンは かつて致命傷を負ったアーサー王に治療を施したこともあるという、古代より存在する医療システム兼戦闘兵器です。
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アヴァロン まとめ
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竜宮城、アヴァロン、ティル・ナ・ノーグ、世の中の楽園はどこも時間の流れが人間界とは違うようです。
そういえば、神にしろ、エルフにしろ、人間が短命な生物と認識しているよう。
突然時間の流れの違う異空間に行くのは、短命な人間にとってはひじょ〜〜に短い人生を損してしまうのでもったいないです。
（筆者は行ったことがないんで、どんなところかわからないですが）たとえ楽園でも、招いて欲しくない、ご遠慮したい体験です。
