ギリシャ神話における英雄、テセウス。クレタ島の怪物、ミノタウロスを倒した伝説で有名です。非常に勇気があり、大岩を持ち上げるほどの怪力だったともいわれるテセウス。
今回はギリシャ神話の英雄テセウスの、ミノタウロスを倒した冒険譚についてご紹介します。
画像出典:1話5分で読めるギリシャ神話
ギリシャ神話における英雄、テセウス
テセウスはアテナイの王子、海神ポセイドーンと王女アイトラーとの間に生まれた子であるという説があります。ミノタウロス退治の冒険譚が有名ですが、ソフォクレスによる「コローノスのオイディプース」では賢知の王として描かれています。
ヘラクレスほどではないにしろ、大岩を持ち上げるほどの怪力を持っていることも特徴。プルタルコスの「英雄伝」では古代ローマの建国の父ロムルスと共に、アテーナイを建国したとも記されています。
そんなテセウスが若いころ、アテナイはクレタ島ミノス王の勢力下に置かれていました。
毎年7人の若者と7人の乙女を怪物、ミノタウロスの生贄として捧げるよう強要されていたのです。
そのことに憤ったテセウスは、ミノタウロスを退治するために自ら生贄のひとりとなります。
ミノタウロスが幽閉されているラビュリントス(ラビリンスの語源)は、脱出不可能といわれる迷宮です。そこへ生贄のふりをして入り込もうとするテセウスに、ミノス王の娘、アリアドネが恋をします。
黒い帆の張られた船に乗り、ラビュリントスへ向かうテセウスにアリアドネは赤い麻糸の鞠と短剣を渡しました。
テセウスは、ラビュリントスに到着するとその入り口にアリアドネにもらった鞠の麻糸を結びつけます。糸を伸ばしながら迷宮を進むテセウスは、ついにミノタウロスと遭遇します。
ほかの生贄たちが怯えて震え上がる中、テセウスは勇敢に戦い、アリアドネにもらった短剣でミノタウロスを倒し、英雄となるのです。
画像出典:LEO'SMagic Kingdom
カードゲームにも登場!?
出典:永続遊戯王研究会
カードゲームが好きな方ならだれもが知っている遊戯王。遊戯王カードに「テセウスの魔棲物」というカードがあります。これは、EXTRA PACK2017で登場した融合モンスターです。元ネタは英雄・テセウスがミノタウロス退治の際に乗った黒い帆の張られた船に関する逸話だといわれています。
この船は、後世までアテネに保存されていたとされています。しかし、傷んだ部品を交換していくうちにギリシャ神話時代の部品が一つもなくなってしまったという話があるのです。
このカードはその逸話を元ネタにし、「チューナー同士が融合しチューナーという要素だけを残した全く別の存在になる」という性質を持っています。
そのため、元ネタは「テセウスの船」に関する逸話なのではないかといわれているのですね。
まとめ
ギリシャ神話の英雄、テセウス。彼が英雄である理由は、間違いなく自ら生贄となり、ミノタウロスに襲われてしまう危険も省みずにラビュリントスに入っていく勇猛さとその強さにあるといえるでしょう。
彼の命を救ったともいえるアリアドネとは、実はこのあと離別してしまいますが、こんな勇敢な英雄に一時でも恋することができたアリアドネは幸せですね。