ソールとマーニは北欧神話の太陽と月を司る神。元は人間ながらその美しさゆえ天界に迎えられ、太陽と月を乗せた馬車の従者という大変な任に就くことになります。
常にスコルとハディという巨大な狼に追われ、ラグナロクではついに追いつかれてしまうという運命。
日本のアマテラスやツクヨミ、ギリシャ神話のアポロンやアルテミス(あるいはヘリオスとセレネ)に比較して、過酷な任を果たさなければならないソールとマーニに注目です。
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太陽の女神ソール、月の男神マーニ、神になった人間
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ソル(Sól)は北欧神話の太陽の女神。双子の弟マーニ(Máni)は月の男神です。
世界がまだ闇に閉ざされ、アスガルドに神々が住み始めた世界の始まりの頃、オーディンが巨人ユミルを解体して作った人間たちの子孫の中に、ムンディルフェルという男がいました。
ムンディルフェルには妻グレンの間に双子の姉弟が生まれます。
ともに輝くような金色の髪を持つ美しい子供達です。
ムンディルフェルはその美しさを喜び、姉は「ソール(太陽)」、弟は「マーニ(月)」と名づけます。
けれど神々は人間が太陽や月の名を語ることに怒ります。
神々は怒りを父ムンデルフェリではなくその子供たちに向け、ふたりを捕らえ、天に召し上げます。
けれどオーディンでさえその美しさは神に並ぶものと認め、ソールとマーニは人間でありながらアースガルドに住むことを許されます。
そのふたりには神としての仕事も与えられます。
ソールは太陽を引く馬車の御者、マーニは月の満ち欠けを司り月を引く馬車の御者。
そしてそれぞれ、ソールにはアールヴァク(「早起き」の意)、マーニにはアルスヴィズ(「快速」の意)という名の馬が与えられます。
太陽と月は走ることで熱を発するため、馬車にはふいごという、天体を冷ます装置が取り付けられ、熱を冷ましながら走ります。
ソールとマーニが天上に迎えられ、天空を疾走することで世界は明るく照らされるようになるのです。
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ソールとマーニが太陽と月を司るようになったある日、オーディンはふたりに、
それぞれの馬車が狼に追いかけられることになると告げます。
その狼はロキと巨人族のアングルボザの間に生まれた長男、巨大な狼フェンリルの息子たち。
太陽の女神ソールはスコル、月の男神マーニはハディという名の狼にそれぞれ追われることになります。
そのため彼らは非常に速いスピードで天空を翔けなければなりません。
ソールかマーニが狼に追いつかれると噛みつかれ、日食や月食が起こります。
そして最終戦争ラクナロクには、ついに狼に追いつかれ天体もろとも飲み込まれてしまいます。けれど、太陽の女神ソールには美しい娘がいて、ラグナロクの後にはソールの娘が天空を照らすようになります。
ソール
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ソールまたはソル(Sól)。
『古エッダ』の『グリームニルの歌』では「天の花嫁」。『ヴァフズルーズニルの歌』では「妖精の栄光」と表現されています。
『グリームニルの歌』によると、大地と太陽との間にはスヴェルという楯があり、それが太陽の膨大な熱を遮り、大地を守っているのです。
けれど『ギュルヴィたぶらかし』によると、ラグナロク、太陽はついに「嘲るもの」「高笑い」を意味する狼スコル(Sköll)に飲み込まれてしまいます。
そしてラグナロク後の新しい世界では、ソールの娘がその役割を引き継ぐことになります。
マーニ
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マーニまたはマニ (Máni)
マーニの後ろには人間界から連れ去ったビルとヒューキという子供たちがセーグという人間を天秤棒で担いで付き従います。ビルとヒューキは一説には月の擬人化であるとされ、彼らが月に付き添う姿は、地上からも見えると伝えられています。
『ギュルヴィたぶらかし』によると、ラグナロクにおいて、月は「憎しみ」「敵」を意味するハティ(Hati)または月の犬を意味するマーナガルムに捕らえられてしまいます
ソールとマーニ、現代でもワンセット?
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「パズル&ドラゴンズ」のソールとマーニは期間限定の降臨ダンジョン「ソール&マーニ 降臨!【全属性必須】」として登場しています。
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剣と英雄のファンタジーRPG「ブレイドストーリー」では光属性のディフェンダータイプのステイタスの双刻麗神ソール&マーニとして登場です。
ソールとマーニ まとめ
ただ美しいということでアスガルドに住まい、太陽と月の運行を任される、これは幸運と捉えるべきか不運と捉えるべきか。
ただ、人間であるにも関わらず、ラグナロクまでの間その任務を全うしたソールとマーニはエライ!、ですっ