桜前線が日本列島を席巻するこの季節、新緑、新芽、新しい季節がいたるところに溢れています。
渡り鳥が移動を始め、虹を見るのもこの頃
こんな時には、新鮮な自然の息吹をいっぱいに感じ取りたいものです。
目次
清明
清明(せいめい)は二十四節気の5番目。
現在の定気法では太陽黄経が15度のとき。
2024年の清明は、4月4日(木)、および 穀雨(4月19日の前日)までの期間をいいます。
天明七年、松平頼救(まつだいら よりすけ)の著した『こよみ便覧』に「万物発して清浄明潔なれば、此芽は何の草としれるなり」と記されています。
「清明」とは「清浄明潔」の略。すべての物事が清く明らかになっていくような季節を意味しています。
気候も明るく清々しく感じられる頃。
桜の花も見頃。南の地方ではつばめが渡って来る頃でもあります。
清明の頃に吹く風は「清明風」と呼ばれます。これは南東から吹く穏やかな風。春の到来を知らます。
またこの頃に静かに降る雨を「発火雨(はっかう)」「桃花(とうか)の雨」「杏花雨(きょうかう)」といいます。「発火雨」は、桃の花に降る雨が火を放っているように見えるところからその名がついたといわれます。
清明節頃に摘む茶葉は、香りと甘みが優れる高級茶葉とされます。
清明前に摘んだものは「明前茶」、清明から穀雨までに摘まれたものは「雨前茶」、穀雨後に積まれた茶葉は「雨後茶」と呼ばれています。
** 清明の由来 **
中国の二十四節気には「清明節(せいめいせつ)」があります。
清明節の前日には、火気を使用しない冷食(れいしょく=煮炊きしないものを食べること)のみの寒食節(かんしょくせつ)があります。百五節とも呼ばれ、中国では伝統的な祝日となっています
「清明節」は古くは「掃墳節」「祭祖節」「鬼節」「三月節」とも呼ばれていました。
祖先の墓にお参りし、墓を掃除する日でもあり、日本でいう「お盆」に相当する年中行事、「掃墓節(そうぼせつ)」とも呼ばれます。
清明の頃七十二侯
初候(4月4日〜4月8日頃)玄鳥至(つばめ いたる) : 燕が南からやって来る
最近では見なれなくなってしまいましたが、この頃には民家の軒先に造られたから巣から、餌をねだる小鳥の泣き声で春の訪れを感じられました
次候(4月9日〜4月13日頃)鴻雁北(こうがん きたす) : 雁が北へ渡って行く頃
雁以外、日本で越冬する渡り鳥は、鴫(しぎ)鴨(かも)鶴、ユリカモメやオオハクチョウなどがいます。
末候(4月14日〜4月19日頃 虹始見(にじ はじめて あらわる) : 雨の後に虹が出始める
雪が雨に変われば、水滴に光が反射してい起こる虹を見つけることができます。
「二十四節気」とは
二十四節気は、一年を春・夏・秋・冬の季節に分け、それぞれをさらに6分割した24の期間に名前をつけたものです。現在でも季節の節目を示す言葉として使われています。
二十四節気の名称は、中国で考案された当時のものがほぼそのまま使われています。考案当時の文明の中心であった黄河の中・下流域の気候を反映しており、日本よりも寒冷で大陸的な気候のため、日本の気候とは多少ずれがあります。
太陽黄経が30の倍数であるもの(春分・穀雨など)を中(中気)、そうでないもの(清明・立夏など)を節(正節、節気)と言い、節気から次の節気の前日までの間を一ヶ月とする月の区切り方を節切り、その月を節月と言います。季語の分類も主として節切りで行われています。
夏至・冬至の二至、春分・秋分の二分を併せて二至二分といい、立春・立夏・立秋・立冬を四立、二至二分と四立を併せて八節と言います。二十四節気をさらに約5日づつの3つに分けた、七十二候という分類もあります。
「清明」の行事
** 十三詣り **
旧暦の3月13日(新暦では4月24日頃)の前後 、新暦の3月13日〜5月13日頃、数え年で13歳になる男女を対象に行われる祝い行事。
中学校に入学する春、知恵や福徳を授かるよう虚空蔵菩薩を詣で、思い描く漢字を一字「お身代わり」として捧げます。
** 沖縄の清明祭(シーミー) **
沖縄には18世紀に中国から伝わったとされる清明祭(シーミー)という風習があります。
これは中国の清明節と同じく、親類一同が集い、祖先のお墓にお参りして、掃除をし、墓前で祖先とともに食事を楽しむという風習です。
お盆やお正月には帰らなくても、シーミー、ウシーミーに帰省する人は多いといわれる、沖縄に根付いた風習です。
** 花まつり「灌仏会(かんぶつえ)」 **
「花まつり」『灌仏会』とはお釈迦様の誕生を祝う行事。
降誕会(ごうたんえ)、仏生会(ぶっしょうえ)、浴仏会(よくぶつえ)、龍華会(りゅうげえ)、花会式(はなえしき)とも呼ばれます。
各仏寺では原則として毎年4月8日に様々な「法要」が行われます。
清明 まとめ
毎年この季節で思い浮かぶのはやはりお花見。家族や仲間とバーベキューやカラオケで終日騒ぐのもよし、通勤や通学の途中、ふと見た満開の桜に見とれてしまう瞬間も魅力です。
日々の忙しさに季節を感じることも忘れてしまいそうになりがちだとしても、せめて瞬間だけでも気持ちをリフレッシュさせる余裕は欲しいです。