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エデンの園とは。どこにあった楽園? 『林檎』や『蛇』の正体

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人は皆、楽園に憧れます。中国なら桃源郷、ギリシャ神話ならエリシュオン、日本神話では常世の国。今回は旧約聖書の楽園、エデンの園に焦点を当てて探ります。

アダムとイヴが追放され、一説には実在したとも伝えられるエデンの園とはどのような楽園であったのか。

住まいたくなる理想郷? ご覧ください。

画像出典:karapaia


エデンの園とは

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出典:european-style

旧約聖書の中のエデンの園

エデンの園とアダムとイヴの物語は旧約聖書『創世記』の2章〜3章に登場します。

ちなみに第1章、始まりは『天地創造』

  • 1日目、神は何もない真っ暗な世界に光を与え、昼と夜、天と地を創ります
  • 2日目、空(天)を創ります
  • 3日目、海と大地を創り、そこに植物を芽生えさせます
  • 4日目、太陽と月、星を創ります
  • 5日目、地上に動物、海に魚、空に鳥を創ります
  • 6日目、獣と家畜、自分を模って人を創ります
  • 7日目、天地万物を完成させた神は安息し、第7の日を聖別し祝福しました

エデンの園の全貌

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出典:garden-of-eden-7116

「エデン」はヘブライ語で「喜び」や「歓喜」を意味します。

神は、東の方のエデンに園を設け、そこを耕し守る者として自らをまねて形造った人をそこに住まわせます。そして神は、食せる果実の実るあらゆる木々と、園の中央には『命の木』『善悪の知識の木を』を植えます。

エデンの園からは園を潤す川が流れます。それは4つの川に分岐。第1の川は金を産出するハビラ地方全域を巡るピション。第2の川はクシュ地方全域を巡るギホン。第3の川はアシュルの東を流れるチグリス。そして第4の川がユーフラテス。

園にはアダムとイヴを追放した後、命の木に至る道を守るため、エデンの東にケルビムときらめいて回転する炎の剣が設置されました。

エデンの園は実在した?

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出典:y-history

エデンがどこにあったかは古来、様々に論議されています。そしてその確かな所在は不明とされていますが、エデンから流れ出て4つに分かれた川にチグリス川やユーフラテス川があることから考えると、 現在のイラクあたりと想定することができます 。

また、聖書の中にベテ・エデンという場所が記されていることや、その地域の名が (エデンの首)であることからアルメニアのエレバン、メソポタミア文明で存在した都市ディルムンなどが挙げられています。

禁断の果実とは

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出典:ウィキペディア

食べてはならなかった『知識の木』の果実、それを食べると神々と等しい善悪の知識を得ることができるというもの。一般的には林檎と解釈されていますが、旧約聖書に種類についての記述はありません。そのため、その種類については林檎以外にも地域や宗派によって様々に解釈されているようです。

  • イチジク アダムとイヴに羞恥心が芽生え、裸体をイチジクの葉で隠したという記述に由来するもの
  • ブドウ 東欧のスラブ語圏やユダヤ教神秘思想の書籍『ゾーハル』でも禁断の果実はブドウ。
  • トマト 新世界からの渡来当初、毒のある実と思われ、「禁じられた果実」であったことに由来。

そのほか、西アジア原産の果物マルメロ、ザクロ、キャロブ、ナシなどが「禁断の果実」であったという説があるようです。

林檎

林檎が『禁断の果実』であるという説は2世紀に聖書をギリシャ語に翻訳したアクィラ・ポンティカスに由来するといわれています。

ジョン・ミルトンの「失楽園」(1667年)でもリンゴと記述されており、この俗説が広い地域に伝わったものと推測されています。

 一般的に知られている林檎は旧約聖書以外にも、神秘の果実として登場しています。

ギリシャ神話ではトロイア戦争の原因となった『不和の林檎』。ゲルマン神話での林檎は『不老不死の源』、女神イズンがそれを管理する役目を担っていました。

失楽園

1667年に出版されたギリスの詩人 ジョン・ミルトンの叙事詩。

禁断の『知識の木の実』を食べたアダムとイヴが、『命の木の実』までも食べて永遠の命を得る恐れがあることから、エデンの園を追放される物語を描いています。

神にそむいて地獄へ落ちたサタンは,アダムとイブを堕落させて神に復讐しようと画策。蛇に化けたサタンにそそのかされた人間は禁断の木の実を食べ、楽園を追われることになります。こうしてアダムとイブが現世の重荷を背負いつつ、至福を求めてキリスト教徒の道を歩きはじめるという内容となっています。

『失楽園』でも蛇はサタンとして描かれています。多くの見解として蛇の正体はサタン(ルシファー)

旧約聖書の基となったイスラム教の聖典『コーラン』では神の命に反発したサタンがアダムとイヴを誘惑した、ユダヤ教の『タルムード』では蛇の正体は人間に嫉妬したサタンであると記述されています。

キリスト教でのサタンはルシフェル(ルシファー)。ルシフェルとは「光をもたらす者」を意味します。

そして、神が人間を創造する以前、最も神の寵愛を受けていた存在だったものが、人間が生まれた後、その愛を人間に奪われたことへの嫉妬でアダムとイブを唆したのだと解されています。


召喚獣になる、異次元になる、エデンの園

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出典:app.famitsu

アナザーエデン時空を超える猫はスマートフォン向けのシングルプレイ専用RPG。ロボット、カエル、人間といったキャラが登場。主人公は古代、現代、未来の世界を巡ります。

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FF8」では幻獣『エデン』として登場。大海のよどみにいるアルテマにドローして入手。魔法陣を描いた惑星から敵全体にビームを放ち、大爆発でザコを一層。惑星レベルの大型GF

エデンの園、まとめ

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出典:garden-of-eden-7116

もしアダムとイヴが神の命に逆らわなければ永遠の生命と高い見識を得ることができたかもしれないエデンの園。桃源郷も、常世の国も、エリシュオンも、死後の世界として存在する永遠を生きる地。

そう思えば、人であるアダムとイヴがエデンの園を追放されたのは成るべくして成った運命(さだめ)であったのかもしれません。

まあ、何事も欲を出し過ぎるのは良くない、不死や賢者になることなど望まず、人間程々で良しとすべし、ってことでしょうか。


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