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隠り世(かくりよ)と現世(うつしよ)、隠り世ってどんなところ?

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隠り世(かくりよ)と現世(うつしよ)、現世(げんせ)とも読む「現れている世界」に対して、隠れた世なんて、なんとなく目に見えないファンタジーな世界のようなイメージがあります。

けれど、隠り世とは「この世」ではない、つまり「あの世」ってこと?

今回は、その隠り世に注目です。

隠り世ってホントに妖(あやかし)の住まう世界?

隠り世は常世(とこよ)、永遠の地。宗教によって変わる?現世(うつしよ)

隠り世(かくりよ)は幽世(かくりよ)常世(とこよ)ともいい、日本神話、古神道、神道において永遠に変わらない神の領域を指します。

黄泉の国も含まれる死後の世界。世界を構成する一方をいい、これに対して「現世(うつしよ)」があります

 

常世

特に「常世」と表記された場合、そこは海の彼方にある理想郷、長寿や不老不死がもたらされる「異郷」としての意味合いが含まれています。

民俗学者折口信夫は常世を「まれびと(死者・霊)によってもたらされる海の彼方にある理想郷」と定義しています

常世は「古事記」や「日本書紀」にも記述されています。

その中で、大国主命と共に国造りを行った少名毘古那神(すくなびこなのかみ)は役目を終えた後、海の彼方にある「常世」に行きます。

古神道での「常世」は、「場の様相」の変わる深海や高山、森林や河川、大木や巨岩の先には現世と異なる異空間とつながる境界があり、その先に存在すると言い伝えられています。

 

** 常世の国 **

太古の日本での「常世の国」は一種の理想郷としてイメージされていました。

常世の国には、「時じくの香(かぐ)の木の実という、不老不死の仙薬になる木の実が生えて、そこに住まうものは永遠の若さを得ることができる」と伝えられていました。

日本神話では、浦島太郎の原話となった浦島子の物語の中での竜宮城は「常世の国」として登場しています。

また

・少名毘古那神(すくなびこなのかみ)以外、

・菓祖として信仰される田道間守(たじまもり/たぢまもり)

・天武天皇の兄にあたる御毛沼命(みけぬのみこと)

が常世の国に渡っています。

** 常世の神 **

出典:pixiv

さて、常世には実際に「日本書紀」にも記述のある、常世の神なるものが存在します。その正体は芋虫

皇極天皇の時代(642~645)の信仰、富士川の周辺で採取できるある種類の芋虫を祀れば、 富と、健康、永遠の若さを手に入れられると、崇められたといわれています。

『日本書紀』の中で、常世神と称される虫について「橘の樹、あるいは山椒に生息する、長さ4寸余りで、緑で黒点があり、蚕に似ている」と記されています

 

現世

 

現世とはこの世のこと。「顕世(けんせ)」とも表され、(げんぜ)と読む場合もあります。

** 仏教においての現世 **

輪廻転生を繰り返し、現在生きているこの世界を言い、生まれる前の「前世」と生まれ変わる「来世」が存在します。

 

** 神道においての現世 **

現世(うつしよ)は人が生きる世界。常世と呼ばれる不老不死の理想郷と、常夜(とこよ)といわれる死者の国(黄泉の国)とが存在しています。


隠り世(かくりよ)・常世(とこよ)はファンタジーな異空間?

出典:ota-suke

2018年放映のテレビアニメ「隠り世の宿飯」。隠り世に連れ去られた主人公津場木葵は、祖父の残した借金のカタに鬼の大旦那に嫁入りすることになってしまいます。

 

また、トレーディングカードゲーム、「マジック・ザ・ギャザリング」では架空の次元「神河」に、物質と定命の者が住む現し世と、神の住む隠り世という2つの世界が存在します。

登場するのは鼠頭の鼠人・狐頭の狐人・大蛇人・悪忌(ゴブリン)・空民(ムーンウォーク)などの現世の住民と、隠り世にいる最高神大口縄率いる神々。

 

 

隠り世(かくりよ)・常世(とこよ)、現世(うつしよ)まとめ

隠り世とはつまりは神道でのあの世ということ。仏教では浄土を意味しているということになるのでしょうか。不老不死の理想郷であるなら、妖(あやかし)の住まう「隠り世の宿飯」の隠り世とは少し違うようにも思います。

なんにせよ、宗教の違いで、天国、浄土、常世と死後の世界が変わるなら、無神論者はどのような死後の世界に行くことになるのでしょうか?  ん〜〜。。。

 


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