日本では人は、死ぬと天国か地獄へ行くと考える人が多いのではないでしょうか。しかし、日本神話には古来より地獄に似た「黄泉」という概念が存在します。黄泉と地獄は同じ場所だと思っている方も多いのではないでしょうか。
今回は、そんな黄泉と地獄について探っていきましょう。
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日本神話の中の黄泉の国
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仏教が日本に入ってくるより以前、古事記や日本書紀などの日本神話においては死後人は黄泉の国に行くと伝えられていました。
その死後には3つの世界が存在します。
- 高天原 天上界にあり神々が住む尊い世界
- 常世の国 人間の霊が住む他界
- 黄泉の国 地下にある「根の国」「底の国」を含めた冥界。
黄泉の国には黄泉神という王がおり黄泉比良坂という坂によって地上と繋がっています。その黄泉比良坂には黄泉醜女(よもつしこめ)(一飛びで千里(約4,000キロメートル)を走る足を持つ鬼女)や八雷神(やついかずちのかみ)などの番人たちが出入りを固めています。
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仏教の伝来で広まった『地獄』という概念
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地獄というのは、仏教が日本に入ってきたときに広まった概念です。悪いことをした人が死んだあと、生きていた頃の罰を受ける世界とされています。
ちなみに、地獄と訳される死後の世界は仏教、キリスト教、イスラム教など各宗教に存在しますが、日本でイメージされる地獄は仏教の概念のものが主でしょう。
仏教における地獄は、三途の川を渡り、閻魔の裁きを受けたときに罪の重かった者がその罪に合った地獄に送られます。ですので、仏教における地獄はいくつもあるのです。
その後、罰を受けて懲役を終えた魂は輪廻転生によって次の世界に生まれ変われるといいます。よかった。。。
地獄の住人たちを描くコメディからイケメンキャラまで幅広く
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モンスターストライク
大人気スマホゲー、モンスターストライクで話題になったキャラクター、「黄泉」。その名の通り、日本神話の「黄泉の国」が元ネタになっています。理想郷爆絶シリーズの中でも非常に人気のあるキャラクターですよね。
旧帝国軍の青年が戦地で命を落とす寸前に黄泉に選ばれ、「黄泉」という存在そのものになったという設定のキャラクターで、ビジュアルやボイスから女性人気が高く、グッズも多く展開されています。
鬼灯の冷徹
一方、地獄を題材にした作品なら、「鬼灯の冷徹」などが有名ですね。
こちらは、主人公で閻魔大王の第一補佐官を務める鬼・鬼灯が御伽話でも有名な桃太郎や、中国の神獣・白澤などと共に過ごす日常コメディです。
仏教における地獄を主な舞台としていますが、日本神話や日本のおとぎ話、海外の神話をモチーフにしたキャラクターも多く出てきます。
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日本神話と仏教の融合
死後の世界として、イメージを混同しがちな「黄泉の国」と「地獄」。
こうして詳しく見ていくと、同じ死後の世界でもそれぞれに違うものだということがわかります。日本の宗教観は、日本神話と仏教などが絡み合い、何やらややこしい気がします。
けれどその成り立ちを追っていくと、この国の神話や伝承のおもしろさが見えてくるかもしれません。