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ペガサス、ギリシャ神話のポセイドンとメデューサの子、天翔ける天馬

更新日:

2 世紀〜3 世紀

ペガサスはギリシャ神話に登場する翼がある神馬。

海神ポセイドンと、怪物メデューサとの間に生まれたという驚きの血筋です。

 

勇者ペルセウスやベレロフォンのキマイラ退治にも手助けする、星座になった天翔ける天馬。

いかにも勇者が騎乗するのに相応しい、美しく勇ましい聖馬です。

 

 

ペガサス、勇者が騎乗する神馬

ジュゼッペ・チェーザリ作((1602年)

ペガサスとは

ペガサス((Pegasus)ペーガソス、ペガスス、ペガソス)はギリシア神話に登場する、天空を駆ける天馬

 

父は海神ポセイドン、母は怪物メデューサ

ローマ時代には不死のシンボルとされていました。

 

生まれて間もない頃からゼウスの雷霆を運ぶ役割を担い誇り高く、人間の騎乗を嫌います

優美な外見からは想像できない荒々しい性格で、乗りこなそうとする者をことごとく振り落としてしまうため、女神アテナが黄金の馬勒をつけることで、ようやくおとなしく従うようになったといいます。

 

メデューサを倒したペルセウスや、キマイラを退治したベレロフォンなどの英雄の乗馬となり、その活躍を支えました

けれど慢心したベレロフォンは天界に昇ろうとし、ゼウスの怒りに触れます。

ペガサスはベレロフォンを振り落とし、天に昇ってペガサス座になったと伝えられています。

 

ペガサスの誕生

テオドール・ファン・テュルデン作『アテナとペガサス』

ペガサスはンフであったころのメデューサがみごもった海神ポセイドンの子

ペガサスの誕生については幾つかの説が伝えられています。

メドゥーサがペルセウスによって倒された際

  • その血が海あるいは大地に滴り
  • あるいは血飛沫となって
  • メドゥーサの首の傷口から

産まれたなど

 

その際、「黄金の剣を持てる者」という意味の名のクリュサオルという怪物も共に生まれています。

 

ちなみにポセイドンは海神であると同時に馬の神としての神格も持っており、ペガサス以外にも神馬アリオン(アレイオーン)もポセイドンの子供として誕生しています。

 

誕生した後、ペガサスは天に上り、ゼウスの雷鳴と雷光を運ぶ役割を与えられます

 

ペガサスの兄弟

ペガサスには同じポセイドンの子として生まれた神馬アリオンや怪物クリュサオル以外にも意外な兄弟がいます。

一説には、ペルセウスによって首を切り落とされたメドゥーサの首から滴った血液から生まれたのがペガサス。

ペルセウスは生まれたペガサスに乗って、メドゥーサの首を持ち帰ります。

その際、滴り落ちるメドゥーサの血液は砂漠に落ちてサソリが生まれます

そして海に落ちた血液で珊瑚が誕生したと伝えられています。

 

クリュサオール 

クリュサオール若い男性として描かれることの多い、ペガサスと同時にメデューサから生まれた兄弟

オーケアノスの娘カリロエと結婚。

三つの頭を持つ怪物ゲリュオと下半身が蛇の怪物エキドナの父となります。

そのゲリュオンは、ヘラクレスの10番目の功業で牛を守ろうとしたためにヘラクレス倒されています

 

ペガサスとムーサイ

メアリー・ハミルトン・フライ作( 1914年)

ペガサスはヘリコーン山に住む音楽と文芸の神ムーサイと共に暮らしていました

ムーサイたちが歌を競ったとき、歌を聴いたヘリコーン山が異常に膨れ上がり天界にも届きそうになってしまいます。

ペガサスはポセイドン(あるいはゼウス)の命を受け、ヘリコーン山を蹴って元に戻したと伝えられています。

その時ペガサスが蹴った場所にはヒッポクレネ、馬の泉という意味の泉ができあがりました

 

ペガサスと泉 

ペガサスは水と深い関わりを持ちます

ペガサスの名前は古代ギリシア語で「泉」「水源」を意味するペーゲーPegeに由来します。

古代の神話では、ペガサスが蹄を打ち付けたところにはいくつもの泉が湧き出しています

そのひとつは、ムーサイの住むヘリコン山にあるヒッポクレネ。

他のひとつはペイレーネーの泉。

ペガサスはその泉の水を飲んでいたところを英雄ベレロポーンに捕らえられています

 

ペルセウスとペガサス

ピーテル・パウル・ルーベンス作

中世以降の神話の中で、ペルセウスはヘルメスの翼のあるサンダルを武具のひとつとしてメデューサを倒しますが、倒した後にはペガサスに乗って帰路についています

その際、怪物ケートスと戦いアンドロメダーの命を救ったエピソードも有名です

 

ペレロボーンとペガサス

ベレロフォン、ペガサス、アテナ. 1 世紀前半のフレスコ画、

ペガサスはキマイラ討伐に向かうベレロフォンの愛馬ともなっています

 

リュキュアの王イオバーテスよりキマイラを倒す使命を受けたベレロフォンは予言者ポリュイドスより「キマイラ退治には天馬ペガサスが必要」との助言を受けます。

そして、ポリュエイドスにあるアテナ神殿で眠るベレロフォンの夢にアテナが現れ、ペガサスの捕獲のために必要な黄金のくつわを授けます

 

ベレロフォンはペガサスをペイレーネーの泉で待ち、泉の水を飲みにやってきたペガサスにアテナに与えられたくつわをはめることでペガサスを捕獲、愛馬とします。

間もなくキマイラに遭遇、ペレネボーンはペガサスの馬上から弓を放ち、キマイラに命中させます。

対するキマイラの火炎はペガサスには届かず、キマイラは矢を次々と射られ、ついに倒されます。

ベレロフォンは使命を果たした証としてキマイラの頭と蛇の尻尾を持ち帰ります。

 

そのほかにも、ベレロフォンはペガサスの助けを得てアマゾーンやソリュモイ人の討伐にも成功し、数々の武勲を立てることになります。

 

英雄となったベレロフォンはオリュンポスに向かおうとします

けれど、その傲りはゼウスの怒りをかうこととなり、ペガサスはベレロフォンを振り落とし、ベレロフォンは大地に墜落し、その生涯を終えることになります。

 

ベレロフォンがペガサスから落ちた後、ペガサスはオリンポスに迎えられ、ゼウスへの長年の忠実な奉仕により、天に昇って星座(ペガサス座)となります

 

 

ペガサス、ドラクエでは正義の味方ファルシオン

ペガサスは、聖闘士星矢、機動戦士ガンダム、遊戯王、ファイアーエンブレムなど、数多くの作品に登場する正義の味方。

ドラクエ10」ではエテーネの村の守り神、カメ様の覚醒後の姿ファルシオンとして登場しています。

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イナズマイレブンGO』では主人公松風天馬の化身「魔人ペガサス」となります。

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ペガサス まとめ

ジョバンニ・バティスタ・ティエポロ作

ポセイドンが馬の神でありメドゥーサがかつては美しいニンフであったとはいうものの、やはりペガサスがポセイドンとメドゥーサの子供であるというのには少し驚き。

けれど、不死のシンボルであり、英雄しか騎乗することを許されない美しく誇り高い有翼の神馬

 

多くのヒーロー作品で活躍するのに相応しい天馬です。

 

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