出典:deviantart
日本人にとってはベルセルクは個人名、バーサーカーはジョブと別モノのようにイメージしますが、実は同一。
北欧の狂戦士をいいます。
熊の毛皮をまとい、どのような武器もはね返す強靭な肉体を持つ異能の戦士。
実在したとされる北欧の戦士、ベルセルク、バーサーカーのご紹介です。
目次
ベルセルク(バーサーカー)、熊の力を宿した戦士
ローマ、トラヤヌスの円柱に立つベルセルク
ベルセルク(バーサーカー)とは
ベルセルク( berserkr)は軍神でもある北欧神話の最高神オーディンの加護を受けたとされる、北欧の神話・伝承上の戦士たち。
「熊(Ber)の毛皮をまとう(serkr)」ことからその名がついたといわれ、それによって動物の力を得られると考えられていました。
ベルセルク( berserk)はノルウェー語。
その英語がバーサーカー (berserker) となります。
本来は北欧神話の異能の戦士達を意味し、ウールヴヘジンと並ぶ、または同義語として称され、「野蛮人」「狂戦士」などの一般名詞ともなっています。
ベルセルク(バーサーカー)の誕生
スカンジナビアの先史時代
北欧神話では勇敢に戦って戦場で死んだ戦士の魂は、ヴァルキュリアによってオーディンの館ヴァルハラへと導かれます。
そして、ラグナログにおいて神々とともに巨人族と戦う戦士エインヘリャルになります。
戦士たちは、エインヘリャルに憧れ、エインヘリャルとなるために蛮勇を競うものもあり、やがて彼らはベルセルクになったといわれています。
実在したベルセルク(バーサーカー)
11世紀のキエフ聖ソフィア大聖堂のフレスコ画。
実在の人物、北欧のノルウェーを統一した最初の王、美髪王ハーラル1世(850年頃〜930年頃)は、親衛隊としてベルセルクまたはウールヴヘジンを従えていたと伝えられています。
彼らは狼や熊の毛皮をまとい、どのような武器でも彼らの肉体を傷付けることができなかったと伝えられています。
ベルセルク(バーサーカー)は熊となるための儀式を行い、獣の憑依、またはトランス状態に陥ることによって、野獣と化し、どう猛な戦士となったといわれます。
ウールヴヘジン
ニコライ・K・レーリヒ作
北欧神話にはベルセルクと同じに猛獣と化す戦士ウールヴヘジンúlfheðinn(ウルフヘジン)が存在、また同義とされています。
ベルセルクが熊björnのシャツserkrを着た者を意味するように、ウールブヘジンは狼úlfrのジャケットheðinnを着た者を意味します。
ベルセルクと同様にオーディンの加護を得て、狼の毛皮をまとい、狼と化し、時には敵に噛みついて勇猛に戦った戦士。
北欧神話の英雄シグムンドは狼に変身して戦ったといわれ、一説には、後に伝わる狼男伝説の原型になったとも伝えられています。
ベルセルクの戦闘
ベルセルクやウールブヘジン、動物の毛皮を被り変身した戦士の身体は獣人へと変化したと伝えられています。
その本性は獣のものとなり行動も獣化します。
獣人となった戦士は鎧もつけずに凶暴に戦い、自分の持つ盾にも噛みつき、熊や牛を倒すほどの強さだったとされます。
人間としての意識を失い、精神が完全に野獣と化すため、動くもの全てに襲いかかります。
彼らは野獣のような咆哮を放ち、剣や炎の攻撃を跳ね除け、敵味方見境なく、人間や盾にもかじりつきます。
そのため、他の兵士から離れた、最前線で戦うことが常とされていました。
(アイスランドの歴史家で詩人)スノッリ・ストゥルルソン(1179年 - 1241年)は『ユングリンガのサガ』の中で
「オーディンの部下たちは狼のように狂暴で、熊や野牛のように強い。獣のように吠え、盾を噛み砕き、一撃で人を殺す。火も鉄も彼らには効かなかった」と語っています。
ベルセルクの末路
ベルセルク(バーサーカー)については、多くのサガで記されています。
初期のサガでのベルセルク(バーサーカー)はエリート兵士、王の勇者。
けれどこのイメージは時が経つにつれて変化してゆきます。
北欧を含む中世ヨーロッパの兵士は、戦時だけに武器を取って戦う一時的な戦闘者。
その多くは農民であったり、傭兵である事が多く、傭兵の中には盗賊や生計のために犯罪にはしった粗暴な者も多くいました。
次第にベルセルク(バーサーカー)は略奪、無差別殺人を行う貪欲な男として描かれるようになり、「無法者」や「野蛮人」をイメージさせるようになります。
11〜12世紀以降、北欧がキリスト教化されると、降霊術によって力を得るベルセルクは悪魔憑きとして忌避されるようになります。
現代ではバーサーカーとベルセルクは別者?
北欧神話が舞台の人気ゲーム『アサシン クリード ヴァルハラ』でのバーサーカーは難易度を表す指数。
スカルド、ヴァイキング、バーサーカー、ドレングルと上がってゆきます。
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おなじみ『ファイナルファンタジー』シリーズのバーサーカーは攻撃力に特化したジョブ
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「グランブルーファンタジー」のベルセルクは攻撃タイプのジョブ。狼の頭部を兜に、獣のマントを羽織った狂戦士。「受け継がれる意思」で登場、高性能ばあちゃんをウェポンマスターで倒して取得。
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「ベルセルク」の主人公のガッツは、心の内にかつての友グリフィスに対する激しい憎しみを抱えた戦士。その戦いはまさに闘争本能の塊と化した狂戦士。
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ベルセルク(バーサーカー) まとめ
出典:deviantart
人にはどこかに好戦的な何かが存在するだろうと思います。
男性因子?テストステロン?そんなものが多いタイプの人もいます。
それが異常に活性化することもあるだろうと思います。
薬物の濫用でも人は自我を無くすようですし。。。
まあ、とにかくバーサク化した人間は、もはや人間ではない状態であるのは確かなようで。。。