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伝説の幻獣、蛇の王バジリスク

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ハリーポッターにも登場したことで知られるバジリスクはアフリカ北部(現在のリビア周辺)に本当に生息していると信じられていた、蛇の姿をした伝説の怪獣です。

ゲームやアニメなどのファンタジー作品にも多く登場し、そのほとんどで強敵として扱われます。同じくファイナルファンタジーシリーズなどにも登場するコカトリスとは対となる怪獣としても有名。

今回はそんなバシリスクに焦点を当てて探ります。

画像出典:pinterest


強力すぎる毒を持つ、蛇の王様

出典:leyendaschilotas

ギリシア語で「小さな王」を意味するバジリスコス(Basiliskos)を名前の由来にもつバジリスク

古代ローマの著「博物誌」にも記述が残る、全ての蛇の上に君臨するヘビの王、ヨーロッパに伝えられる想像上の生物です。頭には王冠のような白い斑紋があり、上半身を直立させて堂々と進む姿はまさに蛇たちの王。他の蛇はバジリスクから目を背けずにいられなかったといわれています。

一説によるとバジリスクは、ペルセウスが退治したメデューサの首を持ってリビアの砂漠を通った時、メデューサの首から滴り落ちた血から生まれたのだといわれています。

バジリスクの姿かたちは伝承によって様々で、蛇として描かれることもあれば、固い鱗を持った鶏のような姿や、翼を持った大きなドラゴンのような姿で描かれることもあります。

バジリスクは残酷なまでに強力な毒を持ちます。その毒は大理石をも貫通したとされています。草木は触れられただけでなく、息を吹きかけられただけで枯れてしまうのだと語られています。馬上から槍で突き刺してもバジリスクの毒は槍を伝わり人も馬も死に至らしめるのだという伝承も残っており、中世ヨーロッパの人々の恐怖の対象になっていました。

また、バジリスクはその視線にすら殺傷能力があったとされています。目を見ただけで、動物も植物も石になって死に至るのだと。アフリカ北部のリビアに広がる大きな砂漠は、バジリスクがその視線で全てを石に変えたことで作られたものだと、伝説は語っています。

アフリカ北部を旅する人たちは、鏡に映る自分の視線が反射して自分を殺し(石化)てしまうため鏡を携帯していたといわれています。

バジリスクとコカトリス

出典:romanticaoscuridad

バジリスクは徐々にコカトリスの伝承も吸収していき、両者は混同されるようになりました。

バジリスクもコカトリスも雄鶏が生んだ卵から生まれると信じられており、バジリスクは鶏冠(とさか)を持った蛇として描かれるようになります。そしてコカトリスとは雌雄であるとする説もでてきました。

14世紀のイギリスの詩人ジェフリー・チョーサーは「カンタベリー物語」の中でバジリスクのことをバジリコックという名前の怪獣として登場させています。



現代でも不動の強者、バジリスク

出典:misoraku

甲賀と伊賀の忍が凄惨な忍法合戦を繰り広げる、山田風太郎の傑作小説、「甲賀忍法帖

アニメ化した際にはタイトルが「バジリスク 甲賀忍法帖」となりました。これは甲賀と伊賀の両リーダーが共に相手の目を見ただけで相手の忍法を打ち破る能力を持っており、そこから伝説に語られるバジリスクを連想して、アニメ化に際し「バジリスク」の文言が付け加えられました。


バジリスク 甲賀忍法帖 1

大人気ファンタジー「ハリー・ポッター」シリーズの第2作、「ハリー・ポッターと秘密の部屋」では体長15メートルの巨大な大蛇、バジリスクが登場します。

大きく狂暴なだけでなく、目を見ただけで死に至るこの怪獣はハリーを大苦戦させました。ちなみに、鏡を介してその目を見ると石化するだけで済むようです。

まとめ

出典:pinterest

目を見ただけで石化してしまうと伝えられるバジリスクの威力、メデューサに並ぶ恐ろしい怪物であったのだろうと思います。特に爬虫類が苦手なひとにとっては驚異ですよね。

自分が石化してしまっては、エスナや金の針も使えません。



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