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オリハルコン、アトランティスを築いた幻の金属

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出典:deviantart

オリハルコンはアトランティスを築いた幻の金属。 

現代でも、エリクサーや王者の剣の製造に必要な貴重なアイテム。 

 

けれど、神話の中のヘラクレスやアプロディーテもオリハルコンでその身を飾り、古代ローマでは硬貨にも使用されていた実在した鉱物でもあるのです。

 

 

オリハルコン、実在した幻の金属 

オリハルコンとは 

オリハルコン オリハルク、オレイカルコス(oreikhalkos)は幻の大陸・アトランティスに存在したとされる金属 

アトランティスはこの金属によって文明を築いたとされ、その高度な文明が原因で神の怒りに触れたために滅びたと伝えられています。 

 

真鍮や青銅などの銅系の合金であるという説が有力視され、その名もギリシャ語のオロス( oros 山)とカルコス( khalkos 銅)が組み合わされた『山の銅」を意味します。 

 

古代ギリシャの哲学者・プラトン紀元前427年 - 紀元前347年)が『クリティアス』(「アトランティスの物語」(紀元前460年- 403年)の中でその存在を語っています

ギリシャ神話においてはホメーロス風讃歌』や、ヘーシオドスの『ヘラクレスの盾』の中にその名が登場しています。 

   

伝説(古文献)の中のオリハルコン 

フランソワ・ド・ノメ作『アトランティスの崩壊』

アトランティスとオリハルコン 
◾️プラトンの『クリティアス』 

『クリティアス』はプラトンの後期対話篇のひとつ。『ティマイオス』の続編で副題はアトランティスの物語」 

プラトンは『クリティアス(紀元前460年- 403年の中で幻の大陸・アトランティスとその文明を築いた金属・オレイカルコス(オリハルコン)について語っています。 

⚫︎オレイカルコスは植物や鉱物など、豊富な資源を産出するアトランティスで、かつてはいたるところで採掘することができた資源のひとつ。 鉱物の中で金に次ぐ価値のもの 

⚫︎島を囲む外壁は銅、内側は錫。その内部に築かれたアクロポリス(都市国家)炎のように輝くオレイカルコスの城壁で覆われています 

⚫︎アクロポリスの中心に聳えるポセイドン神殿は、金、銀、オレイカルコスの装飾。 壁と柱と床にはオレイカルコスが敷き詰められていました 

⚫︎アトランティスの10人の王たちはポセイドンの戒律に従って国を統治。 その法は、初代王によってオレイカルコスの柱に刻まれていました 

 

古文書の中のアトランティス 

◾️古代ローマ博物学者・大プリニウス(紀元23年 - 79年)は著書『博物誌』の中でア「ウリカルクム(auricalcum 金の銅)(オリハルコン)は銅系鉱石の一種

今では失われてしまっているがかつては非常に価値があり珍重された」と記しています。 

◾️帝政ローマ期のユダヤ人政治家・フラウィウス・ヨセフス(紀元37年 - 100年頃)の『ユダヤ古代誌』の中で、ソロモンの宮殿にはアウリカルコム(オリハルコン)製の器が奉納されている」と記されています。 

 

神話の中のオリハルコン 

紀元前5世紀初頭、ヘラクレス(左)とキュクノスの戦い

ギリシャ神話の神々もオリハルコンで身を飾ったとされています。 

◾️ヘラクレスの脛当て 

古代ギリシアの叙事詩人・ヘシオドス紀元前700年頃)『ヘラクレスの盾』の中で英雄ヘラクレスヘーパイストから贈られた、輝くオレイカルコス(オリハルコン)製のすね当てを装着したと記されています。 

ちなみに、これがオレイカルコス(オリハルコン)が記された最初の文献とされています。 

 

◾️アプロディーテーの耳飾り 

古代ギリシャの吟遊詩人・ホメロス紀元前8世紀末)『ホメロス賛歌』の中で、アプロディテは「耳をオレイカルコスと黄金で出来た装飾品で飾り」と描写しています。 

 

現存するオリハルコン 

紀元前211年以

太古の貨幣の中ではオリハルコンを用いたとされるものが存在しています。 

  • アス貨幣 アス貨幣は紀元前23年のアウグストゥスの貨幣改革の後、貨幣収集家オリハルコンと呼ぶ金色の青銅合金で製造されています
  • セステルティウス貨幣.    ローマ人は真鍮をオリハルコンと呼び金貨を意味するアウレウス(aureus)とも綴っています 

これはセステルティウス硬貨が金のように輝いていたことに由来し、オリハルコンは銅の約2倍の価値と考えられていました。 

  • デュポンディウス貨幣    ローマ共和国ローマ帝国時代に使用された真鍮の貨幣。 

オリハルコンと呼ばれ、低額のものは赤みがかった銅製のものとされます。 

  • セミス貨幣 ローマ共和政時代(紀元前23年〜)オリハルコンと呼ばれる真鍮合金の一種で製造されています。 

 

オリハルコンの正体 

オリハルコンは 

  • 真鍮(黄銅、銅と亜鉛の合金)
  • 青銅(銅と錫の合金)
  • 赤銅(銅と金の合金)
  • 黄銅鉱(銅と鉄の混合硫化物) 

など、多くの説が語られていますが、 ラテン語ではオリカルクム(orichalcum)またはアウリカルクム(aurichalcum 金の銅)、英語でオリカルカムと発音。 

ローマ帝政期以降の文献ではアウリカルクムは「真鍮」。 

現代でもギリシア語のオリハルコス(oreichalkos)やイタリア語のオリカルコ(oricalco)は「真鍮」を意味します 

 

オリハルコン、現代でも武器になる貴重な金属 

『海のトリトン1972年公開、手塚治虫製作のアニメ作品。 

この中で主人公のトリトンは不思議なパワーを持つオリハルコンの短剣で、アトランテシスを滅ぼした宿敵ポセイドン族に戦いを挑みます。 

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『ファイナルファンタジー』シリーズではHP吸収や水属性の怪物に効果的な武器になったりする短剣 

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『ドラゴンクエスト』シリーズのオリハルコンは【おうじゃのけん】や【はやぶさの剣・改】など最強武器の錬金材料になる重要なアイテム 

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『キングダムハーツ』のオリハルコンはエリクサーやモーグリバッヂなど、レアアイテム合成の材料になる貴重な鉱石 

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オリハルコン まとめ 

出典:deviantart

我々、オタク族にとってのオリハルコンは、不思議な効果を持つ、ミスリルやエリクサーと同じほどに貴重なアイテム。 

あくまでアトランティスを築いた幻の金属。 

 

なので、正直、貨幣に使われた真鍮なんて知らされても、余計なお世話的な反応しかできません(それを伝えている張本人)。。。はははっ💦 

 



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