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聖母マリア、意外と知らないイエスの母の生涯とは

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ラファエロ作「大公の聖母」

聖母マリア様の生涯を辿ります。

キリスト教のイメージに、十字架にかかったイエス様と同じほどに聖母マリア像も信仰の対象となっているように思います。

けれど、聖母様がなぜそれほどまでに崇められるのか、考えてみるとよくわからない。

なぜ、神の子を授かったのか、聖母様はどのような最期を遂げたのか。

その軌跡をたどれば、もしかしたら神の御心を垣間見れるかもしれません。

 

 

聖母・生神女マリア

バルトロメ・エステバン・ムリーリョ作 「無原罪の御宿り」

** 聖母マリアの誕生 **

聖母マリアはダビデ王の子孫の父ヨアキムと、祭司レビ族の血筋である母アンナとの間に生まれます。両親はナザレの地で結婚、長く子宝に恵まれず、結婚後20年目に誕生しています。

母アンナは44歳の時にマリアを出産。その直前に父ヨアキムは天使を見ています。

神の御心によって授かったマリアを両親は神に支えさせることを決めます(マリアの神殿奉献

父ヨアキムはマリア誕生直後に他界。

 

** ヨセフとの婚約 **

ヨセフとの婚約までの9年間、マリアは神殿に支えます。

マリアが12歳の頃、大司祭は天使のお告げを受け、少女の婚約者を選ぶことになります。

神殿に集まった候補者達は、持参するように言われた枝を祭壇に置きます。

すると、ヨセフの枝から花が咲き、マリアの婚約者となることが決まります

 

** 受胎告知 **

レオナルド・ダ・ヴィンチ作『受胎告知』

神殿を離れて4ヶ月後、ある日、マリアの元に大天使ガブリエルが現れ、イエスを懐妊することを告げます

その時、叔母のエリザベトも神の計らいで懐妊したことを知らされます。

マリアはエリザベトのもとに訪れ、3ヶ月の間滞在しています。

この時、エリザベトが身篭った子は後に洗礼者ヨハネとなり、イエスにヨルダン川で洗礼を行なっています。

 

マリアの懐妊を知ったヨセフは夢の中に現れた天使の説得でこの結婚の継続を決断

ふたりは「住民登録」のため二人が住うナザレから150km離れたベツレヘムへ向かいます。

旅の途中、宿が満室のため仕方なく家畜小屋で一泊することになります。

 

** イエスの誕生 **

フラ・バルトロメオ作「聖ベルナルドゥスの幻視』

その家畜小屋でマリアは陣痛の苦しみもなく無原罪の御宿りイエスを出産

この時、羊飼いらの頭上に天使が現れ「ベツレヘムで救世主が誕生した」と告げています。

彼らは星に導かれながら家畜小屋に辿り着き、マリアに抱かれたイエスに礼拝します。

 

マリアはイエスをエルサレムの神殿に奉献イエスの神殿奉献)。

そこでシメオンとアンナという2人の老人に出会い、預言者であるアンナはイエスが救世主であると語ります。

けれど、ユダヤのヘロデ大王は“ユダヤ人の新しい王となる子”がベツレヘムに生まれたことを聞き、ベツレヘムにいる2歳以下の男児を全て殺害させます(幼児虐殺)

天使のお告げでそれを知ったヨセフは母子を連れてエジプトへ避難。

3人はヘロデが亡くなるまでエジプトに留まります。

 

** キリストの磔刑 **

フアン・デ・フランデス作 「磔刑」

イエスが成長し、弟子を持つ頃、マリアはイエスとイエスの弟子達とカナの結婚式に招かれます。

そこでイエスは水をぶどう酒に変えるという「最初の奇跡」を行います

イエスが捕らえられ十字架にかけられようとするときキリストの磔刑)、イエスは弟子のヨハネに母を託し、マリアはヨハネとともにイエスの最期を見とります

「生神女就寝祭」

イエスの磔刑の後、晩年は使徒ヨハネとともに小アジアのエフェソスで余生を送ったと伝えられています。

マリアの最期については、逝去する3日前に天使にそれを告げられ、大天使ミカエルによって肉体ごと天に召された聖母の被昇天)ということ。

その墓所は現在は聖母マリア墳墓教会となっているエルサレムにあるという説があります。

 

 

少女小説や仙女にもなる聖母マリア

封神演義」の金光聖母(きんこうせいぼは金鰲島十天君の中でも抜きん出た強さを持つ仙女。首と手以外の体が透明、衣服の内側には虚無が詰まっている身体と、光を屈折させ、物の位置をずらして見せる能力を持ちます。

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今野緒雪によるアニメマリア様がみてる』。「私立リリアン女学園高等部」生徒会「山百合会」を舞台に物語が展開されます。

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聖母マリア まとめ

ジョヴァンニ・バッティスタ・サルヴィダサッソフェッラート作

マリア様が信仰の対象であるかどうかは宗派によって違いがあるようです。

けれど、無条件に受け入れ、包み込んでくれる母親の愛情は誰もが望む慈しみ。

その象徴であるマリア様が迷える子羊達に救いを与え、これほどまでに多くの人々に受け入れられることに納得です。

 



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