エデンの園を追放されたアダムとイヴ(イブ・エバ)の物語はあまりにも有名です。けれど、『禁断の果実』がなぜ禁断であったのか、楽園を追われたその後のアダムとイヴはどうなったのか、そのストーリーの全貌について知っている人は少ないように思います。
そこで、今回はあらためてアダムとイヴという人物、禁断の果実を食べたことの経緯やそのために与えられた人類への罰について考えます。
アダムとイヴ、カインとアベル、なるほど、神と人類の立ち位置の違いを思い知らされます。
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アダムとイヴ、その物語が意味するのは
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アダムとイヴは旧約聖書『創世記』第2章〜第3章に登場します。
天地創造を終えた神は姿を神に似せて人間を造ります。
アダムは土から、イヴはアダムの肋骨から創られた最初の人類。蛇にそそのかされ、神から禁じられた『果実』を食べたことで神の怒りに触れます。そして、蛇・アダム(男性)・イヴ(女性)それぞれに罰を与えられ、エデンの園を追われることになります
『アダムとイヴ』あらすじ
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神は5日で天地を創りました。6日目神は自身を模って土(アダマ)で人(アダム)を形造り、その鼻に命の息を吹き入れ、生命を与えました。
神は東の方角エデンに園を設け、美味な果実のなる様々な木々や、園の中央には「命の木」と「善悪の知識の木」を植えつけます。
そして神はアダムに命じます。「食物は園のすべての木から取って食べることを許します。ただし、善悪の知識の木の果実は、決して食べてはならない。食べると必ず死んでしまう」と。
また、神は人がひとりでいるのは良くないと考え、アダムにふさわしい助け手を造ることにします。 そして野のすべての獣と、空のすべての鳥とを土で造り、彼がそれにどんな名をつけるかを観ていました。人がすべて生き物に与える名は、その名となるのでした。 人は、すべての家畜、空の鳥、野のすべての獣に名をつけましたが、けれどとうとうアダムに相応しい助け手を見つけることはできませんでした。
そこで神は人を深く眠らせ、アダムのあばら骨の一つを取って、ひとりの女を造ります。
アダムはその女を見て「これこそわたしの骨、わたしの肉。男から取ったものだから、これを女と名づけよう」と言います。
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純粋無垢な二人は、美しいエデンの園を生まれたままの姿で幸せに過ごしていました。
けれどある時、神から知恵を授けられた蛇が女に語りかけます。「この知識の木の実を食べてごらんなさい。決して死なないし、むしろ目が開け、神のように善悪を知る者となるのだよ」と。
女は蛇の言葉に惑わされ、とうとう禁断の果実を食べてしまうのです。それは甘味で、女はアダムにも勧め、アダムもそれに従いました。
その瞬間、二人の中に恥じらいや猜疑心、怒り、嫉妬、悲しみなど様々な感情が芽生え始めます。羞恥心の芽生えたふたりは自分たちが裸であることを恥じらい、イチジクの葉で身体を隠すことを覚えます。
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これを知った神は激怒します。
神は二人をそそのかした蛇には、這い回るように動き、あらゆる獣の中で呪われる存在となるように命じます。
女性には産みの苦しみと、男を慕い支配される存在になる罰。そして男性には命を終えて土に返るまで、土を耕して食物を得る苦しみを与えました。
アダムはすべて命あるものの母となった女をイヴ(エバ:命)と名付けます。
神はアダムとイヴに「生命の木」の実を食べて不死となることを認めず、衣を着せ、園を追放することを決断します。そして、命の木に至る道を守るよう、エデンの園の門は園の東に智天使ケルビムと、きらめく剣の炎によって閉ざします。
楽園を追放されて後、アダムは自分たちの食糧を得るために働き始めます。そしてアダムとイヴは沢山の子をもうけます。『創世記』にはその内3人の物語が記述されています。長男カインと次男アベル、末の子ノアの祖先となるセト。
『創世記』によるとアダムは930歳で亡くなっています。
この物語は、アダムとイヴが禁断の果実を食べてしまったことから、「本来は永遠の命を与えられるという能力を持ったかもしれない人間に、限りある生涯を罪を背負って生きる定めが課せられた」。「善悪の知識の木の実を食べると死んでしまう」という神の言葉通りになったという解釈がされています。
ちなみに『禁断の果実』が林檎であるという記述は『創世記』にはなく、果実は地域によって林檎、イチジク、ぶどうなどの解釈がされています。
アダム
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創造主ヤハウェによって創られた最初の人間。アダムの名はヘブライ語「אדמה:土」に由来します。ヤハウェは地が乾き、植物はなにも生えていないころに最初にアダムを創造。地面の土(アダマ)を使ってアダムの形を造り、鼻の穴からルーアハ(生命・魂)を吹き込みます。
アダムが禁断の果実を食べてしまったことで人類に起こったとされる説があります。
- 果実を途中で食べるのを止めたため喉ボトケができた
- 罪の印である「髭が生えた」
そして、ヤハウェが「善悪の知識の木」の実を食べたのかとアダムに尋ねると、アダムは、「イヴだけが食べた」と答えます。これがアダムが犯した人類の『最初の罪』であるといわれています。
イヴ
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イヴという名前は、ハヴァ「chavah(呼吸する)」やハヤー「chayah(生きる)」に由来し、アダムが名付けます。
けれど、6世紀に伝わったイスラエルの書物『ベン・シラのアルファベット』では、人類最初の女性はイヴではなくリリス。アダムと同じく土から造られ、アダムの最初の妻となっています。
人工知能、機械生命体になる アダムとイヴ
スクウェア・エニックスより発売されたアクションRPG『NieR:Automate ニーア オートマタ』では機械生命体として登場。未来の地球が舞台となり、人類が製造したアンドロイド兵士と異星人が製造した兵器「機械生命体」による戦いが繰り広げられます。
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「ダンボール戦機W」では男性と女性の思考をもった人工知能として登場しています。
アダムとイヴ まとめ
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アダムとイブの物語はギリシャ神話でいう「パンドラの箱」。迷える子羊となる人間の始まりの物語。その旧約聖書の基となる「ユダヤ教の聖書」は紀元前5〜4世紀ごろに作られたとされているようです。
当時女性と男性の違いがしっかりとあったのだな、っと感じます。
働くのは男性で、男性に支配されるのが女性。良いか悪いかの問題は別として。。