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黒い聖母とは、マグダラのマリア? イシス、ドルイド教の地母神?

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ヤスナ・グラの聖母

黒い聖母って、ご存知ですか?

なんとなく反キリストなようにイメージしますが、マグダラのマリア、あるいは、ケルト文化圏を中心に信仰されていた地母神と結びついたものともいわれます。

そんな黒い聖母のご紹介です。

決して邪悪なんかじゃない、色々に言い伝えられる黒い聖母の起源とは


黒い聖母

ローレットの聖母

黒い聖母(Black Madonna)、黒い聖処女(Black Virgin)とも呼ばれ、肌の色が黒い聖母の彫刻や絵画、イコンをいいます。

その起源については、幾つもの説があります。

まず、メージするのがマグダラのマリアを崇拝するキリスト教一派が信仰していたとされるというもの。

けれど、本来はキリスト教が布教される以前にオリエント(古代ローマから見て東方にある世界)一帯、主にはケルト文化圏で信仰されていた地母神がキリスト教と習合されたものと考えられます。

黒い聖母は約500体が存在することが知られていますが、そのうちの200体以上がフランスにあり、その大部分は本来の肌の色が黒(褐色)であると考えられます。

その多くが11世紀〜15世紀に製作されたもので、立像については木造り、画像は多くがビザンティンのイコン。

キリスト教の「黒」は死や闇を意味する邪悪なものをイメージし、黒い聖母が存在することが不思議に思われます。

けれど異教文化においての黒は、多くの場合、土着信仰に結びついた豊かな土壌を意味する色

キリスト教の布教にあたり、それまで信仰されていた母なる大地の女神と聖母マリアを結びつけていく必要があったと考えられます。

 

また、一説には聖母マリアは本来は小麦色の肌をしていたという伝承も残されています。

聖母マリアが小麦色の肌であったのを、清楚な印象を強調するために、後に、白いマリア像に変えられていっのではないかとも考えられます。

 

黒い聖母の起源

ラ・モレネータの聖母

黒い聖母の起源についてはいくつもの説があります

ケルト圏ドルイド教の聖母

キリスト教がガリアの地(今のフランス)で信仰されるようになるのは4世紀頃。

それ以前のケルト人はドルイド教を信仰していました

ドルイド教は、霊魂の不滅を信じ、生命や大地といった自然なる神を崇拝しています

黒い聖母像はドルイド教の自然崇拝が行われていた地域に存在します。

ドルイド教では、人里離れた人間が踏み込めない場所を聖地とし、黒い聖母もまた岩のくぼみや洞窟に安置されていました。

ケルト地域では、キリスト以前に信仰されていたドルイド教の地母神である黒い聖母が聖母マリアに結びついたと考えるのが、最も自然で一般的な説となっています。

 

マグダラのマリア

復活のイコン

 

黒いマリア像がマグダラのマリアであるとの伝承はこれまで長く語り継がれています。

イエスの磔刑には三人のマリアが立ち会ったと伝えられています。マグダラのマリア、小ヤコブとヨセの母マリア、マリア・サロメ(イエスの弟子)。

磔刑後、三人のマリアとその一行は、パレスチナから小舟に乗せられて追放されます。

一行は地中海を漂流し、南フランスのマルセイユにたどり着きます。

二人のマリアはそこで小舟を降りますが、マグダラのマリアはそのままサント・マリー・ド・ラ・メールまで漂流。そしてフランス南部の山塊サント・ボームに行き着きます。その後サント・ボームの洞窟で隠遁生活をおくり、その地でその後の一生を終えたと伝えられています。

このマグダラのマリアが、ケルト人やロマ(ジプシーの一族)の地母神信仰と結びつけられたと考えられます。

余談ですが、実はテンプル騎士団は、この黒いマリア像(マグダラのマリア)を崇拝していたと考えられ、この説については映画ダヴィンチ・コードでも語られています。

 

ジプシーの信仰する聖母

流浪の民であるジプシーのロマ(Roma)と呼ばれる一派は民族でいえばインド系、起源はインド北部です。ロマはヒンドゥー教の土着的な地母神を信仰していました。そしてヨーロッパで生活する中で彼らの地母神と聖母マリアが結びつき、黒いマリア像の信仰が生まれたと考えられます。

南フランスのサント・マリー・ド・ラ・メールはロマの巡礼地でもあり、そこには黒いマリア像がロマの民を迎えます。

 

そのロマの崇拝する黒いマリア像は、マグダラのマリアの召使のサラであると言い伝えられています。

キリストの磔刑を見守ったサラを含む三人のマリア一行は南フランスのマルセイユにたどり着きます。マグダラのマリアはサント・ボームまで行きましたが、ふたりのマリアとサラはこの地で布教し生涯を終えたという伝承が残されています。

 

地母神である聖母

出典:deviantart

ヨーロッパで信仰される地母神は、ギリシャのデーメーテール、エジプトのイシスなど。

女神が司る母なる大地への畏敬の念が聖母マリア信仰と習合し、黒いマリアとして信仰されたとも考えられています。

 

■デーメーテールと聖母

デーメーテールの名は本来ゲー・メーテール(母なる大地あるいは土)を意味します。

「ゲー」はガイアが変形したもの、大地、「メーテール」は古代ギリシャ語で母を意味します。

神話の中でも語られているように、デーメーテールは本来ギリシャの農耕民族に崇拝された大地と豊穣の女神です。

■イシスと聖母

イシスは本来ナイル・デルタ地方に起源する神で、豊かなナイルの土壌を表す豊穣の女神

デーメーテールやヘラとも同一視され「ホルスに乳を与えるイシス」像はエジプトにキリスト教が広まることで「幼いキリストと聖母マリア」像へと変わる、聖母像の元になった女神様としても伝えられています。

海賊になる、悪魔になる、現代の黒い聖母

出典:dx2megaten

真・女神転生のブラックマリアは妖精たちをヘブライ系悪魔(天使)から迫害されないよう、「マリア」と融合する形で仲間入りしたダーナ神族の母ダヌー女神が変じた姿

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ONEPIECE』のブラックマリアはカイドウ率いる百獣海賊団の真打ちの中でも、指折りの6人の実力者「飛び六胞」の1人。幹部として遊郭の管理・運営を担当しています。

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黒い聖母 まとめ

グアダルーペの聖母

あまり大声ではいえませんが、

考えてみれば、イエスも母のマリアもユダヤ人である以上、聖母が白人であるはずはないのですよね。

だとするなら、黒(褐色)い聖母こそ本来の姿で、キリスト教が布教され、白い肌の架空の聖母が創られたというのがホントのところのように思えます。。。。



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