今やアンデッドはホラー作品には欠かせない大スター。
考えてみれば、吸血鬼もゾンビもレイスもグールもみ〜んなアンデッドです。
そこでアンデッドの特徴や種類、対処法について再認識します。
目次
アンデッド、み〜〜んな UN(不)・DEAD(死)
アンデッド( Undead)はun(不) とdead(死)の組み合わせ、直訳して「不死」、肉体が死亡しても活動する、超自然的な存在の総称。Living Dead(生ける屍)とも言います。
「アンデッド」という名は、18世紀のアイルランドの小説家ブラム・ストーカーの作品『ドラキュラ』に "The Un-Dead" と称されたのが始まりといわれます。
アンデッドという存在が出現した背景には、実際にあった『早すぎた埋葬』があります。
医療技術が発達していなかった時代、土葬した後に可視状態であった死人が墓の中で息を吹き返していたというもの。棺桶の中でもがき苦しんだ痕が見つかり、それらの無念の死を遂げた死者の存在を恐れたことがアンデッドを作ったとも考えられています。
無念の死を遂げたために成仏する事ができなかった場合も含め、アンデッドになる理由は様々で、ネクロマンサーが呪術で人為的に作り出すものもあります。
** ネクロマンサー **
死者や霊を操る術(ネクロマンシー)を使う者のことを言います。
本来のネクロマンサーとは死者を操り、吉兆を読む占い師。
呼び出した霊魂に死体をあてがい、生命を与えて未来や過去を知ります。
近年のネクロマンサーは死霊魔術師、死体からゾンビやスケルトンを作り出す魔法使いであるとされます。
アンデッドの特徴
アンデッドの多くは太陽の光に弱く、夜間に活動したり、暗闇に現れたりする種族です。
その特徴はさまざまで、生者を襲い、犠牲者を仲間や従僕とするもの、生前の怨念に縛られたもの、ネクロマンサーに操られているものなどがいます。
また、特定のアイテム、鏡に映らなかったり、水を嫌ったり、罵声を浴びれば逃げる、聖水などの神聖なものを嫌うといった弱点があるものも多くいます。
** 対処法 **
多くのアンデッドは太陽光に弱く、夜に活動します。
- 基本的には夜と闇には近づかないようにします。
十字架や聖水など、聖なるものを嫌う種も多くいます。
- それらを身に付けるようにします
それぞれの種の特徴と弱点を把握する必要があります
- キョンシーならお札
- ゾンビは頭を潰す
- 吸血鬼は心臓に杭を打つ、銀の弾を心臓に打つ
- 操られている魂はネクロマンサーを倒す
- 怨念となったものはその恨みをはらす
- 死を自覚していない霊は成仏するように諭す
アンデッドに属する種類
大別すると
- 死体が蘇ったもの
- 霊体
- 怪物
以上の3種類に属しています。
死体
人間を含む生物の死体が蘇る、あるいは死体のまま動き出す、Living deadリビングデッド.「生ける屍」をいいます。
記憶や知性、感情以外、痛覚や触覚も失われています。ただ聴覚と視覚は残っているようですが。。。
痛覚がないために、急所を壊されない限り、敵となって襲い続けられます。原始的な本能を術者であるネクロマンサーによって呼び起こされ、術者の命令に従って行動するものも多く存在します。
** ゾンビ **
腐敗した死体がなんらかの原因で動き出した状態のもの。
もとはブードゥー教の「不思議な力を持つもの」が変化したものに由来します。
かつて、意図して作られ、動きが鈍く、知性や感情はないけれど、なぜか視覚と聴覚はあるようです。
** ワイト **
スカンジナビア伝承の悪霊に操られた歩く屍。
邪悪で、人を眠らせる効果のある声を発し、高い知能を持ち、取り憑いた悪霊の意志で動きます。
元々は「人間」を意味していたものが、妖精を含めた「山の住人」、「惨めな人間」を意味するようになってゆきます。
ワイトに捕まると殺され、同じワイトにされてしまいます。
『指輪物語』のワイトは「塚人」(バロー・ワイツ)と呼ばれ、触れた者を昏倒させる力を持つ、高貴な人の死体に取り憑いた悪霊。
** スケルトン **
出典:deviantart
ゾンビが骨だけの状態になったもの。人間のように動く骸骨。
元はギリシャ神話の「スパルトイ」に由来します。
邪法や怨念ではなく秘術や錬金術で生まれた存在。アルゴナウタイではヒュドラの歯を地面にばら撒かれ生まれています。
特に強敵というわけではありませんが、「バラバラにしても復活する」という能力を有します。
スケルトン詳細→
** キョンシー **
中国のゾンビ。死後硬直しているので、飛び跳ねるように動きます。
中国語で死体を意味する「尸」という漢字に、硬直するという意味を合わせた僵尸(jiangshi, ジアンシー)と書きます。
死んだ人を埋葬せず置いておくと、夜中に死後硬直のまま動き出すことがあるといわれ、それが「僵尸」。
キョンシー詳細→
** リッチ **
出典:deviantart
降霊術に長けた強力な魔法使いや権力に取り憑かれた王が永遠の命を得たもの。
黒い衣をまとい、高い知能を持ち、強力な魔術を使います。
アンデッドなので物理攻撃も効果がなく、弱い人間は見ただけで死んでしまいます。
神となることを目的とし、より強力なリッチは「デミリッチ」「デイモスリッチ」と呼ばれます。
誕生は19世紀のアメリカの小説家CAスミスの『魔術師の帝国』に登場する魔術師とされ、1932年ロバート・E・ハワード作品『蛮勇コナン』ではコナンに剣を授ける古代王として登場しています。
** マミー(ミイラ男) **
全身に包帯を巻かれ、乾燥保存された死体。マミーとはポルトガル語の mirra が英語 mummyになったもの、本来はミイラを意味しています。
エジプトの王家の墓の番人をイメージしますが、ミイラが怪物になったのはアメリカ映画の創作。
マミーの詳細は→
霊体
実体のないアンデッド。幽霊、亡霊、怨霊、浮遊霊、地縛霊などに属します。
実体がないため、物理攻撃は効果がなく、特別な武器や魔法によってしか傷つかないとされます。
記憶や知能を失い、本能で動く下級の亡霊から、高い知能や魔術を持ち、生者に取り付いて操る強力な霊体までが存在すると伝えられています。
** レイス **
肉体と魂が分離した生霊。魔術師が幽体離脱に失敗した姿であるともいわれます。
生前の姿で現れ、記憶もあり、霊体でありながら喋る事も、触れる事もできるのが特徴。
レイス詳細→
** ファントム **
地縛霊。幽霊屋敷などに縛られた幽霊をいいます。
『オペラ座の怪人』のファントムはオペラ歌手に恋をするオペラ座に住み着いた怪人。
** レギオン **
旧約聖書、マルコ福音書第五章、ルカ福音書第八章に登場する大量の悪霊。
個人としての意識はなく、ひとつの巨大な霊となった集合体。
本来は古代ローマ語で「軍団」を意味します。
聖書の中のレギオンは、墓場で男に取り憑いた無数の悪霊。
イエスは悪霊に男の体から出ていくよう要求。悪霊は神の子であるイエスに従い、イエスは二千頭の豚に憑依することを許します。
** スピリット **
出典:deviantart
本来のスピリットとは「霊的なもの」を意味しますが、モンスターとしてのスピリットは「太古の亡霊」。
長年の一族の怨みを晴らすためであったり、禁断の地を守るといった目的をもって現世に留まる亡霊。
アンデッドのなかでも最も強大な力を有します
怪物
出典:deviantart
特別な儀式や術、同種に噛まれたことで、生前を超える力を得て蘇った怪物。
生前以上の能力を有しているので、凶暴で危険な怪物。変身能力を持つものや再生能力に優れたものも存在します。
** ヴァンパイア(吸血鬼) **
血を吸収することで永遠の命を得ることのできる、最も有名なアンデッドの一種。
ヴァンパイアの名はハンガリー語で「死にきれない者」を意味します。
人間以上の高い知性を持ち、血を吸った人間を下僕として従えます。古代ギリシャ、バビロニア時代から世界中に存在する怪物です。
ヴァンパイア詳細→
** ダンピール (Dhampir) **
東欧・ロシアに伝えられる、吸血鬼と人間の混血。
吸血鬼の姿は人間には見ることができず、ダンピールだけがその姿を見ることができるため、唯一吸血鬼を倒すことができる者として扱われています。
大抵は生まれてもすぐに死んでしまいますが、成長した者は持って生まれた能力を活かし、吸血鬼ハンターとなります。
外見は地域によって様々ですが、下記のような特徴があるとも伝えられます。
- 歯・骨・爪がなく、悪臭のあるゼリー状の肉体
- 影がない
** グール **
アラブ伝承の「食屍鬼」。知性も雌雄もあるアンデッド。
ジン(精霊)の一種、もしくは死体にジンが取り憑いたものとして扱われています。
砂漠に住み、体の色や姿も自由に変えることができる悪魔、特にハイエナを装うのを好みます。
グール詳細→
** フランケンシュタイン **
出典:deviantart
唯一、人間の科学者ヴィクター・フランケンシュタインによって作られた人造人間。
19世紀のイギリスの小説家、メアリー・シェリーの『フランケンシュタイン、あるいは現代のプロメテウス』によって誕生しています。
フランケンシュタイン詳細→
** デュラハン **
首なしの馬に騎乗していたり、戦車を従えている、首なしの騎士。
本来は死を予兆する妖精の一種ですが、「首なし」という特徴からアンデッドにとして扱われていることも。
デュラハン詳細→
** バンシー **
死を予言する泣き虫妖精
デュラハンと同じく本来は妖精の一種ですが、出産で若くして死んだ女性の霊であるためにアンデットとしても扱われます
バンシー詳細→
アンデッド、怖かわゆい〜エグいまで、バリエーションは色々
海外ドラマ「Walking dead」は2010年から続く人気シリーズ。2021年にはシーズン11の放送も予定されています。
舞台はゾンビによる世界の終末を迎えた後の世界。人類のほとんどがゾンビと化し、荒廃した世界をたくましく生き抜く人間像を迫力の映像で描いています。
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「ドラクエシリーズ」に登場するゾンビ系モンシターは「リビングデッド」「くさったしたい」、「どくどくゾンビ」、「グール」など、離小島や洞窟などに生息する雑魚モンスター
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『仮面ライダー剣』に登場する53体のアンデッドは動植物の先祖で、一万年前に開催されたバトルファイトで自らの繁栄を賭けて戦い、人類の先祖であるヒューマンアンデッドが勝利。そして2年前の現代に再びバトルファイトが始まりました。
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アンデッド まとめ
出典:deviantart
個人的にはオカルト、ホラー大好き人間なんで、ウォーキングデッドもフェイバリット作品のひとつです。
けど、もし、あんな世界になってしまったら、つくづく自分はこんなに苦労してまで生き抜く根性はないと自覚します。