マビノギってオンラインゲームをまずイメージします。
その「マビノギ」とはアイルランドやイングランドなどのウェールズの神話を題材にした中世の書物のこと。
なぜ「マビノギ」ってタイトルになるのか、どんな物語で、ゲームとの関連についても探ります
目次
マビノギ(マビノギオン )とは
『マビノギオン』 (Mabinogion)とは中世のウェールズ語写本をもとに収集された書物。ウエールズの神話「マビノギ四枝」が主な物語。その他ウェールズ地方に伝わる神話や物語を纏め
その中にはアーサー王伝説成立に影響を与えたものも含まれている。
「マビノギオン」という表記は18世紀のWilliam Owen Pugheが初出
その後、イギリスの翻訳家シャーロット・ゲストによりマビノギ四枝を含む2散文集のタイトルとして世に広まります
マビノギ四枝
ダヴェド王子プイス
ダヴェドの王子プイスが黄泉の国の支配者アラウンの魔法で、互いの身体を入れ替えられることから物語は始まります。その後美しい乙女リアンノンと結婚、けれど生まれた子供を怪物に連れ去られてしまいます。子供は「金髪のグウィリ」と名ずけられ後に「プレデリ」と改めます
スィールの娘ブランウェン
ブリテンの王の妹ブランウェンと、アイルランド王マソルッフの結婚と仲たがいが戦争にまで発展してしまった物語。アイルランド軍が死者を復活させることができる魔法の大釜を使うことに気付いたブランウェンの異父兄弟であるエヴニシエンは、自らの命を犠牲にして、霊の中に隠れて大釜を破壊します。
スィールの子マナウィダン
プレデリはブランウェンの弟マナウィダンと故郷に帰還。プレデリはキグヴァと、マナウィダンはリアンノンと結婚。けれど、魔法の霧がダヴェドに立ちこめて、4人を覆います
マソヌウイの息子マース
マソヌウイの息子マースは北ウェールズのグウィネッズを支配していました。マースの甥ギルヴァエスウィはマーズの足を支える役にあった乙女ゴエウィンに恋をし、マースを騙してプレデリとの戦争に出向かせ、ゴエウィンを我が物としてしまいます。マースは事態の償いとしてゴエウィンと結婚し、ギルヴァエスウィは、罰として獣の姿に変えられてしまいます。
その他の物語
●アーサー王の物語の題材となったといわれているアルスルの宮廷の三つのロマンス
■ウリエンの息子オウァインの物語、あるいは泉の貴婦人
■エヴラウグの息子ペレドゥルの物語
■エルビンの息子ゲライントの物語
●カムリに伝わる四つの物語
■マクセン・ウレディクの夢
■スィッズとスェヴェリスの物語
■キルッフとオルウェン
■ロナブイの夢
マビノギオンとして11の物語で綴られています。
マビノギに登場する神々と英雄
- アリアンロッド ー 月の女神、ケルトの主神「ダヌ」の娘。
- プイス ー 「知恵・分別」の意味を持つウェールズの英雄
- リアンノン ー 金髪で美しい女神。忠実な白い牝馬に乗り死者の魂を地球から死後の世界へと導く月と馬の女神。
- マナウィダン ー 海神スィールの息子、ブリテン王ブランの兄弟で魔術師。
マビノギ(マビノギオン)、ゲームや漫画の世界で現代でも人気
「ほのぼのオンラインRPGマビノギ」はエルスと呼ばれる世界を舞台に、エリンでの肉体を得て生まれた「ミレシアン」と呼ばれる存在が転生を繰り返し成長してゆきます。
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「金色のマビノギオン」は金色の瞳を持つ少女・たまきが、修学旅行先のイギリスで出会ったのは…? 魂が共鳴するブリティシュファンタジー
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マビノギ(マビノギオン )まとめ
ケルト神話は比較的魔術や怪物とはあまりつながらないイメージのようにも思えますが、意外なほどに魔術や怪物、死者の蘇りなどの幻想的な世界感が驚きです。
なるほど、ハリーポッターやロードオブザリングが生まれた環境であったことに納得です。