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リアンノン、死者の魂を導くケルト神話「マビノギオン」の月の女神

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出典:deviantart

リアンノンはケルト神話マビノギオンに登場する月の女神。

美しい金色の髪をなびかせ、誰にも追いつくことのできない駿足の白馬に騎乗し、死者の魂を死後の世界へと導きます。

マビノギオンにおいてウェールズの英雄ブレスの妻となり、数奇な人生を辿ります。

「偉大なる女王」を意味する名の女神、リアンノンを待ち受ける運命とは。

 


 

女神リアンノン

リアンノン(Rhiannon)はマビノギオンに登場する「偉大なる女王」を意味する名を持つ月と馬の女神

人間とも妖精とも思える不思議な存在として描かれています。

にも追いつけない白い忠実な駿馬に騎乗し、決して一杯にならない魔法の袋をもち、死者の魂を死後の世界へと導きます

彼女の連れた小鳥たちは死者を目覚めさせ、生者を深い眠りに誘う忘却の歌を歌うといわれています

豊穣や多産を司り、魔術師としての資質も備えているといわれる神秘の女神

 

リアンノンとマビノギオン

ジョージ・シェリンガム作

マビノギオンの代表的な物語は『マビノギ四枝

  • 第一枝『ダヴェドの大公プイス』
  • 第二枝『スィールの娘ブランウェン』
  • 第三枝『スィールの息子マナウィダン』
  • 第四枝『マソヌウイの息子マース』

リアンノンはこの4つの物語に登場するプレデリ (Pryderi) の母。

第一枝ではプレデリの父大公プイスと結婚、プレデリを出産

第三枝ではブランウェンの弟マナウィダン (Manawydan) と再婚、プレデリと共に災難に立ち向かいます

 

『ダヴェドの大公プイス』

アルバート・ハーター作 『プリデリとリアノンの投獄』

ある日ダヴェドの大公プイスは自身の領地で美しき乙女リアンノン(Rhiannon)と出会います

リアンノンはブレスの前に突然のように現れます。リアンノンに興味を持ったブレスは彼女に近づこうとしますが、駿足の白馬で疾走するリアンノンに誰も追いつくことができません

そんなリアンノンに惹かれたブレス大公は3日をかけて彼女を呼び止め、そして交際。リアンノンと結婚の約束を交わします。

けれど婚礼の席に前の婚約者であったグワウル(Gwawl)が現れ、彼の策略によって花嫁は奪われてしまいます

1年後ブレスは決して満たされない魔法の袋にグワウルを閉じこめ、リアンノンを奪い返し、無事結婚ることができました。

 

3年後リアンノンはブレスの子供を出産

けれど子供は何者かに奪われしまいます。

を逃れたい侍女たちの虚偽によってその時眠っていたリアンノンは子供を殺し、食べてしまった犯人にされてしまいます。

その子はその後ブレスの元家臣グウェント・イス・コエト(Gwent Is Coed)の領主であるテイルノン(Teyrnon)によって発見され、自分たちの息子として育てられ金髪のグウリ(Gwri Wallt Euryn)と命名されます。

金髪のグウリはその後プイスとリアンノンに再会し、「心配(anxiety)」を意味するプレデリ(Pryderi)と改名することになります

 

『スィールの子マナウィダン』

第二枝のアイルランドとの戦いで生き残ったアンノンの息子プレデリとマナウィダンは故郷のダヴェドに帰還

息子プレデリはキグヴァ(Cigfa)とマナウィダンはリアンノンと結婚します

けれどその時、ダヴェドを魔法の霧が覆い、4人を供の者から引き離してしまいます

4人はダヴェドを彷徨い、狩をして過ごします。狩りの最中白い蛇が現れ、プレデリとマナウィダンを怪しげな城へ導きます

プレデリはマナウィダンが止めるのも聞かず城の中へと入ってゆきそのまま戻りません

戻らないふたりを心配したリアンノンが探しにゆくと、口が利けなくなったプレデリが大杯にしがみついています。

そしてリアンノンにも白蛇が現れ城の中に導き入れ、そして城そのものまで消えてしまいます

 

残されたマナウィダンとキグヴァは食料を確保するために3つの畑に小麦の種をまき、収穫を待ちます。

けれど最初の畑が収穫前にネズミの群れに荒らされてしまい、次の夜には2番目の畑も荒らされてしまいます。

ナウィダンは最後の畑でネズミの群れの一匹を捕まえることに成功し、次の日処刑することに決めます

すると学者と司祭と司教が立て続けに現れて、礼はするからネズミをなんとか逃がしてやって欲しいと願い出ます

マナウィダンはその条件としてプレデリとリアンノンの解放と、ダヴェドにかけられた魔法を解くことを要求、司教はこれに同意します

司教は「ネズミは実は自分の妻で、これまでのことは友人のグワウルへの侮辱に対する復讐」だったことを告白します

 



 

リアンノン 、現代でも絶対不変の美少女

剣と幻想のアカデミアはタワーディフェンス型シュミレーションゲーム。リアンノンは可憐な見た目に反した超攻撃型リーダーユニットとして登場しています。

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ティアーズ・トゥ・ティアラでのリアンノンはゲール族の前族長の娘で、失われた古代王国の末裔。生まれ持った予言の力で宣託の巫女と呼ばれています。

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リアンノン まとめ

出典:deviantart

ケルト神話マビノギオンとは、ギリシャ神話に比較して神がより人間に近い存在のように感じます。

リアンノンも侍女に裏切られ我が子を食い殺す罪人に仕立てられるなど、少し情けないようにも思います。

 

神々はやはり、良くも悪くも桁違いに大胆であった方が神らしいという気がするのですが。。。

 

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