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ケルト神話・伝説 怪獣・魔物・妖精

ブラウニー、居ついてほしくなるケルト伝承の「お手伝い妖精」

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アーサーラッカム作

ブラウニーはドラクエのスタート期に現れる雑魚キャラ。

仲間になれば最初の頃なら結構頼りになる可愛いキャラのイメージです。

実は実際のブラウニーもお手伝い妖精といわれる人間には身近な存在。

今回はそんなブラウニーのご紹介です。

 


 

お手伝い妖精ブラウニー

オスカー・ヘルフルト作

ブラウニー( Brownie)はスコットランドや北部イングランドの民間伝承に見られる「お手伝い妖精」

人家に住みつき、夜、人気のないときに家畜の世話をしたり、家事仕事を手伝います

性格は温厚。

広義ではゴブリン一種です

部屋を散らかすようなイタズラをしますが、ゴブリンのような邪気はありません。

けれど、怒るとボガートになってしまうとも言い伝えられています。

 

ケルト地方では、家庭の中にはひとりは住みついていると信じられている妖精です

 

地域や国によって違うブラウニーの呼び名

ジェニー・ニストロム作

ブラウニーは地域によって様々な呼び名で親しまれています

ブルーニー、ブルナイド、グルアガッハ、ウリスク、ブリュナイ、ウルイスグなど。

これはブラウニーという名前は元はイギリスの方言として生まれ、その後イギリスとアイルランド全体でお手伝い妖精を指す総称となったため。

 

この「お手伝い妖精」はスカンジナビアではトムテ (スウェーデン) またはニッセ (ノルウェー)、スラブのドモヴォイ、ドイツではコボルドにあたります。

 

ブラウニーの起源

ブラウニーは家庭の守護霊、亡くなった祖先の霊と考えられていました。

死者との結びつきが強く、伝承に中にはかつてこの家で働いていた亡くなった使用人の幽霊としても登場しています。

かつて亡くなった祖先は囲炉裏端で敬われ、後にブラウニーへの供物が置かれる場所となりました

 

ブラウニーは古代ローマの囲炉裏・実りの守護者ラレスに似ていると伝えられます。

その違いは、ラレスはその家に永遠に居着くことになりますが、ブラウニーはその家を離れることもあるという点。

 

ブラウニーの接し方

ジョージ・クルックシャンク作

ケルト地方では20世紀初頭までお手伝い妖精の存在が信じられており、家には「Seòmar Bhrùnaidh」(ブラウニーの部屋)と呼ばれる空室と、暖炉の近くにブラウニーのための空席がありました

 

そしてブラウニーへのお手伝いの報酬に、クリームひと鉢や、パンやケーキ、カップ一杯のミルクを部屋の片隅に置いておきます

ブラウニーは食べ物の中でも、おかゆとはちみつが特に好物であるとか。

もし忘れるようなことがあれば、アザができるほど強くつねられたり、家の中を徹底的に散らかされてしまいます

 

けれど決して、新しい服を贈ったり、洗礼を施そうとしてはいけません

ブラウニーは永遠にその家を去ってしまいます

これがブライドを傷つけられ気分を害したためなのか、そのプレゼントを貰ったために、解放され、妖精界に帰ってしまうためなのかは不明であるということ。

 

ブラウニーの仕事ぶり

かつて、一家にとってブラウニーは幸運をもたらす存在、失うことは大きな損失でした。

ブラウニーは勤勉で、夜に農作業や家事仕事を済ませてしまいます

鶏の卵を守り、穀物の刈り取り、台所の片付け、雑草刈り、羊や馬の世話、家畜の餌やり、小麦の脱穀、牛の乳搾り、など。

 

ブラウニーは動物と関わるのが好きで、その家の家畜の世話も厭いません。

コーンウォール地方でのブラウニーはミツバチの守護霊であると言い伝えられています。

ブラウニーがいるとミツバチがはやく、たくさん住み着くといいます。

初夏、農場では、ブラウニーに蜂たちを巣箱に集める手伝いをしてもらいます。

また、蜂や虫の被害にあった時、ブラウニーの名を呼べば、ブラウニーが追い払ってくれるという言い伝えも残っています。

 

ブラウニーの容姿と能力

エドモンド・ヘンリー・ガレット作

茶色い毛むくじゃら、裸、茶色のぼろ服を着てる、鼻がなく鼻孔だけ2つある、手に水かきがある、親指以外の指がくっついているなどなど、ブラウニーは地域によってさまざまに伝えられています

一般的には髪は無造作に伸び、裸か茶色いボロ服をまとっています

茶色い服装でいるところがブラウニーの名前の由来になっています。

なぜ茶色なのかについては、ブラウニー自身が好む色であるから、または全身が茶色い体毛で覆われているからという説があります。

9世紀後半、アイルランドの民俗学者トーマス・キートリーはブラウニーを「小柄で、しわの寄った顔、短い茶色の巻き毛で覆われ、茶色のマントとフードをかぶっている」と描写。

 

古い民話では、ブラウニーは人間ほどの大きさで、黒く茶色がかった肌の醜い生き物として描かれています。

それが次第に子供よりも小さく、しわが寄って醜く、透明になることができ、他の動物に姿を変えて現れることもある妖精として言い伝えられるようになりました

また、鼻の代わりに穴だけがあり、手に指がないことが時々報告されています。

 

ブラウニーの性格

テオドール・キッテルセン作

ブラウニーはとても内気な性格です。

人前に出るのを嫌い、彼らを見ることが許されるのは子供か正直者だけ

それ以外の人が覗き見ようとしても物陰に隠れてしまいます。

 

ブラウニーは自分の仕事に口出しされたり、手出しされるのを嫌います

構い過ぎるようなことがあると家を離れ、ニ度と戻ってこなくなります。

「きれいになってない」などの言葉は厳禁

 

怠け者の使用人や職人を罰する頼もしい妖精でもあります。

寝ている間につねったり、周りの物を壊したり、部屋をめちゃめちゃに散らかしたりもします。

 

人にも憑く? ブラウニー

アーサー・ラッカム作

ブラウニーは家や土地に居つく妖精ですが、気に入れば人間に取り憑くこともあるのです。

あるところにブラウニーのイタズラに我慢しきれず、引っ越しを決意した人がいました。

荷物を全て片づけて、静かになった家でブラウニーの名前を試しに読んでみました。

すると荷物の束の中から返答が返ってきます。その人は結局引っ越すことも諦めました。

 

ちなみにブラウニーは取り憑いた人が亡くなると多くの場合妖精の国に帰りますが、稀にボギーやボガート(悪い妖精)になってしまうこともあるようです。

 


 

ブラウニーはやっぱドラクエ?

出典:sechs.seesaa.

ブラウニーでイメージするのはやっぱり「ドラクエ」。大きな木づちが武器の可愛いモンスターは国民的な人気キャラのひとつですよね。

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ホリー・ブラックのファンタジー小説が原作の2008年制作映画『スパイダーウィック家の謎』。この中でのブラウニーは怒るとボカートに変身する、ハチミツが大好きな妖精。

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ブラウニーはホブゴブリンやレプラコーンと共に「ハリーポッターシリーズ」に登場するトビーやウィンキーなど「屋敷しもべ妖精」のモチーフとなっています。

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サンリオとセガトイズが共同開発した「ジュエルペット」では、ブラウンクォーツの瞳をもった、ハリネズミの男の子です。

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ブラウニー まとめ

ブラウニーは日本でいう「座敷童子」のようなもの。お手伝いもしてくれるし、居なくなっても家がすたれないならウエルカムです。むしろ妖精のひとりやふたり、居てほしいと思います。

たとえ姿が見えなくても、存在を感じられるならそれだけで癒されるように思います。

 



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