太陽神ルーはケルト神話、ダーナ神族の英雄。魔法の槍ブリューナクを操ることで「長腕のルー」という異名を持つ王。
その太陽神ルーに注目です。
ルーやブリューナクの名もゲームの世界では聴き慣れているというものの、どんな武勇伝があるのかはイマイチよくわからない。
そこで、万能の神、太陽神といわれたルーの生涯を考察します。
目次
太陽神ルー、またの名は長腕のルー、宿命に翻弄される万能神
ルー(Lugh)またはルグ(Lug)は ケルト神話の太陽神あるいは光の神。その名前は「輝くもの」を意味します。
戦場において、その顔が太陽のように輝き、進軍する様がまさに太陽が登ったようであるところからその名が付いたと伝えられています。
長腕のルーの異名を持つトゥアハ・デ・ダナーン(ダーナ神族)の一柱。
魔法の槍ブリューナクをまるで自分の腕であるかのように使いこなし、数々の勝利をおさめています。
勇敢な戦士でありながら、医術、発明、工芸、音楽、魔術、あらゆる技能に優れた万能の神。
父親はダーナ神族のキアン。医術の神ディアン・ケヒトの孫であり、母親は敵族フォモールの邪眼バロールの娘エスリン(またはエスニエ)。英雄クー・フーリンの父でもあります。
アイルランド神話では最も信仰される神の一柱。
「バロールを倒す」という予言のため、祖父バロールに海に捨てられ、海の神マナーン・マクリルによって育てられます。
そして、マグ・トゥレドの第2の戦いにおいてダーナ神族を率いて闘い、魔眼のバロールの単眼を投石器でつぶしてバロールを倒し、トゥアタ・デ・ダナーン(ダナーン神族)を勝利に導き、ヌアザの後継者として王位に就きます。
ルーの出生
出典:deviantart
ルーの出生は決して幸せなものではありません。
父はダーナ神族、母はフォルモール族。アイルランドの覇権を争うダーナ神族と魔族フォルモールとの血を引いているのです。
そして母方の祖父は相手を見詰めるだけで殺してしまう一つ目の怪物バロールです。
バロールは、「いつか自らの孫に殺される」という予言を受け、娘のエスリンを水晶でできた塔に閉じ込めて、娘が妊娠するのを防ごうとします。
けれど、バロールに奪われた豊穣の牝牛グラス・ガヴナンをとり返しに来たダーナ神族の神キアンがドルイド僧の助けを得て、塔に侵入。ふたりは出会い、その後エスリンはルー(ルフ)を出産。
バロールは生まれて間もないルーを海に投げ捨てます。
常若の国ティル・ナ・ノーグの王、海神マナナン・マク・リールに助けられ、マナナンやフィル・ボルグ族の王妃タルティウらに育てられます。
邪眼のバロール討伐
出典:deviantart
ダーナ神族がまだフォモール族の支配下にあった頃、ルーはアイルランドに現れます。
厳しい税を取り立てるフォーモール族を倒し、ルーはヌアザの宮殿に迎え入れられます。
そこで、武術以外にも芸術や魔術、医術、その他にも優れていることを証明し、万能を意味する「サウィルダーナハ」(100芸に通じる)と呼ばれるようになります。
ヌアザ神はマグトゥイレドの戦闘で腕を失い、完全ではなくなったため王権を放棄。
ルーはヌアザから王権を譲られ、ダーナ神族を率いて第二次マグトゥイレドの戦いに挑みます。
バロールは魔眼で目にした者を死に至らしめる恐ろしい能力を有します。
それに対し、投擲武器に卓越したルーは魔剣である十字剣フラガラッハを使いこなし、その魔眼が開ききる前に武器を放って瞳を貫いてバロールを討伐、予言は成就されました。
ルーの出生とバロール討伐についてはいくつかの説が伝えられています。
一説には
バロールのもとから豊穣の牝牛グラス・ガヴナンを奪い返しに行ったキアンと、バロールの娘とのあいだにルーが誕生。
ドルドナと名付けられ、海神マナナーン・マクリルに育てられます。
そして、ある日浜辺から、船隊で通り過ぎるバロールにダート(投げ矢)を投げつけ、バロールは死亡。
他説では、
マック・キニーリー(キアン)は、妖精バンシーの助けで、バロールの娘が幽閉される獄塔に忍び込み、ふたりは結ばれます。マック・キニーリー(キアン)はバロールに殺され、生まれたルーは父の兄弟、鍛冶師ガヴィダによって育てられます。
ある日、鍛冶場で槍を注文するバロールから自分の父親を殺した自慢話を聞かされ、赤熱した鉄棒を邪眼に突き、死亡させます。
ダーナ神族に勝利をもたらした後、ルーは長く王として君臨。その後ダグザへと王権を譲ります。
ダーナ神族がミレー族に敗れると、ルーはダグザから妖精の塚を与えられています。
現代でも8月1日は魔女のサバト(祝祭)ルーナサーの日。長腕のルーに捧げられた祝祭でもあります。
ルーの秘宝
ルーは多くの秘宝を所有していたと伝えられています
父親のキアンは、トゥレンの子らに殺され、ルーはその賠償として魔法の槍や犬などの数々の財宝を与えられます。
その他にも、マナナン・マク・リルから貰ったフラガラッハや、陸海を駆ける馬アンヴァル、魔法の船舶《静波号》なども所有していました。
四秘宝のルーの槍
四秘宝の一つに数えられる不敗の槍。
日本では「ブリューナク」という名で有名ですが、実はこの名称は日本でのみ与えられたもの。
アッサルの槍
ゲイ・アッサル、ガエ・アッサルとも呼ばれる槍。
「イヴァル」という呪文を唱えて投げればけっして逸れず命中し、逆呪文「アスィヴァル」でたちどころ戻ってくる必殺必中の槍。
アーラーワル(アラドヴァル)
槍名が「屠殺者」「殺戮者」の意味を持つ、ペルシアの王ピサルが所有していた槍。
穂先が熱を持ち、水をはった大釜に漬けておかないとひとつの都市でさえ焼き尽くしてしまうとされる槍。
スリング石
マグ・トゥレドの戦いでルーの投石器から放たれた石。
ルーは投石器の石を放ってバロールの邪眼を射抜いたと伝えられています。
フラガラッハの剣
「回答者」「報復者」という意味を持つ剣。その一撃はどんな鎖も切り裂くことができ、抜こうと思うだけで鞘から抜ける。敵に投げれば、剣自らが敵を倒し、ルーの手元に戻ってくる。
この剣によってつけられた傷は治癒できないと伝えられています。
愛馬アンヴァル
海陸両方を駆けることができる馬。
「静波号」
行き先を言葉で命じれば、そこまで自動で航行してくれる魔法の船
太陽神ルー、ゲームの世界では美少女になることも多いよう
ゲームの世界でのルーは『機動戦士ガンダムZZのヒロインルー・ルカ
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「神撃のバハムートや「パズドラ」にも登場する人気キャラのひとり。
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「神姫プロジェクト」では空間にすら干渉出来るという槍、ガエアッサルを持つ光アタッカー。異世界に閉じ込められた仲間を救う為、槍の破片を探しています。
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太陽神ルー まとめ
出典:deviantart
今に蘇った太陽神ルーは、以外にもかわいい系戦闘キャラでいることも多いよう。いかにもイカツすぎるよりは親しみが持てて楽しいかも。