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アアル(セヘト・イアル)、オシリスが治めるエジプトの楽園

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デイル・アル=マディーナ出土 アアル

世界には楽園と呼ばれる地が存在します。 

ケルト神話にはアヴァロン、ギリシャ神話ならエリュシオン、中国なら桃源郷、チベットならシャンバラ。 

そして、エジプトにはアアルという楽園が語り継がれています。 

 

アアルは死した魂が神と共に暮らし、再び蘇る、オシリスが支配する地。 

『死者の書』はこのアアルに辿り着くためのハウツー本。 

その中にはアアルに辿り着くために必要な多くの呪文が記されています。 

 

魂が辿る苦難の旅路、そして辿り着く楽園アアル。 

なるほどと思える、エジプトの死と再生、そしてアアルという楽園、その概念を探ります。 


 

アアル(セヘト・イアル)死者の魂が蘇る理想郷 

心臓の秤の全景。トート神は秤の右側に、アムミット神は台座の上。

アアル(セヘト・イアル)とは 

アアル(Aaru)あるいはセヘト・イアル( Sekhet-Aaru )は古代エジプト神話で語られる、冥界にある楽園 

 

古代のエジプト人は、死した魂は『死者の審判』で善か悪かの判断を受け、善良な魂は地下にある冥界(ドゥアト)を経て、楽園アアルにたどり着き、永久の時を経て蘇るのだと信じていました。 

そこはオシリスが支配する地。 

その名は葦原を意味します。 

 

エジプトの理想郷 

「デイル・アル=マディーナ」にあるアール

アアルは、太陽が昇る東にあるとされる楽園。 

たどり着いた魂が永遠に生きる地とされます。 

 

そこは果てしない葦原が広がる、あるいは葦原に覆われた島々が連なる、神々と人々が共に暮らす地 

オシリスが住む恵みの野、「イアルの野」「平和の野原」と言われ、オシリスはその地の「供物の野」に住み、この地を支配します。 

水路が引かれ、人々は両親と再会し、狩猟と農耕、漁業で豊かに暮らせる理想郷 

ただし、生活のための労働は必要とされるため、埋葬の際の副葬品には死後の世界の労働を代行するウシャブティと呼ばれる人型の小像も伴われました 

 

死と再生 

エジプトには、

  • 冥界
  • 永遠の生命
  • 魂の再生

という3つの来世があるとされます。 

エジプト人にとっての死は、あの世で蘇る通過点と考えられていました。 

人々はオシリスと同じように死後に蘇り、「イアルの野」と呼ばれる楽園で暮らすことを望みました。 

 

死した者の墓にはドゥアト(冥界)につながる入り口があるとされます。 

王と民の向かう冥界は異なり、王はラーの治める「セケト・アラウ」に向かいます 

民が向かう冥界はオシリスが治めるセヘト・イアル(アアル) 「平和の野原」。 

そこに通じる道には幾つもの難関があり、魂はそれらの難所を経て冥界に入ります 

そこでオシリスの審判を受け、善良な魂と判定された魂のみがセヘト・イアル(アアル) に迎え入れられ、来世が与えられます 

 

死した魂がアアルに辿り着くまで 

「第一の死」後、マアトの「真実の羽根」と死者の心臓を天秤に掛けている

死した魂がアアルに到達するにはさまざまな難関を乗り越えなければなりません。 

の過程とそれを乗り越えるための呪文が『死者の書』に記されています 

『死者の書』とは魂がアアルにたどり着き、復活するための指南書 

棺には副葬品のひとつとして、パピルス(エジプトの文書を記すための媒体)に書かれた『死者の書』が添えられます 

 

死者は、まず動物の頭部を持つ人型、あるいは獣の組み合わせでできた超自然的な生き物たちが守る数々の難関、洞窟や塚を越えなければなりません 

 

そして、オシリスとネフティスの子で天秤の守護神・アヌビスが死者をオシリスのもとへ導き、オシリスが主宰となって『死者の審判』が行われます 

そこには真理と正義を司る女神・マアトとその配下で補佐官を務める42柱の神々、書記を務める審判の神・トート、死者の魂を喰らう獣・アムミットが立ち合います 

 

そこで死者は42柱の神々を前に生前の42の罪を否定する宣言『否定告白』を行います 

その後、マアトが、巨大な天秤の一方に死者の心臓(バー)、他の一方にマアトの「真実の羽根」をのせ、「心臓の秤」が行われます 

古代エジプト人は、人の魂は心臓に宿り、生前の悪事は心臓に染み出ると考えました。 

そのため、告白に嘘があると天秤は心臓の方に傾きます 

心臓に傾いた悪しき魂は、アメミットに心臓を食べられて魂が消滅し、アアルに向かうことはできません 

ちなみに「死者の書」には生前に罪を犯していても天秤が釣り合う呪文が記載されているので、呪文を唱えることで死後の世界に迎えられることができるとされています。 

 

心臓が釣り合いがとれた善なる魂は、アアルに至る危険な旅に出ることが許されます 

アアルにたどり着いた魂はまた15とも21ともされる、神々と悪魔が守る関門を通らなければなりません 

長い旅路を辿り、幾多の危険に遭遇した後、これらの最後の門をくぐり抜けると、魂はついに葦原の草原へ辿り着くことができるとされます。 

 

 

アアル (セヘト・イアル) 、現代でも理想郷(?) 

ソーシャルゲーム、オープンワールドRPG原神のアアルはスメール、大赤砂海、下風蝕地にあるサブエリア「アアル村」。砂漠地帯最大の集落です。 

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人気ゲーム『モンスターストライク』のアアルはニの頭にラクダの体を持った理想郷。 

「放縦なる審判を下す原野の巨獣」 

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アアル(セヘト・イアル) まとめ 

アニのパピルスに描かれた「葦原」 大英博物館

わたしは、これまで死後をしっかり考えたこともなく、漠然と死した魂は天にめされるとイメージしていました。 

 

けれど、エジプトの死と再生は、死後も苦難の旅を続けなければならないようで。。。。 

楽園にたどり着くのも、生まれ変わるのも大変そうで、私のような軟弱者には達成できるとは思えないっす(T . T)(>人<;) 

 

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