ガネーシャはヒンドゥー教の象の神様。
インドでは最も親しまれ、崇拝される神様です。
そのガネーシャの人気の由縁を探ります。
ガネーシャって、信仰したくなる、ほんとうに夢を叶えてくれる神様?
目次
ガネーシャ神とは
ガネーシャ(गणेश, gaṇeśa)は、ヒンドゥー教の神の一柱。
インドでは、その像やポスターを頻繁に目にする、最も崇拝される神さまです。
ガネーシャの名はサンスクリットで「群衆(ガナ)の主(イーシャ)」を意味します。
その他、
- 「ガナパティ(Gaṇapati、智慧と知識の指導者)「ガ」は智慧(ブッディ)、「ナ」は知識(ヴィジュニャーナ)「パティ」は指導者・師匠あるいは王。
- ヴィグネーシュヴァラ(Vighneśvara、障害除去)「障害(ヴィグナ)を除去する者」
- ヴィナーヤカ(Vināyaka、無上)「自分以上の師匠を持たない」
などの神名を持ちます。
ガネーシャ神の容姿
ガネーシャは太鼓腹の人間の身体に 象の頭、片方の折れた牙、4本の腕を持つ神。
ガネーシャの像の中には、斧と投げ縄、「アンクーシャ」という杖を持っているものもあります。このアンクーシャは象を御すための引掛け棒。
騎獣は「ムシカ」と言う名のねずみ。他の相をとる際には獅子、馬、孔雀、蛇、ジャイナ教では鼠、象、亀、羊、孔雀が騎獣とされます。
ガネーシャ、障害を取り除き、あらゆる願いを叶える万能の神
ガネーシャ神は、「富の神様」として民の信仰を集め、インドの店先には必ずといってよいほどガネーシャ像が置かれています。
そのガネーシャは商売繁盛、幸運をもたらす、事業開始と商業の神。
あらゆる障害を取り除き、成功に導く、除災厄除、財運向上、繁栄へとつなげます。
智慧、学問、文化や芸術を司り、病苦からの解放をもたらす医術の神。
あらゆる知識に精通し、全ての事々に幸運をもたらす自在神、万能の神であるとされています。
自我の葛藤によって生じる苦しみから魂を解放し、様々な障害を取り除き、未来への可能性への手助けをしてくれる神。
あらゆる物事を始める際、まず最初に祈りを捧げる神であるとされます。
インドでは慶事があるときには、ガネーシャ神の絵が印刷されたカードが送られます。
ガネーシャの誕生
ガネーシャは破壊神シヴァと神妃パールヴァティーとの間に生まれました。
弟はインドラに替わって新たな神軍の最高指揮官となる軍神スカンダ( स्कन्द、Skanda)。
他に、左半身がヴィシュヌ(ヴィシュヌを意味するハリ)、右半身がシヴァ(シヴァを意味するハラ)ハリハラ、別名アイヤッパンという兄弟がいます。
配偶神はブッディ(智慧)、シッディ(能力)の2柱、あるいはリッディ(幸運)を加えた3柱。
象の頭、ガネーシャの誕生
破壊神シヴァの妃パールヴァティーは自身の体の垢(あか)で男の像を作り、それに命を吹き込みます。そうして生まれたのがガネーシャ神です。
パールヴァティーはガネーシャに沐浴の見張をさせます。
そこへシヴァが帰宅。双方が見知らぬ者であることで、ガネーシャはシヴァの入室を拒み、シヴァは見知らぬ者が自宅に上がりこんでいることを怒り、その場でガネーシャの首をはねて、遠くへ放り投げてしまいます。
それを知ったパールヴァティーは怒り、自分が首をはねたのが我が子であったことを知ったシヴァはガネーシャの頭を探しに旅に出ます。
けれどついに首は見つけることができず、最初に出会った片方の牙が折れた象の首をはねて持ち帰り、胴体とつなげガネーシャ神とします。
■他の説では
パールヴァティーとシヴァは世界を維持する最高神ヴィシュヌに祈りを捧げ、ガネーシャを得ます。
そこで、他の神々がそれを祝いに訪れます。その内の一人、財産の護り神であるシャニは見た物を破壊する呪いをかけられていた為、常に下を向いて、生まれた子供を見れずにいました。
けれど、パールヴァティーは遠慮せずに息子を見るよう勧め、そのためにガネーシャの頭は破壊されてしまいます。
ヴィシュヌは悲しむパールヴァティーの為に神鳥ガルダに乗って川で寝ている象を見つけ、その首を持ち帰り、ガネーシャの頭としています。
■片方の折れた牙の由来
ガネーシャの牙が片方だけ折れている理由については上記以外、いくつかの説があります。
主なものは
- シヴァの怒りを受けとめるためにわざと折らせた
- 籠で運ばれているとき、落ちて折ってしまった
など
歓喜天
出典:Wikipedia
ヒンドゥー教の神ガネーシャが大乗仏教に取り入れられると、「大聖歓喜大自在天」、略して「歓喜天(かんぎてん)」「聖天(しょうでん、しょうてん)」。その他、象鼻天(ぞうびてん)、天尊(てんそん)、毘那夜迦(びなやか)、誐那缽底(がなぱてい)とも呼ばれます
両親はインド神話と同じ神である自在天(シヴァ)と烏摩妃(パールヴァティ)。
ヒンドゥー教のガネーシャ神とは一変し、歓喜天は天部の中で強烈な力を持つ1尊。
荒ぶる鬼神としての性格が色濃く、祀り方を怠れば信徒であっても大きな災いを降し、悪疫を広め、暴虐尽くし、人間の生贄を好む魔神・悪神であったとされます。
人々は観世音菩薩に救いを求め、菩薩はそれに応え、十一面観音として降臨。
象頭の女に化身し、抱擁し合う事で荒ぶる神を鎮めます。以後、歓喜天は仏教に帰依して護法善神となります。
ちなみに、抱き合っている二尊の、相手側の足を踏んで押さえつけているほうが十一面観音。
ファミリアを持つ、仲魔になる、現代のガネーシャ
「女神転生」シリーズのガネーシャは妖魔や魔神種族の仲魔。『真・女神転生Ⅱ』以降は片牙が折れた姿で登場しています。
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「ダンまち」のガネーシャは【群衆の主】と呼ばれ、民衆にも人気が高い「ガネーシャ・ファミリア」の主神。ファミリアはモンスターの調教師(テイマー)を多数抱える大派閥です。
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「百神」のガネーシャはシヴァとパールヴァティーの子供で富の神。独特の感性をもつ変わり者。
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ガネーシャ まとめ
富と豊穣と幸運と美貌が手に入るラクシュミーもすごかったけれど、全ての障害を取り除き、富と感性と知識が手に入るガネーシャ神もすごい、っす。
ラクシュミーには貧乏神のアラクシュミーがセットになってプラマイゼロみたいなイメージがある分、これは、もう、ぜったいガネーシャ神。
写真、どこかに貼ろうかなぁ〜