ダビデ、旧約聖書に登場するイスラエルの偉大なる王です。
ミケランジェロの作品や、少年でありながら巨人兵ゴリアテを石投げだけで倒したことでも有名。
神に愛される、ソロモンの父。
その壮絶な生涯をたどります。ダビデ王の光と影、ご覧ください。
目次
ダビデ、神に愛された偉大なるイスラエルの王 その光と影
ダビデ(David)は旧約聖書の『サムエル記』および『列王記』に登場する実在したイスラエルの王。
イスラム教においても預言者、カトリックや正教徒においては聖人のひとりでもあります。
貧しい羊飼いの子として生まれ、初代イスラエル王サウルに仕えます。前王が戦死した後に即位。エルサレムに都を築き、全イスラエルを統治した偉大なる王として君臨しました。
ダビデ、誕生から即位まで
ダビデはベツレヘムの長老エッサイの八男として生まれます。12の部族に分かれていたイスラエルの民は強い統率者を求め、予言者サムエルは前王サウルをイスラエルの王としました。
けれどサウルはアマレク人との戦いで神の御心に背き、神の寵を失います。
そのため予言者サムエルは神の告知に従ってエッサイを訪ね、目の綺麗な、姿の美しい少年ダビデに出会います。
神から「立ってこれに油を注げ。これがその人である。」との声を聞き、ダビデに祝福の儀式「油注ぎ」を授けます。
神の寵愛を失ったサウル王は悪霊に苛まれるようになり、家臣の進言で竪琴の名手であったダビデがサウル王に仕えることとなります。
竪琴を奏でることでサウルに奉仕するダビデは王の信頼を得、サウル王の子である王子ヨナタンとも親しくなり、短期間で武将としても成長。民衆の信望も厚く、女性からも慕われる人物となり、サウル王の娘王女ミカルを娶ります。
けれど、全てに秀でたダビデをサウル王は疎ましく思うようになります。
王は遂には家臣にダビデ討伐の勅命を下し、ダビデは王子ヨナタンからの忠告を受けて逃亡、他国の王の庇護を受けることになります。
そしてイスラエル各地で兵を起こし、勢力を広げ、人望を集めてゆきます。
その後、サウル王はペリシテの軍勢に敗れ、ギルボア山においてヨナタンを含む息子たちは戦死、サウル王は自害します。
サウルとヨナタンの死を聞いたダビデは衣を引き裂いてこれを嘆いたと伝えられています。
ダビデは神の託宣を受けてユダのヘブロンへ赴きユダの王となります。
ダビデは、サウルの息子イシュ・ボシェト率いるイスラエル軍と幾度かの戦いを繰り返し、その間イシュ・ボシェトは家臣に殺害され、その首がダビデの元に届きます。
ダビデはイシュ・ボシェトを殺害した2人を処刑。全イスラエルの王となり、エルサレムを主都とします。
イスラエルの王となるダビデ
この戦いによってダビデはイスラエル全土の王となりイスラエル王国を樹立します。
またサウルとかつてダビデを助けたヨナタンの遺骨を埋葬し、サウル家の血を引ヨナタンの息子メフボセテに元の権限を与え、王室に迎い入れます
ダビデは30歳の若さで即位し、その後7年6ヶ月の間ヘブロンでユダを治め、33年の間エルサレムでイスラエル全土を統治しています。
その間ペリシテ軍をはじめ、モアブ人、アラム人、エドム人、アンモン人などの近隣の民族も打ち破り、配下に収めます。
そして
- バアレ・ユダにあった神の箱をエルサレムに保管
- 中央集権的君主制を樹立
- 税を徴収するための人口調査などの改革
- ユダヤ教の原本の成立
などを行っています。
また、ダビデは神殿を作ることを悲願としていました。
その願いは次の王となるダビデの子ソロモンが叶えます。これがソロモン神殿、長い間イスラエルの象徴的な神殿として讃えられましたが、ネブカドネザル2世率いるバビロニアによって崩壊されています。
ダビデの晩年
晩年、ダビデは家臣ウリヤの妻であるバト・シェバが水浴びしているのを見初め、関係を持ち、バト・シェバは身籠もります。
そして、ダビデは夫ウリヤを戦さの中で殺すように仕向け、ウリヤの死後未亡人となったバト・シェバを妻に迎えます。
これを知った預言者ナタンは、ダビデの犯した罪をたとえ話でダビデに語ります。
ダビデは自分のことと思わずに激怒し、自らの罪を悟り悔いたと伝えられています。
神は罰として、バト・シェバから生まれた最初の子供の命を奪います。
やがてバト・シェバが第二子を授かった時、神の命を受けた預言者ナタンからエディデヤ(主が愛する者)の名を授かります。これが後のソロモン。
また、年老いたダビデ王はアビシャグという美しい娘に寝所を共にさせ、自らの世話をさせています。
けれど、ダビデの王子たちが王位継承権を争う内乱が勃発。
バト・シェバはダビデに息子ソロモンを次の王にするという誓いをたてるよう懇願。祭司ツァドクが油を注ぎ、ソロモンがイスラエルの3代目の王となります
ダビデは自らの行いのために、天に召される直前まで王国と一族に対する将来の不安に苛まれ続けたと伝えられています
ダビデはソロモンに戒めを残して世を去り、「ダビデの町」に葬られています。
そして、ダビデの死後から約1000年後、ダビデの故郷であるベツレヘムでイエス・キリストがダビデの家系から誕生しています。
ダビデ、現代では変幻自在の英雄
「思春期ルネサンス!のダビデ君は生きて動き回るダビデ像。ヴィーナスさん、小便小僧君、モナリザさん と共にルブール高校でギャグ満載の学園生活をおくります。
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『テニスの王子様』に登場する天根ヒカルは彫刻のような体型と怪力が特徴。オジイ製の長ラケットを持ち、攻めのスタイルで相手を黙らせる、パワーを重視したテニスが得意
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『Fate/Grand Order』ダビデ(Fate)はアーチャークラスのサーヴァント。普段はクズでも決める時は決める美形で超秀才。
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『東京放課後サモナーズ』では中津木キュウマとして登場。才能がない野球好きで、グランドで先輩の玉拾いに明け暮れる頑張ってるが努力が実らない悲しい人
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ダビデ まとめ
ダビデがソロモンに王位を譲った後にも、むしろ醜悪と思えるような物語は続きます。
彫刻として愛られる美しい裸体も、歳をとればただのスケべなジジイと化したよう。
永遠であるはずの神の愛も、実は移ろいやすいものなのかもしれません。
信者さん、すみません。