12使徒とは、イエスの教えを世に広めた12人の弟子達をいいます。
彼らの命をかけた布教活動がなければ、神の子として生まれたイエスがこれほどまで世に知られることはなかったといえます。
今回はその12人の使徒とそれぞれの活動に注目です
12人のそれぞれの命を懸けた布教活動とは
目次
12使徒
12使徒とはイエスの弟子の中の高い位の12人。
ギリシア語では (apostolos) 「派遣された者」、「使者」「使節」を意味します。
イエスが天に召された後、イエスの教え「福音」を伝える布教活動を行い、「12使徒」と呼ばれるようになります。
ダヴィンチの「最後の晩餐」に描かれている12使徒は、左からバルトロマイ、小ヤコブ、アンテレ、ユダ、ペトロ、ヨハネ、キリスト、トマス、大ヤコブ、フィリポ、マタイ、タダイ、シモン。
イエスの死後、彼ら12使徒をはじめとした伝道師たちが厳しい迫害を受けながらも「主の教え」を広めたことでキリスト教が成立。
投獄され、布教活動を行えなかったヨハネを除いた11人全てが殉教していると伝えられています。
バルトロマイ
別名はナタナエル、イエスに「真のイスラエル人」と称賛されています。
フィリポを介してイエスと出会い、5番目の弟子となります。
アルメニアで捕らえられ、生きながら皮を剥がれる皮剥ぎの刑で殉教。
アルファイの子ヤコブ(小ヤコブ)
ヤコブは小ヤコブともいわれ、「マタイの福音」ではイエスの兄弟とされます。
信仰が厚く、イエスを埋葬した敬虔な弟子のひとり。
イエスの死後、初代エルサレム司教、古代ヘブライ人の指導者になっています。
エルサレムの神殿から突き落とされ、こん棒で撲殺され殉教。
アンデレ
ペトロの弟で、ガリラヤの漁夫。元は洗礼者ヨハネの弟子。
洗礼者ヨハネが、イエスの存在を預言し、アンデレは兄・ペトロと共にイエスに従います。
漁師とスコットランドの保護聖人であり、ギリシア正教の初代総主教。
ギリシアで投獄、X字型の十字架で処刑。その後Xの十字架は「セント・アンドリュー・クロス:St.Andrew's Cross」と呼ばれ、スコットランドの国旗にもなっています。
イスカリオテのユダ
エスを裏切り、銀貨30枚で売ったとされ、その後、後悔の念にかられ自殺。
「裏切り者」の代名詞にもなっています。
イエスに死刑判決が下ったことを知ったユダは自責の念から銀貨を返そうとしますが、敵対するユダヤ教の祭司たちはこれを拒絶。イエスの死以前に、ユダは銀貨を神殿に投げ入れ自殺しています。
シモン・ペトロ
十二使徒の中でもパウロ(パウェル)と並んで、最も重要な地位にある存在です。
『マタイの福音』『マルコの福音』にガリラヤ湖で弟アンデレと漁をしていて、イエスと出会い、最初の弟子になったと記されています。
正式名はシモンでしたが、イエスから「岩」(ケファKêpâ)とあだ名され、ギリシャ語訳ペトロ(ペトロス)が通称となります。
「主イエスの変容」(高い山に弟子達を伴い、光り輝く姿を示した)を目撃している、ヤコブ、ヨハネと共に選ばれた3人のひとり。
「イエスの受難」(裁判と処刑、イエスが逮捕された)の際、イエスを3度「知らない」と否認。
『ヨハネの福音』にイエスの復活の時、ヨハネと共にイエスの墓にかけつけていると記されています。
イエスから天国の鍵を授かり初代教皇になります。けれど、その最期はローマ帝国皇帝ネロによって逆さ十字架にかけられ殉教。
ヨハネ
ガリラヤの漁師の子で大ヤコブの弟、兄と共に洗礼者ヨハネの弟子でもありました。
ヤコブ、ペテロと共にイエスの最初の弟子となります。
ヨハネは常にイエスと行動を共にし、「イエスの変容」や「ゲッセマネ」(最後の晩餐の後最後に祈りを捧げた)にも伴われています。
イエスが十字架にかけられたときも弟子としてただ一人十字架の下におり、イエスの復活のときには最初に墓にたどり着いた弟子。
アジアに宣教に向かう途中捕らえられパトモス島に流刑。幽閉され【ヨハネの黙示録】を記します。
【ヨハネの黙示録】はヨハネが神からの啓示を受けて書いたものといわれ、人類の終末が描かれています。
トマス
トマスは復活のとき、その場にいなかったただひとりの弟子。
イエスの復活を疑ったことから「疑心のトマス」と呼ばれます。
東方で布教活動を行い、南インドで殉教したと伝えられています。
ゼベダイの子ヤコブ(大ヤコブ)
ヨハネの兄。弟ヨハネと共にガリラヤ湖畔で漁をしていてイエスに出会い、ヨハネと共に最初の弟子となったひとり。
イエスが最後の祈りを捧げる「ゲッセマネ」にヨハネ、ペテロと共に同行。けれど、イエスの祈りの時眠り込んでしまっています。
イエスの死後、スペインで布教、スペインの守護聖人となっています。
エルサレムに戻るとすぐに捕らえられ斬首刑に処せられ、最初の殉教者となります。
フィリポ
フィリポはイエスが直接招いた最初の弟子。ヨルダン川の河岸でイエスと出会います。
イエスの死後、サマリヤやウクライナ、トルコ西部で宣教を行っています。
ヒエラポリスの町で異教徒に捕らえられ、逆十字に縛られ、石打にされ殉教
マタイ
マタイはイエスと出会う前は町の徴税人で、住民からは嫌われる存在。イエスの召命に応じて弟子となります。
イエスの死後、エチオピアあるいはペルシャのヘリオポリスで殉教したとされています
タダイ
その系譜は定かではなく、小ヤコブの兄弟あるいは聖母マリアの妹クロバの子だったともいわれます。
『マタイの福音』『マルコの福音』での「タダイ」と、『ルカによる福音』の「ヤコブの子ユダ」または、「イスカリオテでないユダ」は同一人物として解釈されています。
そのため、ユダ・タダイは、西方ではイエスを裏切ったイスカリオテのユダとの混同を避けるために軽視され、「忘れられた聖人」と呼ばれていました。
タダイはバルトロマイとともに小アジアのエデッサやアルメニアに宣教活動を行い、最期は斧で殺害され殉教したと伝えられています。
熱心党のシモン
シモンは元はローマの支配に抵抗する反政府派「熱心党」のメンバーでした。熱心党はローマ政権に立ち向かえる指導者としてイエスに求めたものと推察されています。
けれど、イエスの復活後、シモンはその存在に諭され、その後福音の伝道に励みます。
ユダ(タダイ)とともにペルシアやアルメニアで活動し、鋸で切断され殉教しています。
現代の12使徒は
人気漫画「悪魔くん」最新版でも12使徒が活躍します。彼らは以下のメンバー
- 第1使徒:メフィスト2世 ー シルクハットにステッキを持った強い魔力の悪魔
- 第2使徒:ユルグ ー 狐の姿をした白悪魔
- 第3使徒:ヨナルデパズトーリ ー 人間の魂を支配する冥界の神
- 第4使徒:幽子 ー おかっぱ髪の小柄な白悪魔の少女
- 第5使徒:ピクシー ー 赤と青の双子の子鬼
- 第6使徒:百目 ー 体中が目玉だらけの白悪魔
- 第7使徒:妖虎 ー 普段は老人の姿をしているが、怒ると獅子の姿に変化する
- 第8使徒:家獣(家獣バウー) ー 多数の窓がある巨大な球体に一対ずつの手足と多数の枝が生えた、パイナップルのような外見の怪物
- 第9使徒:象人 ー ガネーシャがモデルのインド出身で象顔の巨人の姿をした悪魔。
- 第10使徒:鳥乙女(鳥乙女ナスカ) ー ナスカ高原出身の鳥の羽が生えた美少女
- 第11使徒:サシペレレ ー ブラジルの聖霊。赤い帽子、浅黒い肌のパイプを咥えた、一本足の小人
- 第12使徒:こうもり猫 ー コウモリの羽を持つ猫
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12使徒 まとめ
幽閉されたヨハネを除く11使徒が殉教し、その役目を果たしていることに驚きです。
キリスト教は弱者を救済する教えを説いているものと理解していました。
けれど、考えてみれば、迫害を受けることに耐え、それを受け入れるよう説いているのだと悟りました(違っていたらすみません!)
神は決して迷える子羊を甘やかしてくれそうにありません、ね。