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オシリス、イシスの夫でホルスの父。冥界の王になった生産の神

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出典:deviantart

オシリスはエジプト神話の冥府の神。 

豊穣の女神・イシスの兄で夫、天空神・ホルスの父でラーに次ぐ最高神。 

生前は理想の王と称され古代エジプトを豊かにした農耕神です。 

 

今回は、数奇な運命をたどった偉大な神・オシリスのご紹介です。 

豊穣の神がいかにして冥界神へと至ったか。 

死しても信仰を集める、冥界を束ねるオシリスとは如何なる神か 

ご覧ください。 


 

オシリス、民に文明を授けた冥府の神

テーベ、ラメセス1世墓のオシリス. エジプト第19王朝

オシリスとは 

オシリス(Osiris)はエジプト神話の「再生」と「復活」をつかさどる、農耕神にして冥界の王 

古代エジプト語ではウシュ・イル。 

天の神ヌトと地の神ゲブの息子にして最高位の女神・イシスの兄、そして夫でもあります。 

古代エジプトの都市のひとつヘリオポリス創生に関わる神々、ヘリオポリス九柱神の一柱

理想的な王として中王国時代(紀元前2000年頃)に多大な信仰を集めました。 

 

セトに疎まれ、殺害 

イシスによって復活を遂げ、以降冥界(ドゥアト)の王として君臨することになります 

 

家系

中央:オシリス、左:ホルス、右:イシス ルーブル美術館

 大地の神・ゲブ 

 天空の女神・ヌト 

兄弟 

  • 豊穣の女神・イシス
  • 戦いの神・セト
  • 葬祭の女神・ネフティス 

 イシス 

 天空の神・ホルス

 

容姿

ネフェルタリの墓、19王朝時代

オシリスは再生を表す緑、あるいは豊穣を表す肥沃な土の黒の肌 

ミイラの包帯と関連づけられた最初の人物の一人で、長く白い衣装(あるいは包帯)をまとったミイラのような姿のファラオ 

両脇にダチョウの羽根を組み合わせた白いアテフの冠をかぶり、手には羊飼いの神を象徴する曲がった杖と、土地の豊穣を象徴するフレイル(鞭)を持ちます 

 

神格 

ファラオ・ホルエムヘブの墓

オシリスは豊穣、農業、植物の神 

イア(イアフ  Iah) との習合され、の神でもありました。 

死後、冥界の王となり、死者と死者の復活を司る神となります。 

 

善王にして穀物の神 

信仰初期のオシリス神は、植物の死と再生の象徴。  

父ゲブの跡を継ぎ、地上を治める王となったオシリスは人間に穀物の育て方やパン・ワインの製法、さらに神殿建築の方法を授けました 

法の制定にも尽力し、エジプト全土に平和で豊かな文明をもたらしたオシリスは、善王として人々から多くの称賛を浴びました。 

しかしこの類稀な治世の才能が、弟セトの恨みを買うこととなります。 

 

ドゥアト(冥界)の王 

死後、オシリスは死者と冥界の王となります。 

古代エジプトにおいて、死した魂は審判を受け、地下の冥界ドゥアトを通り、楽園『セヘト・イアル』(アアル)で再生できると信じられていました。 

そのセヘト・イアル』はオシリスが支配するエジプトの天国 

オシリスは裁判官として、死した魂を裁きます 

そのため、死者が冥界に受け入れられるため、正しい埋葬の手続を踏み、神の裁きを無事通過することが重要視されるようになります。

 

オシリス信仰 

オシリスとアヌビスを崇拝するナナイ・ステイル 第18王朝末期。紀元前14世紀

起源は、先王朝時代(紀元前5500~前3100年)のシリアの王を神格化したという説やバビロニア神話の主神、世界と人間の創造主マルドゥクと関連付ける説もあり、明確には分かっていません。 

⚫︎ 第1王朝紀元前3100年頃〜 紀元前2890年頃)、ファラオの称号として用いられ、 

⚫︎ 中王国時代(紀元前2000年頃)には理想的な王として多大な信仰を集めました 

 

初期のオシリス信仰は、太陽信仰と同様、王の権威と復活を助けるためのもの 

紀元前2400年頃『イシスとオシリスの伝説』が成立すると、太陽神ラーが生きている者の神でり、オシリスが死者の神として崇められます。 

ファラオはオシリスと一体となり、永遠の命を受け継ぐと考えられます 

 

神官たちは、劇としてオシリスの生涯を演じ、ナイル川の氾濫を抑え、植物の成育と豊作を祈願 

新たなファラオの誕生を、オシリスの後継者であるホルスの化身として玉座に就くのを祝いました。 

 

古代エジプトの遺跡にはオシリスの肖像や名前が記されオシリスが当時の人々の死生観に大きな影響を与えていたことを物語っています。 

 

「オシリスとイシスの伝説」

『ホルスの目がオシリスに香を捧げている』紀元前13世紀 パシェドゥの墓

オシリスの弟である破壊神・セトは、暴力を好む荒い気性の持ち主で、平和な世の中と兄を激しく憎み、彼の殺害を計画します。 

セトはオシリスにぴったりの豪華な石棺をつくり、饗宴の場で彼を誘って閉じ込め、ナイル川に投げ込みました。 

その棺は遠く離れたビブロス(レバノンの貿易港)の地に流れ着き、育つ大樹に飲み込まれ、ビブロスの王によって宮殿の柱にされてしまいます。 

彼の死を嘆き、遺骸を探す旅に出ていた妻・イシスは棺を見つけ出し、王子の乳母として王妃に取り入ったうえで棺を譲り受けます。 

太陽神・ラ―より授かった蘇生の儀式により息を吹き返したオシリスでしたが、これを知ったセトは彼の体を14の肉片に切り刻み、エジプト全土にばらまきました 

 

それでも諦めきれないイシスは断片を集め、妹の葬祭を司る女神ネフティスと養子となった冥界の神アヌビスとともに再び蘇生を成功させます 

しかし性器が魚に食べられたことにより、彼の身体は不完全なものとなりました 

以降、神々はオシリスが二度と死なないよう、彼を冥界の王に任じます。 

 

ミイラとして復活したオシリスは、息子であるホルスを後見し、セトに奪われた王位を奪還、継承させます。  

これ以降、現世をホルスが治め、自身は「セヘト・イアル」(あるいはアアル(冥界の楽園))王として死者を裁くことになります 

 

冥界の王となったオシリス

『死者の書』の審判

冥界に下ったオシリスは、セヘト・イアルという天国を統治するようになります 

ファラオのみが入れるとされていた太陽神・ラ―の天国に対し、セヘト・イアルは万人に開かれた天国であり、その王であるオシリスは人々の強い信仰を集めるようになります。 

セヘト・イアルは、ラ―が創造したセヘト・ヘテペト(平和の野)の中にある作物が枯れない豊穣の地 

人々は死後そこでの豊かな暮らしを望みました 

 

オシリスは永遠の命を与えるための裁判官となり、死者の中から心の正しい者を選定し、セヘト・イアルへ迎えます 

こうして農耕神であったオシリスは、冥府を治める強大な存在となります 

 

セヘト・イアル(アアル)→ 


 

オシリス、創作物でもその存在感は健在!

アニメ化したライトノベル『吉永さん家のガーゴイル』では、強化植物としてオシリスが登場します。葉が一枚でも残っていれば復活できる、強靭な再生能力が特徴です。

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人気の作品『遊☆戯☆王』ではオシリスの天空竜というカードとして登場。相手の召喚にあわせて攻撃力・守備力を大きく削る強力な性能をもっています。

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大人気ゲーム『パズル&ドラゴンズ』にもオシリスというキャラクターが登場。強力なスキルを持つ人気のキャラクターとなっています。

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オシリス まとめ

ツタンカーメンの墓北壁

文明の発展に多大な貢献をしたにもかかわらず、その行き過ぎた才能が仇となった善王・オシリス。 

けれど、玉座を去った後も、彼は人々に支持され続けています。 

 

多くの神話で負の印象を持つ冥界が、古代エジプトで楽園と表現されるのは興味深いところ。 

死者の復活を信じるエジプト独特の概念かもしれません。 

 

 

 

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