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アドニス、ガニュメデス、ナルキッソス、ギリシャ神話の美少年

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コレッジョ『ガニュメデスの略奪』(1531年–1532年頃)

ギリシャ神話には美少年が多い、そんなイメージがあります。

その中の特に有名な美少年「ガニュメデス」「アドニス」「ナルキッソス」に注目です。

ちなみに太古のギリシャ・ローマでの同性愛は公にも認められていたのだとか。

ずっと眺めていたくなる、一番美しい少年はだ〜れ?

 

 

アドニス、ガニュメデス、ナルキッソス、美しいがための悲劇は美少年にもある

「ヴィーナスとアドニス」 ティツィアーノ・ヴェチェッリオ作

ギリシャ神話の中で、神はその欲望のために、多くのニンフや人間を不幸に陥れています。

それは女性に限ったことではありません。多くの男性も美しいがために神に翻弄され、星や花に姿を変えています。

そんなギリシャ神話の、美少年として名高い3人に注目です。

 

ガニュメデス

『ガニュメデスの誘拐』ウスタシュ・ル・シュウール作

ガニュメデスはトロイア王の息子として生まれます。

「人間の中で最も美しい少年」と称賛され、その美しさゆえゼウスに見初められ、鷲に変身したゼウスによって拉致され、オリンポス十二神に不死の酒ネクタールを給仕する役目を与えられます

これは元は青春の女神ヘーベーの役割でしたが、へーベーが神となったヘラクレスの妻となったためにその役割を担うものが必要になったため。

その代償としてガニュメデスには不死と永遠の若さが与えられます

そして、息子を失った父には俊足の神馬が与えられます。

 

ガニュメデスは大地に天の雨をもたらす神であったという説もあり、ネクタールを支給するガニュメデスの姿は水瓶座となって今も夜空に輝いています

 

アドニス

「ヴィーナスとアドニス」 ティツィアーノ・ヴェチェッリオ作

アドニスはシリアの王キニュラースとその王女ミュラーとの息子。

母のミュラーは絶世の美女、一族の者が「女神アプロディーテーよりも美しい」と称賛。それがアプロディーテーに知られ、そのためミュラーは実の父を愛するよう呪いをかけられます。実の父に焦がれるミュラーは顔を隠し、娘だと知らせずその思いを遂げ、父キニュラースと一夜を共にします。

それを知った父は激怒し、殺めようと娘を追いかけます。

哀れに思った神々はミュラーをミルラ(没薬)の木に変え、娘は難を逃れます。

やがて、その木に猪がぶつかり、木は裂け、その中からアドニスが誕

その美しい新生児にアプロディーテーが恋をします。けれど、その子は冥界の女王ペルセポネーに預けられ育てられます。アドニスをひと目見た時からペルセポーネもアドニスに恋をします

『ヴィーナスとアドーニス』ピーテル・パウル・ルーベンス作

やがてアドニスは成長し、アプロディーテーに返されようとしますが、ペルセポネーもアドニスを手放すのを拒み、2柱の女神は争い、天界の裁判にその処遇を委ねられます。

1年の3分の1はアプロディーテー、3分の1はペルセポネー、残りの3分の1は自由に過ごすというもの。

けれど、アドニスは自由の身となる残りの3分の1もアプロディーテーと過ごそうとします。

それを嫉妬するペルセポネーはアプロディーテーの愛人である軍神アレスをけしかけます。

アレスは猪に化け、狩が好きなアドニスのもとへゆき、アドニスを殺害

その時、アドニスの流した血から、アネモネの花が咲いたといわれています。

 

ナルキッソス

クリスチャンゴットリープシック作  1776-1812年

ナルキッソスはケフィソス川の河神とニンフのリリオペの間に誕生。出生時に盲目の予言者テイレシアスに「自分の姿を見なければ長生きできる」と予言されています。

類稀な美少年に成長したナルキッソスは、彼を恋い焦がれる周囲の者には一切興味を示さず、ただ冷たくあしらっていました。 

ナルキッソスがうけた二つの呪い

ある時アプロディーテーに贈り物を授かり、それを侮辱。怒ったアプロディーテーは「彼を愛する者の誰も彼を射止めることができない」呪いをかけます

ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス1903年

彼を恋する者の一人にニンフのエーコーがいました。けれどエーコーはヘラの怒りをかい、他人の言葉を繰り返すことしかできません。ナルキッソスはそんなエーコーを冷たくあしらい、エーコーは失恋の痛みで、実体のない、ただ木霊だけの存在になってしまいます

そんなナルキッソスを怒った復讐の神ネメシスはナルキッソスに「自分しか愛せない」呪いをかけます

そしてネメシスはムーサの山にある泉にナルキッソスをよび寄せます。

ナルキッソスが水を飲もうと水面を見ると、水面に映る美しい少年を見つけてしまいます。

ナルキッソスはひと目で恋に落ち、そのまま、水の中の美少年から片時も離れることができなくなり、やがてやせ細って死んでしまいます

(あるいは、水面に写った自分に口付けをしようと、水に落ちて水死)

ナルキッソスが死んだ後には水仙の花が咲くようになります。

そして、ナルキッソスは死後も、冥界を流れるステュクスの水に映る自分の姿に魅入っていると言い伝えられています。


 

「アドニス」「ガニュメデス」「ナルキッソス」、ギリシャ神話の美少年。美少年はまんま美少年

出典:gamegift

テレビアニメ「あんさんぶるスターズ!」の乙女狩アドニスは寡黙なハーフの青年、異国情緒漂う容姿が魅力のアイドルとして活躍しています。

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人気コミック「オリンポス

巨大な国、トロイア。その国で「光輝く王子」と呼ばれる美貌のガニュメデスは、オリンポスの神々によってさらわれてしまう―― 二度と出られない箱庭へと誘われたガニュメデスを待つ試練とは――…。

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narcissu』(ナルキッソス)は世界で100万回以上のダウンロードを記録する「ステージなな」制作の人気同人ゲーム。不治の病でホスピスに入ることになった大学生の主人公は「7階」と呼ばれる場所でセツミと呼ばれる少女に出会います。

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アドニス、ガニュメデス、ナルキッソス  まとめ

 

美しいがために運命に翻弄されるとはいうものの、自分のもにならないという理由で復讐する、神々の所業はやはり横暴です。

その償いや自責の念で、花や星になって永遠の命を留められるようになったとしても救われない。

美少年にしろ、美少女にしろ、美はみんなで仲良く鑑賞すべきですよね〜

 

 

 

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