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サマエル、死を司るユダヤの天使。「サタンの長」でリリスの夫

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出典:deviantart

サマエルはユダヤ教の伝承で語られる死を司る天使。 

 『旧約聖書』には登場していませんが、外典や偽典などでサタンと同一視され、さまざまに語られる謎の多い堕天使です。 

 アダムとイヴをそそのかす蛇になったり、人間の女性と交わるため堕天。 

リリスの夫、カインの父になるなど、悪の根源としての注目すべき働きをしています。 

 

そんなサマエルの所業を探ります。 


 

サマエル、さまざまな役割を果たした堕天使の長 

ギュスターヴ・ドレ(1855年)「ヤコブと天使の格闘」

サマエルとは 

サマエル(Samael)は、主にユダヤ教の偽典やタルムード、ミドラシュなどの文献で語られる12の翼を持つ死を司る熾天使、あるいは神の敵対者であるサタンの長(堕天使の長)。  

 

 “sam” はヘブライ語で『』、その名は「神の毒」「神の悪意」を意味しています。 

 

サマエルは文献によってさまざまに語られる謎の多い存在 

破壊の天使」を率い、ヤコブと格闘した天使・カマエルや魔王・サタンと同一視れ、

  • 堕天使
  • 熾天使
  • 大天使 ‍ ‍ ‌
  • 告発者
  • 敵対者
  • 誘惑者
  • 破壊の天使
  • ローマの守護天使
  • 火星の天使

など様々に語られています。 

大魔王サタン(大いなる赤い竜)と同一視、あるいはその化身として見なされているため、「赤い龍(赤き竜)」とも呼ばれます 

 

旧約聖書にその名は登場していませんが、偽典や他の文献の中では旧約聖書の「創世記」でイヴを騙した蛇がサマエルの化身であると解釈されます。 

 

また、モーセの魂を天に導く使命に失敗、その屈辱で堕天 

あるいは、人間の女性と交わるために地上に降りた天使の1人とされます。 

 

ちなみに、同じ「死を司る天使」であるサリエルとサマエルは別個の存在

サリエルは魂を導くという神の使命を負った大天使(アークエンジェル)なのに対し、サマエルは「神の毒」『悪』を意味する、神に争う堕天使です。 

 

ユダヤ教のサマエル

カール・ポエラート作、(1886年頃) 「イブは禁断の果実を食べ、リリスと話すアダム」

ユダヤ教で語られるサマエルは最高位の熾天使 

堕天し、強大な力を持った魔王となります 

十二の翼を持つ天使であるところからルシファーとも同一視されることもあります。 

 

神の命を受け、モーセの魂を天国に運ぶ際、反抗するモーセの杖で打たれて目は潰れ、盲目になってしまいます 

その失態を神に厳しく叱責され、その屈辱から神への反感が生まれて堕天、魔王になったとされます。 

 

またミドラシュやカバラてはヤコブが格闘した天使」あるいは「エサウの守護天使」がサマエルとされます 

 

◾️  エノク書  

エノク書はノアの曽祖父であるエノクによる書とされるユダヤ教外典のひとつ。 

サマエルは第6章の天使論の中に初めて登場します。 

14章では、サマエルは人間の女性と交わるために地上に降りた監視者のひとり「誘惑者の長」 

 

◾️  バルクの黙示録 

バルクの黙示録は旧約偽典旧約聖書の正典・外典に含まれないユダヤ教・キリスト教の文書)のひとつ。 

預言者・エレミヤの弟子バルクが記す、天使と共に見聞した天上世界の記録とされるもの。 

 

ここでのサマエルは「毒と死の天使」であり「悪魔の君主」 

エデンの園に葡萄の木を植えた天使です。 

神はこれを怒り、アダムにその木に触れることを禁じます。 

その報復にサマエルはアダムに葡萄から酒を作る方法とその味を教え、神を欺いています。 

葡萄酒を飲んだアダムは楽園を追放。 

サマエルもまた天から追放されています 

 

あるいはサマエルは善悪の知識の木(葡萄の木)を植え、神の怒りにふれ、楽園を追放されます。 

呪われてサタンとなって、神への復讐のために蛇の姿になってアダムとイブを誘惑しています 

 

◾️『イザヤの昇天』 

偽典『イザヤの昇天』においてはさまざまな名で呼ばれる『悪の化身』 

擬人化された悪魔・ベリアルサタンと同一視され、旧約聖書で「最悪の王」とされたユダ王国の第14代王・マナセ王を操り、預言者・イザヤを反逆罪で告発しています。 

 

ミドラシュ文献

天の王の軍勢(1550年代)

ミドラシュ文献はユダヤ教からみた広範な旧約聖書の解釈書群 。

 

 その中でのサマエルは破壊的な任務を担う天の軍勢のひとり。 

死の主天使であり、サタンの長(堕天使の長を意味します) 

  • リリスのパートナー
  • アダムとイヴの追放の原因
  • カインの父
  • ローマの守護天使であり、イスラエルの宿敵 

とされます 

 

◾️『ピルケイ・デ・ラビ・エリゼル』 

ピルケイ・デ・ラビ・エリゼル』は8 世紀に書かれたとされる偽書写。 

 

そこでのサマエルは12 枚の翼を持つセラフィムで堕天使の長 

イヴとの間にカインをもうけたことが明らかにされています 

 

カバラ哲学

カバラーとは、ユダヤ教に基づいた神秘主義思想。 

ラビたちによる『旧約聖書』の解釈による神智学をいいます。 

 

カバラにおいてサマエルは、魂を肉体から引き離す「死と毒の天使」であり、「神の荒廃」を意味する第8の領域を司る堕天使たちと悪の諸力(クリフォト)の長 

悪魔の軍勢の長(サタン)と同一視される存在で悪霊の女王・リリスの夫 

 

◾️「ゾハール」 

「ゾハール」はカバラ思想の基本文献のひとつ。 

サマエルは地獄の大君主である「毒と死の天使」 

エデンの園でイヴを誘惑した蛇、あるいは蛇に乗った天使とされます。 


 

サマエル、現代でもまんま悪魔な堕天使 

映画・ドラマ 

2007年公開『シャドウ・ワールド』サマエルは世界を支配しようとする堕天使。 

ガブリエルが戦いを挑む、光と闇、大天使と堕天使の壮絶な戦いが描かれています。 

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2004年公開ヘルボーイのサマエルは龍神・オグドル・ジャハドの僕の悪魔。 

不死身の肉体と死んでもすぐに卵から蘇る能力でヘルボーイに挑みます。 

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アニメ・ゲーム 

『女神転生シリーズのサマエルは有翼の赤い大蛇または竜の姿をした堕天使種族の仲魔 

「真・女神転生」で初登場。「東京受胎」を引き起こした氷川総司令率いるニヒロ機構のナンバー2 

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人気アニメ青の祓魔師では正十字学園・祓魔塾の理事長も務める謎の存在メフィスト・フェレス。

その正体は悪魔の八候王(バール)の一人、“時の王 サマエル”。 

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サマエル まとめ 

出典:deviantart

初めて人(弟・アベル)を殺したカインがじつはアダムの子ではなく、イヴとサマエルの不義の子であったというのはナルホド、納得です。 

また禁断の果実がりんごではなく、ブドウで、酒を作って人間が飲酒したことも含めて神の怒りに触れたというのも興味深いです。 

 

なんか、偽典や外典のお話って、人間味があって楽しめるって印象です😅 

 

 

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