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イカロスは人間が作った翼で空を飛び、太陽に近づきすぎたために落ちてしまった少年。
そのイカロスの空を飛ぶ「勇気」、あるいは、高く望み過ぎたことの「傲慢」という対極を象徴する考え方があります。
今回はそのイカロスに注目です。
あなたはイカロスの勇気を讃えますか、あるいは傲慢ととらえますか?
目次
イカロス、イカロスの翼とは
イカロス(Icarus)は、伝説的な大工職人ダイダロスとクレタ島のミノス王の女奴隷、ナウクラテーの子。
羽根を蜜蝋で固めた翼で空を飛びますが、太陽に近づき過ぎたために蝋が溶けて羽根がとれ、墜落死した少年。
この物語は人間の空を飛ぶという本来の領域を超える傲慢さやテクノロジーを求めすぎることを批判する神話として有名です。
イカロスの父ダイダロス
イカロスの父ダイダロスは元はアテナイで有名な大工職人で発明家でしたが、兄弟のペルディクス(あるいはその息子タロース)の才能を恐れて彼を殺害。その罰としてアテナイを追放されます。
クレタ島のミノス王の保護を受け、様々な発明品を作り出します。その中にはミノタウロスを封じるための迷宮(ラビュリントス)がありました。
テセウスがクレタ島を訪れた際、王女アリアドネーに迷宮から脱出する方法を教えています(あるいはその疑いをかけられています)。
テセウスが王女アリアドネーを連れて島を脱出したことでミノス王の怒りをかい、息子イカロスと共に塔に幽閉されてしまいます。
イカロスはなぜ空を飛んだのか
知恵者であり優秀な技術者でもあるダイダロスは塔からの脱出を考えます。
孤島であるクレタの海岸は厳重な見張りがおり、海から逃げることはできないと悟ったダイダロスは、空から脱出することを考えます。
ダイダロスは牢獄の周りにミツバチの巣があることに気づきます。
そこで、海鳥の羽を集め、それを蜜蝋で固めてゆきます。
そして人間が飛べるほどの大きな羽を造ります。完成した翼をつけ、羽ばたきます。
体が宙に浮き、空を飛べるようになります。
ダイダロスは息子イカロスにも翼を付け、そして忠告します。
「必ず高過ぎず低過ぎない位置を飛ぶように注意しなさい。低すぎると海の水しぶきで羽が重くなる。高く飛ぶと、太陽の熱でロウが溶けてしまう。」と。
そして二人は飛び立ちます。
イカロスの最後
ダイダロスは息子がついてきているか振り返りながら進みます。
イカロスは、最初、ぎこちなくゆらゆらと進みます。けれどしばらくすると空を飛ぶことが楽しくなってきます。
眼下には農作業をする人や羊飼いたちが二人の姿を見あげています。
イカロスは少年らしく、空を飛ぶことの快感に戯れるようになってゆきます。
速度を早めたり、できるだけ低く飛んだり、そして、高く、高く、太陽神ヘリオスに向かって飛んでしまいます。
気がつくと、ロウが柔らかくなり溶け始めています。
瞬間、羽はバラバラになり、イカロスは、海に真っ逆さまに落ちてゆきます。
ダイダロスがイカロスが落ちてゆくのに気づいた時にはもうすでに手遅れ。イカロスは溺死。
以降、イカロスが落ちた海はイカリア海、イカロスの遺体が埋葬された近くの島はイカリアと名づけられました。
ただし、異説では父子はクレタ島を追放され、船で脱出。イーカロスは帆船をうまく操れず船が転覆し、あるいは海に落ちて溺死しています。
イカロスの翼
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近年、イカロスの物語は、人間の太陽(神)に近づきすぎる「傲慢」を戒めるための物語、そして「イカロスの翼」は人間が生み出した技術への過信を戒めることばとして伝えられて来ました。
けれど一方で、苦境に陥った人間が「知恵」と「勇気」をもって初めて空を飛んだという「先駆者」の物語として捉えられています。
ゲームや天使にもなるイカロス
アニメ「そらのおとしもの」の主人公イカロスは天使のような未確認生物。かつて空の国(シナプス)で「空の女王(ウラヌス・クイーン)」と呼ばれ恐れられた戦略用エンジェロイドタイプα。
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『イカロスオンライン』は、韓国のWEMADEIOが2015年よりサービスを開始しているファンタジーMMORPG。超美麗グラフィックと広大なワールドで多種多様な「フェロー」と共に天、地、海を縦横無尽に駆けるフェローシステムが魅力。
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イカロス まとめ
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よく空を飛ぶ夢を見ます。
けれど、残念なことに、ハリーポッターやヒックとドラゴンみたいに気持ちよく飛べたことがない。
夢判断では、どう飛んでいるかが今の状態を表しているのだそうです。
夢の中でいいから、いつかハリーポッターやヒックみたいに上手く空を飛んでみたいです。