ジブリ作品「天空の城ラピュタ」に出てくる大型飛行戦艦の名が「ゴリアテ」でした。
作中で政府軍がラピュタ探索のために派遣した戦艦ですが、実はこの「ゴリアテ」、元ネタは旧約聖書にでてくる巨人の名前なのです。
今回はそんな旧約聖書の巨人「ゴリアテ」についてご紹介します。
ゴリアテ、ダビデに負けた巨人
旧約聖書の「サムエル記」で、羊飼いのダビデが戦った相手がペリシテ人の巨漢ゴリアテ(Golyat ヘブライ語)、英語ではゴライアス(Goliath)
身長は6キュビト半、約2.9メートルあったと伝えられています。
5000シェケル、約57キログラムの鎧をつけ、600シェケル、約6.8キログラムの槍を武器としていました。
ちなみにゴリアテを倒したのは後に偉大な王として名を馳せるダビデ王の少年期。
ミケランジェロの「ダビデ像」はゴリアテに石を投げようとする瞬間の姿が表現されていると伝えられています。
旧約聖書のダビデとゴリアテ
ダビデとゴリアテの戦いは旧約聖書「第一サムエル記」第17章に記されています。
「サムエル記」では、ペリシテ軍とイスラエル軍が対峙して戦争をするのですが、羊飼いの少年ダビデはイスラエル軍に参加していた兄に食糧を届けるため陣営に訪れていました。
ペリシテ軍での中でも巨体を持っていたゴリアテは非常に傲慢で強い兵士。
イスラエルの神であるヤハウェを嘲い
「そちらの陣の勇者と一騎討ちで決着をつけよう。
お前たちが勝てばペリシテ軍はお前たちの奴隷となる。ただし俺が勝てばお前たちはペリシテの奴隷となれ」と戦いを挑みます。
けれどイスラエル軍はそんなゴリアテを恐れ、彼に戦いを挑もうとするものはいませんでした。
そこへ、偶然兄を訪ねてきたダビデ少年がゴリアテに戦いを挑みます。
少年ダビデは武装する甲冑や武器を断り、羊飼いの武器である杖と投石器、5つの石だけを使用してゴリアテに勝利します。
「俺はお前が嘲ったイスラエルの神、ヤサウェイを頼りに戦う。戦いは腕力や武器の力だけで戦うものでないことを知らしめる」
そう言い放ちます。
そして、怒って向かってくるゴリアテに石を放ちます
石はゴリアテの額に命中し、ダビデは倒れ伏したゴリアテの首をはねてしまいます。
ペリシテ軍はゴリアテの敗退により総崩れとなり撤退し、その結果イスラエル軍は戦いに勝利します。
ダビデはこの功績を買われ、イスラエル王国最初の王・サウルの側近として仕えるようになりました。
この旧約聖書の羊飼いの少年に倒されてしまった巨人伝説から、
ゴリアテは「小さい存在が大きい存在に勝つ」「でかいだけの見掛け倒し、かませ犬」の比喩として使われることもあります。
武器や乗り物として活躍するゴリアテ
有名なジブリ映画「天空の城ラピュタ」の巨大空中戦艦「ゴリアテ」は、軍隊がラピュタ探索に使っていました。
作中でも非常にインパクトのある、大きな飛行船艦です。無数の機関銃を構えた重装備の戦艦で、ムスカとモウロ将軍一行が搭乗していました。
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また、東方Projectの作品である「東方非想天則」にも、ゴリアテ人形というスペルカードが登場します。これは、小型の人形が巨大化するというものです。
ゴリアテという名前は旧約聖書に登場する「ゴリアテ」から取られることが多いせいか、やはり巨大なもの、しかも乗り物や武器に名づけられることが多いようです。
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ゴリアテ まとめ
武器や戦艦の名前に使われることの多い「ゴリアテ」。
けれど、ゴリアテという比喩の通り
最強の武器を装備していたり、有利な立場にいたとしても油断してはいけませんね。