ゲームやアニメ、映画などでソドムとゴモラというワードを目にすることは多いですよね。
あたかも滅びの象徴かのように登場するこのソドムとゴモラという言葉。元々は旧約聖書に起因する言葉なのですが、その説明がされることは少ないと思います。そのため、ソドムとゴモラという言葉に関してぼんやりとわかったような気になったまま流している人も多いのではないでしょうか。
この記事では、このソドムとゴモラという言葉が旧約聖書でどういう言葉なのか、また登場する作品などについてもわかりやすく説明していこうと思います。
画像出典:ウィキペディア
なぜソドムとゴモラは滅びの象徴なのか
ソドムとゴモラが登場するのは旧約聖書の創世記。
今で言う死海の周辺にソドムとゴモラという街がありました。
この街、とても繁栄していたのですが道徳的には背徳を極めていたのです。悪徳が栄え、性的にも乱れきっていました。ただ一人善良だった男『ロト』は町を正しく導こうとしましたが、人々は聞き入れず悪行に酔うばかり。
神様がその現状に、ソドムとゴモラの街を滅ぼそうと決めたというのですからそれはとんでもない状況だったのでしょう。
しかしここで、神様の友とも言えるアブラハムが進言します。「いやいや、そうは言っても義人(他人のために生きる善人)が十人くらいはいるはず」
すると神様は言います。「ほう、本当にいるならその人達の為に滅ぼすのやめるよ」
かくして神様は2人の天使をソドムの街に遣わします。
街の入口に座っていたアブラハムの甥でもあるロトは2人に気がつくとすぐに立ち上がり、自分の家へと招きます。
天使は「街の広場に泊まるから」と辞退するのですが、そのような場所に泊めることは出来ないと強く勧め、自宅へ招き2人をもてなします。
しかし、その夜。ソドムの民がわらわらとロトの家に押しかけます。「お客さんいるよね、辱めるから差し出して」はっきり言って無茶苦茶です。抵抗するもソドムの民は収まらない。
この様子を目にした神様はソドムとゴモラの町に硫黄の火を降らせ滅ぼすことに。
ロトには家族を連れ振り返らず逃げるように伝えるのですが、ロトの妻は振り返ってしまい塩の柱になってしまいます。これが旧約聖書のソドムとゴモラの街の物語。
ちなみに、はるか昔に死海周辺に小惑星の破片が落下し壊滅的な被害があったという記録もあるそうです。偶然にしては凄い一致ですよね。
様々な作品に登場するソドムとゴモラ
出典:TWINFINITE
ソドムとゴモラというワードは様々な作品に登場します。
例えば、ジブリの名作天空の城ラピュタ。
あのムスカに「旧約聖書にある、ソドムとゴモラを滅ぼした天の火だよ」という台詞があります。
ラピュタの世界では旧約聖書の時代から存在しているということなのかもしれませんし、それだけの威力があるという意味かもしれません。
画像出典:pinterest
さらに装甲騎兵ボトムズでも百年戦争が生み出したソドムの街という台詞があります。ここでは戦乱で荒廃した為に悪徳が栄えた背徳の街という意味です。
番外編としてドラゴンクエスト。
ドラゴンクエストの登場人物であるロト、その名前は語感などで決定していて、ソドムとゴモラのロトとはたまたま名前が被ったというのが定説です。
しかし、それは建前という噂もあるんですよ。
その噂とは、ロトの名前を旧約聖書からとったと言及してしまうと老若男女問わず楽しんで欲しいドラゴンクエストというゲームに宗教色が強くなりすぎること、また旧約聖書からと言及してしまうとキリスト教関係者から抗議が予想されることで隠したというもの。
あくまで噂ではありますが、旧約聖書に登場するロトが、悪徳が栄える街でも周囲に流されない唯一の善人であったことを考えるとありえるかもしれません。
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まとめ
出典:pinterest
紹介してきましたようにソドムとゴモラが滅びの象徴と言われるのは、神の怒りをかうほどに乱れきった場所という意味からなんですね。
勧善懲悪ではありませんが、悪い行いには報いがある。
今回の記事をきっかけに、ソドムとゴモラの街とセットでロトについても覚えてもらいたいと思います。
周りに流されず善い行いをする、そんな人でありたいものです。
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