七福神といえば、代表的な日本神話の神様御一行。個々の神様の衣装やアイテムが個性的で汎用性が高いので、日本人で知らない人がいないくらいに有名ですよね。
けれど、歴史的背景や七福神それぞれのご利益については細かく語られる事も少ないと思います。そこで、今回は七福神について改めて探ってゆきたいと思います。
目次
「七福神」神様のグローバルチーム
まずはそれぞれの神様のご紹介です
恵比寿天
商売繁盛の神様。福耳、釣り竿、笑顔が特徴です。
大漁守護、五穀豊穣のご利益
毘沙門天
勝負事の神様。甲冑を着けた武神。
必勝祈願を中心に、家内安全、降魔厄徐のご利益
大黒天
五穀豊穣の神。小槌、大きな袋を持った姿が特徴です。
商売繁盛、出世開運のご利益
福禄寿
長寿の神。長頭、長いあごひげ、杖が特徴。
長寿や人徳を中心に、立身出世、招徳人望、延命長寿のご利益
布袋
開運・縁結び・子宝の神。坊主、うちわ、恰幅の良い体系が特徴。
良縁や子宝を中心に、家運隆盛、家庭円満のご利益
寿老人
長寿、招福の神。長いあごひげ、杖、鹿、桃が特徴。
長寿と幸福を中心に、幸福長寿、福徳智慧のご利益
弁財天
学問と財運、招福の神。紅一点、楽器を持った女性。
学問と芸事を中心に、恋愛成就、学徳成就にご利益。
福を運ぶ七神
七福神のメンバーはインドの大黒天 毘沙門天 弁財天 、中国の福禄寿 寿老人 布袋和尚、日本の恵比寿、これにインドの吉祥天も加わる場合もあるとか。なるほどグローバルな構成です。
** 成り立ちは **
平安時代に最澄上人がヒンドゥー教のシヴァ神の化身である大黒天をインドの慣習と同じように比叡山延暦寺の台所で、毘沙門天と弁才天とを合体させた三面大黒を祭り始めたのが始まりという説があります。
その後、同じ平安時代に七福神では唯一日本神話からの恵比寿様と一緒に崇める風習が生まれます。
この4福神に最終的に、中国出身の布袋様と寿老人様、福禄寿様が加わり、江戸時代中期には今の七福神に落ち着いたということ。
中国では、八人の仙人を祀る八仙という風習があり、それが七福神の起源ではないかという説もあります。
多様性を地で行く七福神
七福神それぞれが個性的。イベント衣装等でも使いやすかったり、神様が七人も揃いますのでめでたいイメージの醸造がしやすい為、年賀状等でキャラクターを七福神コスプレさせるみたいな事は、お正月にどこかで必ず見かける光景ではないでしょうか。
ゲームやアニメで登場する場合は、七福神が七人パッケージというよりは、個別にキャラ設定されている事が多いようです。
弁財天
紅一点の弁財天は「うる星やつら」の弁天や『聖☆おにいさん』では弁才天として登場。それ以外にも「モンスト」や様々なイベント出演でご多忙です。
寿老人
森見登美彦著の小説、テレビアニメ「 有頂天家族」の中で京都の政財学界有力者が集う秘密結社「金曜倶楽部」のリーダーとして登場しています
大黒天
和ヶ原聡司著のライトノベル、『はたらく魔王さま!』の大黒天祢(おおくろあまね)として登場。日本の死者の聖地を司る管理者、海の家「大黒屋」の臨時店長です。
ご利益のバリューセット「七福神」
まさか七福神に日本神話から一人しか参加していなかったのは驚きです。
日本の古い正月風習の七福神巡りなどは、日本神話に由来するものではなく、いつの時代もお得なバリューパックに弱い日本人の大衆文化だったのですね。